『PSO2 ニュージェネシス』ベンチマークが登場!快適レベルのスコアーはどのあたり?

文●林佑樹 編集●ASCII

2021年06月01日 17時00分

※この記事は5月26日に制作されたものです。ベンチマークソフトの仕様などは記事制作時点の環境に基づきます。

 2021年5月25日、『PSO2 ニュージェネシス』(以下、『NGS』)のベンチマーク機能付きキャラクタークリエイターが公開された。『NGS』のサービスインは2021年6月9日予定で、事前のキャラクタークリエイトが遊べるだけでなく、地味にCPU要求値が高いタイトルである本作に、今使用しているPCが耐えられるのかどうかを確認できる。本稿では、ベンチマークの仕様確認という意図で、取り急ぎ5月25日に編集部にあったBTO PCなどでベンチマークを実行したレポートをお送りする。

PHANTASY STAR ONLINE 2 NEW GENESIS Character Creator

 『NGS』のベンチマークは、PVをベースにいくつかのシーンが追加されたもので、キャラクター4人の戦闘を中心に進んでいく。通常のプレイ画面ベースのシーンはなく、PV的なベンチマークともいえる。ともあれ、ゲーム内と共通したグラフィック設定が用意されているだけでなく、自動的に設定が判別される簡易設定もあるほか、ベンチマークは1分50秒ほどで済む快適仕様で、終了後はスコアーとおおよそのプレイ快適度の目安が表示される。

 オフィシャルサイトには下記するような参考値が公開されており、いま現在使用しているPCに適した設定を探りやすいほか、スペックが追い付いているのかもわかるといった具合だ。

10000を超えれば快適という判定

 ただ、スコアー評価一覧の評価基準が不明であり、サービスインしてみないとなんともいえない部分が目立つ。CBTベースでみると、要求性能が高くなるのは、探索フィールドにおける32人マルチや人が多いシティなのだが、ベンチマークではそういった際のパフォーマンスはわかりにくい。スコアー表示に合わせてフレームレートの最大/最小/アベレージ、解像度、簡易設定を使用している場合は簡易設定のレベルを表示してくれればよりベンチマークとして機能しそうだ。

 と、要望を記してみたが、この手の要望が通ることは多くのゲームタイトルにおいて極めて稀なので、ハイスペックなPCのスコアーとフレームレートから探ってみることにした。使用したのは編集部で検証用に組まれていたフルタワーPCで、Ryzen 9 5950X+GeForce RTX 3090と、2021年初頭時点でまず不足を感じることのない環境だ。オプションの簡易グラフィック設定「6:ウルトラ」、解像度4K(3840×2160ドット)で計測してみたところ、フレームレートの落ち込みが目立つ部分があった。テスト全体で平均80fps前後になると、スコアー10000を越えるようだ。

CapFrameX v1.6.2で計測してグラフを表示したもの

 CapFrameXでフレームレートの変化を見てみると、特に落ち込んでいる部分があったので、上記スクリーンショットに番号を振ってみた。それぞれの部分がベンチマークのどのシーンにあたるのかを見ていく。なお、②はシーンが切り替わるロード画面なのでスクリーンショットは割愛する。

①エネミー「ペダス・ガン」らが登場し、砂塵が舞うあたりで39fps前後

③ボスエネミー「ナグルス」から逃げているところで、草木などの表示物が多く、68fps前後

④ナグルスに対してバータ系テクニックを放ったあとは37fps前後

 CBTの動作傾向からすると、他のプレイヤーが多い状況に近い負荷は①と④。③は戦闘フィールドや人が少なめの探索フィールドに近い。よって、当該シーンあたりのフレームレートを見て判断するのがいいだろうか。といっても、Ryzen 9 5950X+GeForce RTX 3090でこの結果なので、60fps近くになっていればいいくらいが4Kでは妥当。フルHD(1920×1080ドット)やWQHD(2560×1440ドット)の場合でも、これらシーンでフレームレートの落ち込みが生じてしまうため、サービスインあとに細かく設定を詰めるといいだろう。

 ②はロード中で、今回のテスト環境のいずれも20~22fpsあたりまで落ちた。ロード時間も環境で変化しているようだが、メモリーやビデオカードの性能による影響もあるため、現時点ではなんともいえないのでスルーしている。テレポートしたあとのロード時間に近いといえば近いのだが。

 上記したシーンのフレームレートを見つつ、スコアー10000以上になるように設定をするとよさそうだ。上記しているように平均80fpsくらいが快適と判断していると思われる。リフレッシュレート60Hz環境であれば着地点を見つけやすいが、すっかりリフレッシュレート120Hz以上に慣れてしまっているとやや辛いかもしれない。

 なお、参考までにCBT時の推奨環境を下記に紹介しておこう。必要環境は最低限動くくらいで、中画質以上の環境を考えておくと、気持ちよく遊べるだろう。

必要動作 低画質 中画質 最高画質
CPU Core i3-4150 Core i5-9400 Core i5-9400 Core i9-10900
GPU GeForce GT 430
Radeon HD5570
GeForce GTX 950
Radeon R9 285
GeForce GTX 1060
Radeon RX 580
GeForce RTX 2070 SUPER
Radeon RX 5700 XT
メモリー 8GB 16GB
OS Windows 8.1 64bit、Windows 10 64bit

 ここからはBTO PCなど異なる環境で計測した結果を見ていく。ベンチマークのグラフィック設定は、簡易グラフィック設定「6:ウルトラ」に固定。解像度はフルHDとWQHD、搭載するビデオカードによっては4Kも計測し、表示モードは仮想フルスクリーンにした。GeForceのドライバーは466.47(GRD)。RadeonはAdrenalin 21.5.2。

●G-Master Hydro Z590-Mini

メーカー:サイコム 価格:32万3150円

CPU Core i7-11700K(8コア/16スレッド、3.6~5GHz)
GPU GeForce RTX 3070
メモリー 8GB×2

 今回の計測したなかでもっともバランスの良かった構成だ。4Kのスコアーはさすがに低いが、60~90fps狙いならWQHDもいける。CPUとGPUの冷却は簡易水冷になっており、空冷よりもよく冷えるため、長時間遊ぶ傾向にあるならば、いまからポチってもいいくらいだ。

フルHDのスコアー

WQHDのスコアー

4Kのスコアー

●G-TUNE HM-B

メーカー:マウスコンピューター 価格:17万5780円

CPU Core i7-10700K(8コア/16スレッド、3.8~5.1GHz)
GPU GeForce RTX 3060
メモリー 8GB×2

 1世代前のIntel CPUとミドルレンジのRTX 3060の無難な構成。フルHDで遊ぶつもりならこれくらいの環境で問題なさそうだ。WQHDでは9009とやや厳しいスコアーになったため、いくつかの設定を下げてフレームレートを維持するのがいいだろうか。比較的低価格なので、予算との相談のつけやすさが◎。

フルHDのスコアー

WQHDのスコアー

●Premium-Line B550FD-A-Mini(CPU変更)

メーカー:サイコム 価格:28万4180円

CPU Ryzen 9 5900X(12コア/24スレッド、3.7~4.8GHz)
GPU GeForce RTX 3060
メモリー 16GB×2

 先のG-TUNE HM-Bと似た構成だが、CPUが異なりRyzen 9 5900Xを搭載している。Core i7-10700Kと比べ、スコアー差は極端ではない。GPUが同じなのでCPU起因のボトルネックがなく、似たスコアーになったとみるべきだろう。AMD路線ならば、Ryzen 9 5900XかRyzen 7 5800X搭載モデルをチェックしてみよう。

フルHDのスコアー

WQHDのスコアー

●LEVEL-15FXR23-i7-RASX

メーカー:ユニットコム 価格:16万8278円

CPU Core i7-10870H(8コア/16スレッド、2.2~5GHz)
GPU GeForce RTX 3060
メモリー 8GB×2

 RTX 3060搭載ゲーミングノートPCは、フルHDであればスコアー11000ほどになり、ウルトラプリセットで遊ぶことができそうだが、ベンチマーク中には30fpsを切るシーンもあり、ある程度の割り切りが必要になる。多くのゲーミングノートPCも似た傾向になるだろう。

フルHDのスコアー

●編集部検証用PC

参考価格:およそ80万円程度

CPU Ryzen 9 5950X(16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz)
GPU GeForce RTX 3090
メモリー 16GB×4

 2021年5月末時点で、CPUとGPUともにコンシューマー環境においてハイエンドな環境だ。フルHDでは重いシーンでも90fpsになるくらいで、ほとんどのシーンで160fps以上になる状況が目立った。価格は相応に高いのですんなりとオススメは難しいが、4Kで遊ぶ場合に細かく設定を調整したくない人ならば、このクラス。なお、CPUとGPU以外の構成例によっては50~60万円程度になるが、それでも高い。

フルHDのスコアー

WQHDのスコアー

4Kのスコアー

●筆者宅の作業用PC

参考価格:およそ40万円(※ビデオカードは購入当時の価格)

CPU Ryzen 9 5950X(16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz)
GPU Radeon RX 6900 XT
メモリー 32GB×2

 CPUは編集部の検証用PCと同じで、GPUがRadeon RX 6900 XTになった構成。フルHDのスコアーは高いが、クロックは上昇せず、RTX 3070と似たスコアーだ。ざっくり言えば寝ている。WQHDでも同様にクロックの乱高下があり、スコア的には問題ナシだが高いフレームレートは狙えない。4KはそれなりにハイエンドGPUらしいスコアといったところ。またWQHDと4Kの挙動については、CBT JP1/2、及びCBT Globalとちょっとフィールが異なっており、WQHDの挙動はよくなったように思えるが、4Kは悪くなったと感じている。

フルHDのスコアー

WQHDのスコアー

4Kのスコアー

番外編:非ゲーミング向けのノートPCはどうなの?

●XPS 13(7390)

メーカー:Dell

CPU Core i7-10710U(6コア/12スレッド、1.1~4.7GHz)
CPUクーラー インテル UHD グラフィックス
メモリー 8GB×2

 ここまでゲーム向けの環境でチェックしてきたが、番外編として私物のノートPCの内蔵GPUでもチェックしてみた。結果は想像に容易く、ギリギリ動く程度になる。Iris Xe Graphicsを搭載する第11世代でのスコアーが気になるところだ。当分、半導体の不足は続く見込みであり、しばらくノートPCからの更新予定がないという場合は、クラウド版が無難だろう。ただワイヤレスの場合は、ルーター性能が接続安定性に関わってくるため、ルーターの更新は検討しておきたい。なお、ルーターも地味に品不足の傾向にある。

720pでのスコアー。設定は「1:最低」

フルHDでのスコアー。こちらの設定は「3:中」と、アプリケーション側がオススメしてきたので実行してみた

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