『コード・ブルー』を手掛けたプロデューサーも登壇し、医療データとITの未来を語る!
文●ASCII
2021年11月23日 13時00分
ICT技術の恩恵を得ることで、住んでいる場所や時間を問わず、医師の診察を気軽に受けられることへの切望は、コロナ禍を経験した現代を生きる我々にとって、より強く・現実的な欲求になっているのではないだろうか。例えば「体調で気になることがあるから、少しお医者さんに診てもらいたい」ということがあっても、時間がない、探すのが面倒、遠いなど、さまざまな理由から、なかなか病院には行きづらい。多くの人が、質の高いオンライン診療などの機会の拡充を期待している。
しかし、厚生労働省が2021年10月に開催した「第17回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」によると、今年4月〜6月に実施された医療機関向け調査結果として、国内にある全医療機関のうち「電話や情報通信機器を用いた診療を実施できるとして登録した医療機関数」は15パーセントに留まる。さらに、初診時にも電話やオンラインで診察を実施している割合は、全体のうち、わずか6.4パーセントに限られている。
そもそも、オンライン診療に限らず、ICTを活用したさまざまな医療のベースとなるカルテの電子化、データ化についても、その普及率は厚生労働省の調査では2017年時点で5割以下だ。病床規模が400床以上の大規模病院では9割近くが電子カルテを導入しているものの、小規模な病院や診療所の導入率は4割前後。これは2017年のデータであり、現状はもう少し進捗していると思われるが、小規模な病院・診療所の導入はどれくらい進んだだろうか?
こうした医療のICT化が今ひとつ進んでいない現状を、今後どのように解決していくべきかについて、識者らが一般の方にも分かりやすく議論する無料のオンライン講義として、11月24日(水)に京都大学「社会を駆動するプラットフォーム学卓越大学院プログラム」が開催される。
京都大学医学部附属病院・黒田知宏教授には研究者視点での課題意識を尋ねるとともに、医療SaaS企業として業界を牽引する株式会社メドレー・豊田剛一郎氏には事業・サービスによる社会課題解決をどのように捉えているかをうかがう。更に、一般の方にはなかなか知ることが難しい医療現場の現状や医療従事者の方々の奮闘を、エンターテインメントとして伝える「医療ドラマ」制作という視点からの意見を、元フジテレビで『コード・ブルー』シリーズなどの人気作品のプロデューサーを務めた増本淳氏に語っていただく予定だ。
京都大学【プラットフォーム学連続セミナーVol.5】イベント詳細
・イベント名:医療の未来とプラットフォーム学 ~ICT技術で切り開く健康や福祉の未来~
・開催:2021年11月24日(木)16時45分 〜 18時45分
・主催:京都大学プラットフォーム学卓越大学院
・協力:京大オリジナル株式会社、株式会社角川アスキー総合研究所
・事前応募制/オンラインセミナー(Zoomウェビナー)
・お申し込みはこちらから
登壇者一覧
株式会社メドレー 取締役医師
豊田剛一郎 氏
2015年2月に当社取締役に就任。医療事典MEDLEYの立ち上げをリードし、正しいオンライン診療の普及を目指した啓蒙活動に従事。現在は事業連携推進室を管掌。当社の前は、医師として聖隷浜松病院、NTT東日本関東病院に従事し、ミシガン小児病院で脳研究を行い、マッキンゼー・アンド・カンパニーで勤務。東京大学医学部を卒業。著書に『ぼくらの未来をつくる仕事』。
プロデューサー/脚本家
増本淳 氏
1976年千葉県生まれ。早稲田大学理工学部を卒業後、2000年よりフジテレビに勤務。数々のドラマや映画の制作に携わる。主な担当作品にはコード・ブルーシリーズ、Dr.コトー診療所、救命病棟シリーズ、白い巨塔など、医療をテーマにした作品も多い。2019年にフジテレビを退社し、現在はフリーのプロデューサー、脚本家として活動中。
京都大学医学部附属病院 医療情報企画部長/病院長補佐
黒田知宏 教授
京都大学医学研究科、情報学研究科教授。オウル大学(フィンランド)などで AR、Mobile Computing 研究を行った後、京都大学医学部附属病院への電子カルテ導入に従事、現在に至る。著書『医療情報システム』等。
京都大学 プラットフォーム学卓越大学院 プログラムコーディネーター
原田博司 教授
京都大学情報学研究科教授。郵政省通信総合研究所(現 情報通信研究機構)を経て2014年より現職。5G、6G通信システム、IoT用通信システムの研究開発、標準化、実用化に従事。取得国内特許は250件以上。自身が開発したスマートメーター用無線システムWi-SUNは、全世界で数千万台導入されている。
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