選手村にオープンした「docomo 5G LOUNGE」 5Gで作る“おもてなし”空間

文●ASCII

2021年07月12日 18時00分

docomo 5G LOUNGEの内観

docomo 5G LOUNGEがオープン
選手村ビレッジプラザE棟内に

 7月23日に開幕を迎える東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会。期間中、選手の生活を支える東京都中央区晴海の施設「選手村ビレッジプラザ」のE棟に、インターネットラウンジとカフェ機能を持った「docomo 5G LOUNGE」がオープンする。

「選手村ビレッジプラザ」のE棟に位置する

 国内大手キャリアであるNTTドコモが「ドコモならではのおもてなしを提供する」と話すこのラウンジは、同社の5G通信技術を、国際交流や選手の応援に活用している注目スポット。

 NTTドコモ 東京2020推進室 室長の古野徳之氏は、「オリンピックの開催時は、毎回、開催都市に対して、IOC(国際オリンピック委員会)が選手村の仕様を規定します。その中で『選手同士の交流に役立つコミュニケーションルーム』というものがあり、docomo 5G LOUNGEはその役割を持ったスペースになっています。

 NTTドコモは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のゴールド通信サービスパートナーになっておりまして、2017年に推進室を立ち上げています。また、もともと2020年の5Gの商用開始を計画していましたので、『5G通信が使えるカフェスペースにしよう』というアイディアは、早い段階で決まっていました」と話す。

 どのようなサービスが提供されるスペースなのか、古野氏のコメントと合わせて、本稿で紹介していこう。

観客からの声援が文字でディスプレーに表示される「みえる応援電話」

会場の巨大サイネージに応援メッセージが表示される

 第一のサービスは「みえる応援電話」だ。これは、通話相手の音声をリアルタイムで文字に変換するドコモのサービス「みえる電話」の技術を活用したもので、「みえる応援電話」を通じてユーザーが話した応援メッセージの声が、音声認識機能で文字に変換され、選手村ビレッジプラザ内のディスプレーに表示される(8言語に対応している)。

 選手は、日本中から集まった大会への応援や想いを文字として受け取ることができるだけでなく、録音音声メッセージをヘッドホンで聞くことも可能。また、docomo 5G LOUNGE内のディスプレーには動作センサーが備わっており、ユーザー側は、選手による観覧数を「みえる応援電話」特設サイトで確認できる。

会場内のタブレット端末から、種目を選んでメッセージを確認することも可能

 直接会場へ応援へ行くことはなかなか難しい面もある状況の中、選手と観客が5G回線を通じて相互に繋がりを感じられるサービスだ。

 「このサービスは、もともとNTTドコモが提供している『みえる電話』の技術を活用したものです。みえる電話は、通話相手の音声をリアルタイムで文字に変換するというサービスですが、今回のようなかたちで運用するのは、NTTドコモとしても初めてのことです。

 音声が文字になるだけでなく、リアルタイムで主要8ヵ国語に翻訳されてdocomo 5G LOUNGEのディスプレーに表示されますし、送った側も、どれくらいの選手が(自分のメッセージを)見てくれたのかがわかる。5G通信を活用して、相互のコミュニケーションが取れる点が魅力です。

 また、みえる電話を利用する方との通話では、プライバシー配慮のため、冒頭に『みえる電話を利用します、ドコモが音声を利用する場合があります』というガイダンスを流さなければいけない決まりになっていますが、その部分がユーザー様にいまいち浸透しておらず、ガイダンスの途中で電話を切られてしまうことがあります。なので、『みえる応援電話』を通じて、ユーザー様に『みえる電話』にも親しみを持っていただけたら、という狙いもあります」(古野氏)

まるで通訳サポート
アプリを活用した多言語対応サービス「はなして翻訳」

 スマートフォン、タブレットのアプリを通じて、会話を自動的に翻訳する多言語対応翻訳サービス「はなして翻訳」も提供する。

 docomo 5G LOUNGEに常駐するスタッフが対応を行なうほか、選手のスマートフォンに直接アプリをインストールしての利用も可能。撮影した画像の文字を認識しての翻訳にも対応している。対応する言語は以下の通りで、世界中のかなりの地域をカバーできる。

はなして翻訳の利用イメージ。選手は、スマートフォンから利用できる

 期間中は、はなして翻訳を通じて選手の生活がサポートされるだけでなく、選手同士の交流などにも活用されるのではないだろうか。

対面翻訳:英語(英・米・豪)、中国語(北京・台湾・広東)、韓国語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、ドイツ語、ロシア語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語、 ミャンマー語

電話翻訳:英語(米語)、中国語(北京)、韓国語

画像翻訳:英語、中国語(北京・台湾・広東)、韓国語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、イ タリア語、ドイツ語、ロシア語、タイ語、ベトナム語、ミャンマー語

 「コロナ禍の影響で、外国と行き来することは難しくなっています。ですが、デバイス上で話した言葉が翻訳される仕組みの需要はずっとあるものですし、いずれ、海外と自由に行き来できる時がくれば、需要も高まるはずです。

 選手の皆さんは、競技で最高のパフォーマンスを発揮することに集中しています。なので、今回のサービスはどれも、会話や飲食といった生活に近い部分をテーマにしていて、このサービスも象徴的なものだと思っています」(古野氏)

オンライン注文サービスで接触を減らし、混雑を緩和「EasyEat」

施設内の二次元バーコードを読み取って、注文できる

 オンライン注文サービス「EasyEat」は、二次元バーコードを読み取ることで、ブラウザーからキャッシュレスで飲食物を注文できるサービスだ。

注文画面のイメージ

 異言語圏では、料理の注文ひとつにしても、スムースにはいきにくいもの。手元のスマートフォンから簡単に注文ができる仕組みを導入することで、選手の言語にまつわるストレスを低減させることも狙いのひとつだが、人と人とが接触する機会や、注文のために人が密集する頻度を下げることにも貢献するだろう。

 「モバイル画面上でオーダーができ、支払いもキャッシュレスで済みますから、便利なだけでなく、コロナ対策にもなっていると思います。注文すると配膳口に食事が提供され、選手はそれをピックアップするかたちで利用するので、スタッフとの対面も最小限になっています。

 どのサービスも、オリンピックが延期になる以前から計画していたものですが、コロナ禍になり、『非接触』や『混雑を避ける』といったことに新たな価値が生まれたと思っています」(古野氏)

木材を象徴的にあしらった、ほっと一息つける空間に仕上がっている

 「1964年の東京オリンピックの際は、開催に合わせて新幹線が開通しました。『5G通信』という技術は、当時の新幹線に相当するくらい、イノベーティブなものだと考えています。

 今回、docomo 5G LOUNGEで提供するのは生活に近い3つのサービスですが、これらが競技大会や大規模なイベントでの技術のあり方を示し、多様性の中でストレスのないコミュニケーションを実現するための、レガシー(伝統)として受け継がれていくといいなと思っています」(古野氏)

メッセージを書き込める撮影スポットも用意する

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