スマホ・パソコン化計画「令和のポケットボード」懲りずに3台目を衝動買い

文●T教授 撮影●T教授 編集●ASCII

2021年04月22日 12時00分

モバイルモニターにもなるスマホとCo-workできる令和のポケットボードを衝動買いした

 サムスンやファーウェイのスマートフォンは、充電兼用のUSBポートから付属のUSBケーブルで外部ディスプレーに接続することで、ミラーリング投影だけではなく、フルスクリーン画面のデスクトップ化機能である「Dex」や「EMUI」システムを搭載しているモデルが多い。

 既にこれらのスマホユーザーの多くは、自身のスマホに昨今流行のモバイルモニターやキーボードを接続し、この機能を活用している人も多いだろう。

 筆者が「令和のポケットボード」と呼ぶ製品は、このキーボードとモバイルモニター、内蔵バッテリーを一体化し、USBケーブル接続したスマホをCPU代わりに利用する“CPUレスモバイルPC”のような製品だ。

 この製品の位置づけや機能が平成時代に登場しガラケー(携帯電話)をケーブル接続し、文字入力を加速、便利にする目的で開発され一世風靡した“ポケットーボード”(ポケットに入る小さなキーボード)に極めて似ているので筆者が勝手に命名したものだ。

 既に、本コラムでも昨年9月に「Mirabook」、半年後の今年2月に「MobileBook」の2台をご紹介した。そして今回ご紹介するのは、従来の2製品より多機能化した令和のポケットボードだ。

令和のポケットボードの草分け的存在のMirabookはスマホ接続ケーブルエンベッド型。1.3kgを超える重量と価格がネックだ

1kgを切る最軽量のMobileBookはスマホと一緒に持ち歩いて便利に使える

 Amazon.co.jpで見かけて購入した「ポータブルモニター」は筆者にとってMirabook、MobileBookに続く3台目の購入商品となった。パッケージは、令和のポケットボード機能を全面に押し出したイメージではなく、ごく一般的なモバイルモニターと同様の名称である「Portable Monitor」と表記したパッケージに入って送られてきた。

単にコストの為の統一外箱の流用なのか!? ブランド名でもない“Portable Monitor”と書かれたパッケージに収納され送られてきた。謎だ!

 販売会社の意図が何かあるなら、今回紹介するようなキーボード付き端末は、現在、コロナ禍における巣ごもり需要で急激に売り上げを伸ばしているモバイルモニター機能が主軸で、付加価値として「スマートフォンとの親和性の高さ」がウリの商品的位置づけなのかもしれない。

3つも買ってしまった令和のポケットボードの中では最も高級感もありスッキリしたデザインのMobileBook。センスなのか?やっぱり後発が有利なのか!?

いよいよ到着、本体細部をチェック

 キッティングされるケーブルもそれに準じて、本来なら両端がUSB Type-Cプラグのものが1本だけであることが多いが、本商品は両端がUSB Type-Cプラグのケーブルが2本、Type-A→Type-Cケーブルが1本、HDMI→miniHDMIケーブルが1本と4本構成だ。そして取説とUSB ACアダプターが付属する。

本体以外の付属品はケーブルが3種4本と取説、写真には写っていないがUSB-ACアダプター

 本体はキーボード、ディスプレーが360度回転し折れ曲がり、ディスプレー背面とキーボード背面が接する機能により昨今流行の、ラップトップ、スタンド、タブレット、テントの4つの使用モード(形態)を実現している。

180度フラットを超えて360度開く液晶画面。ラップトップ、スタンド、タブレット、テントの4つの使用モードを実現する

 本体重量は実測で1176g。本体には10000mAhの充電池を内蔵。約4〜5時間でフル充電でき、バッテリー駆動時間は4〜6時間となっている。また、接続しているスマホに充電もできる。

本体重量は実測1176g。スマホと一緒に持ち歩けるリミット重量だ

 本体電源をオンすることで起動し、画面にはPhoneBookのロゴと、スマホをケーブリングして接続するようメッセージが表示される。ディスプレーの右下に表示される四角いエリアを2本指でスワイプダウンすることでコントロールメニューが表示される。

スマホを接続しなくても起動するが、もちろん画面には何も表示されない

ディスプレー画面の右下部分を2本指でスワイプダウンすることで管理メニューが表示される

 入出力ポートとして、本体右側面には電源ボタン、microSDカードスロット、Type-Cポート、イヤホンジャックがある。本体右側には、スマホを接続する専用Type-CポートとminiHDMIポートの2個が用意されている。

本体左右の側面に配置された入出力ポート。スマホは左側面のType-Cポートに接続する

 今回は筆者のサブスマホであるHUAWEI Mate 20 Proを付属のケーブルで接続してみた。画面表示はスマホ側でスマホ画面をそのままを表示する“モバイルモード”(ミラーリング)と“デスクトップモード”(パソコンイメージの画面)の2つのモードからお気に入りのUIを選択可能だ。

Mate 20 Proスマホをモバイルモードでポータブルモニターに接続したミラーリング表示

スマホでデスクトップモードを選択するとなんちゃってパソコンが実現する

 もちろん今回も、普段は縦長ポートレートイメージのスマホ画面を、表示面積の大きなパソコン横型ランドスケープイメージの画面に表示し、一度に表示できる情報量の拡大を実現できる“デスクトップモード”が使用目的だ。

 スマホをポータブルモニターに接続することで、原稿のような長文やメール、もちろんプレゼンテーションチャートの作成やネットのブラウジングも、スマホ画面だけでは考えられなかったような広さと快適さで見ることができる。

メールをはじめビジネスアプリもパソコン画面のような環境で作業できる

 またポータブルモニターは以前のMirabookやMobileBookにはなかった10点マルチタッチ液晶画面を採用しているため、スマホを13.3インチのタッチ画面対応のWindowsパソコンのような感覚で操作でき、極めて高い生産性が期待できる。

タッチパネル機能のあるポータブルモニターなら大きなスマホのようにも使える

 デスクトップモードに対応していないアプリの中には、画面サイズがスマホイメージのままという残念なものもあるが、一般的には大きなパソコン画面イメージで見ることのできるアプリが多く、ウェブニュース系のアプリなどはより大きな画面で読めて快適だ。

アプリによっては残念ながら大画面が生かせないアプリも存在する

ニュース系アプリは大画面を生かして便利にビューできるものが多い

付属USB Type-Cケーブルで接続しマルチスクリーン化

 またポータブルモニターは前述した通りminiHDMIポートを搭載しているので、Windowsパソコンのマルチディスプレー化にも対応可能だ。今回は、筆者のThinkPad X1 Nanoとスタンドモードにしたポータブルモニターを付属のUSB Type-Cケーブルで接続してマルチスクリーン化をやってみた。

Windowsのマルチスクリーン化モニターとしても有効だ

 またマルチスクリーンの形態変化型として、ポータブルモニターをテントモードでより使用者に近い位置に置いて、タッチパネル付きのセカンドディスプレーとして使うことでより便利であることに気づいた。

Windowsマルチスクリーン環境でもタッチ機能が使えるのは便利だ

 ここ数年、ゲーム機とは無縁の生活になってしまっていたが、たまたま来ていた娘が最近ハマっている某ゲーム機を付属のType-Cケーブルで接続してみたところポータブルモニターの大きな画面はなかなか好評だった。

もちろんゲーム機でもポータブルモニターの大きな画面に出力可能だ

 ポータブルモニターは最初に買ったMirabook、第二番目のMobileBookと比較しても様々な進化を実現した多機能な“令和のポケットボード”だった。4台目はもっと多機能化、軽量化を実現した期待できるモデルが登場してほしい。

 

今回の衝動買い

アイテム:UPERCT「ポータブルモニター 最新版ディスプレイ 13.3インチIPS液晶パネル」
・購入:Amazon.co.jp
・価格:2万7980円

T教授

 日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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