人気「POSレジ用感熱ロール紙」を使う「キッズカメラ」を試した
文●T教授、撮影●T教授、編集●ASCII
2020年02月20日 12時00分
シアトル在住の友達が一時帰国で持って帰ってきたデジカメは、POSレジ用の感熱ロール紙を印画紙代わりに使うキッズ用デジカメ。一番の特長は、インスタントカメラとは思えない驚異的なランニングコスト。何時でも何処でも超気軽に素早く「パシャ」と撮って、その場で「ジ〜」とプリントアウトして、被写体と一緒に今を共有できる「大人モノクロ」な世界を楽しめることだ
昨年末頃から筆者の周りでも「POSレジ用の感熱ロール紙」を印画紙代わりに使う「キッズ用カメラ」が大人気だ。すでに過去のこのコラムでも富士フイルムのインスタントフィルムを使う、チェキ系カメラは何台かご紹介した。また、大昔、毎月のように西海岸に出かけていた頃は、ブラザーやSIIが北米や欧州で発売していた感熱ロール紙を使うラベルプリンターを、何度もパソコンショップで衝動買いした記憶がある。
ブラザーやセイコーSIIが出していた大昔から大好きだった感熱ロール紙の小型プリンター……。昨今は安くなってスマホのコンパニオンプリンターとして最適だ。エクスプローラはこれらとほぼ同様の幅57mmあるいは58mmのPOSレジ用の感熱ロール紙を使用する
そんなチープなカメラも、感熱ロール紙プリンターも、その両方が大好きな筆者なので、コレだけはどうしても見たい……!と思っていたところ、シアトルに住む友人がこのキッズ用カメラを持って一時帰国した。早速、我が家で実際に試してみたのでその一部始終をご紹介したい。
子ども用ながら操作系や設定は一般的なデジカメとほぼ同じ
パッケージを見ると商品名は「explore(エクスプローラ)」。サブタイトルは「Creative Printing Camera」となっている。カメラのコンセプトはサブタイトル通り、キッズ用デジタルカメラにPOSレジで使用されている感熱プリンター技術をハイブリッドしたモノクロ写真専用デジカメだ。
パッケージの中には、デジタルカメラ本体、充電用ミニUSBケーブル、塗り絵用カラーペン、専用ケース、ストラップ、感熱ロール紙(3巻)、DIY塗り絵ブックレット、そして取説があった。筆者のところにあるカメラ本体はブルーとアクセントカラーがイエローのツートンカラーで「小豚」をイメージした楽しいデザインだ。他に本体色がピンクやブラウンのモデルもあるようだ。
CCDはソニー製の1500万画素、表面にはフラッシュや自撮り用の凸面反射鏡を内蔵。レンズは標準・マクロの切り替えも可能で、セルフタイマーも標準だ。裏面中央には2.4インチIPSカラー液晶を備え、液晶パネルの下にはスピーカー、操作系の各種スイッチが液晶パネルの右横と下部に集中的に配置されており。手に持って指先での操作が容易だった。
子豚の左右の耳のあるトップ面には、ビデオ録画時のマイクロフォン。底面には三脚穴と主電源のオン・オフスライドスイッチ、感熱紙の挿入、交換の為のレバースイッチがある。
エクスプローラーは、一般的なデジカメのように標準添付の32GB microSDカードに静止画(3840×2160、688×384ピクセル)や動画(1920×1080 30フレーム)を記録出来る。標準付属のmicroSDカードにも、子豚が描かれており遊び心と気合は十分だ。静止画は撮影データを内蔵のmicroSDカードに保存する単なるデジカメと、撮影後すぐに、写真印刷もする「同時プリント」の2つのモードを持つ。いずれも「裏面の印刷ボタン」でいつでも選択が可能だ。
もちろん、撮影済みの静止画を後から印刷することも可能だ。同時プリントを選択した場合の写真データ解像度は688×384ピクセル、写真撮影だけを選択した場合は3840×2160ピクセルの解像度が自動選択される。いずれにせよ内蔵プリンターで印刷する時には印刷能力に最適化されるので、印刷結果で解像度の違いはほとんどわからない。
液晶ファインダーの右側に位置する操作系のボタン。最上段は、12時位置のマクロ・標準切り替えボタン、右回りで、フレーム呼び出しボタン、WiFi起動ボタン、セルフタイマー設定ボタン。OKボタンはシャッターボタン兼選択ボタン、その下は静止画・動画切り替えボタン、HOMEボタン。ほとんどアイコンだけでわかってしまうシンプルな感じ
撮影時に使う操作系は、本体背面の液晶画面の右側に集中して配置されている。ボタン上にはきわめてわかりやすいアイコンが併記されているので、個々の機能の説明は不要かもしれない。液晶画面に表示される設定の各要素も一般的なデジカメとほとんど同じだった。
付属のPOSレジ用感熱ロール紙を装填して撮影スタート
さてそれでは、さっそく付属の57mm幅、直径30mmのPOSレジ用の感熱ロールペーパーをエクスプローラ本体に挿入して撮影してみよう。付属する感熱ロールペーパーは3巻だ。これだけでもかなり多くの写真を撮影して同時プリントが可能だ。
充電の完了したエクスプローラ底面のスライド式の主電源を入れ、続いて背面の電源スイッチを少し長押ししてオンにする。後はシャッターとなる「OKボタン」を親指の腹で押して撮影するだけだ。フラッシュ機能やセルフタイマー、マクロ機能、15種類のフォトフレーム等を使ってどんどん楽しい写真を撮影してみよう。
同時プリントや後からプリントをして、お気に入りの写真が揃ったら、童心に帰って付属の「DIY..」ブックレットに貼り付けたり、カラーペンを使っていろいろ落書きして遊んでみよう。
エクスプローラは、三脚を使ってグループ自撮りも可能だ。あくまで撮影とデータ記録はエクスプローラ側での処理、保存となるが、撮影した静止画や動画をスマホにWi-Fi経由でダウンロードして二次利用することも可能だ。
microSDカードスロットのあるスマホなら、エクスプローラ内蔵のmicroSDカードを取り出して、スマホ側のスロットに入れてデータを移行することも可能だ。パソコンに付属のminiUSBケーブルで、エクスプローラをパソコンのUSBポートに接続すると、microSDカードが外部メモリーとして見えるので、有線接続の方が便利かもしれない。
インスタントカメラとは思えない驚異的なランニングコスト!
たった1日の間に、感熱ロールペーパーで数十枚以上の写真印刷をしてしまったが、まだまだ最初に付属していた感熱ロールペーパーの一巻目も使い切っていない。実際に写真印刷された感熱紙の長さを測ってみると、一律に1枚10.5cmの長さ(幅)だった。あいにく付属の感熱ロールペーパーは全長の記載がなかったので、別の方法でランニングコストの概算を出してみた。
筆者は、以前このコラムでもご紹介したPAPERANG-P2(https://ascii.jp/elem/000/001/743/1743455/)を今も愛用中だ。それに家族も初代の「PAPERANG」を使っているので、両者で共用出来るコクヨの「感熱ロールペーパー」(58mm幅・外形30mm:長さ11m)の5巻パックを購入している。エクスプローラの付属品より、幅が1mm大きな58mmタイプだが問題なくエクスプローラにも収まった。
この幅58mmの感熱ロールペーパー、お店にもよるが、安いところではパッケージあたり税込みで1100円くらい。単純計算すれば、1ロール(11m)で約104枚、1パケージ(5巻)で520枚の写真印刷か出来ることになる。写真1枚当たりの単価は、なんとたったの2円少々だ。エクスプローラに収納するにはロールの直径が30mm以下でないと入らないが、自分で入るサイズに巻き直すつもりならもっと安い感熱ロールペーパーも見つかった。
筆者がPAPERANGプリンターに使っている入手しやすいコクヨの感熱ロール紙は用紙幅が1mmだけ大きな58mmだが、全く問題なくエクスプローラにも収まった。これなら写真1枚のランニングコストはたった2円。チョット手作業が要るが、探したら1枚0.2円にまでなる超安価な感熱ロール紙も見つけた
同じ58m幅だが直径はなんと80mmと巨大。長さはさすがに1巻63mだ。この5巻パックがなんと640円だった。これなら単純計算で写真印刷1枚当たりなんと0.2円になってしまう。もはやランニングコストをどうこういう世界ではないだろう。
この手のガジェットの目的はいつもただ一つ、ランニングコストを気にすることなく、見せる自分も、見てくれる相手も、同時に一瞬で、一緒に居る時間を共有して楽しめることだ。エクスプローラは、会った瞬間に「パシャ」&「ジ〜」で「大人モノクロ」の世界を楽しめる「大きな子供用」の最新ガジェットだ。
今回の衝動買い
アイテム:キッズカメラ「Explore(エクスプローラ)」
・購入:Amazon USA
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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