松屋の店舗限定メニュー「シュクメルリ鍋定食」ってなんだ

文●モーダル小嶋 撮影●盛田諒 編集●ASCII

2019年12月13日 07時00分

「シュクメルリ鍋定食」
松屋
790円(店舗により異なる)

シュクメルリはジョージア料理です

松屋の一部店舗限定で販売している秘密のメニュー、それが「シュクメルリ鍋定食」です。

舌を噛んでしまいそうな名前の「シュクメルリ」は、南コーカサスにあるジョージア(日本では2015年4月まで政府が使用していた外名の「グルジア」としても知られていましょう)の料理です。ニンニク、サワークリーム、塩、油で煮込んだ鶏肉料理だそうな。

いくら一部店舗の限定といっても、ジョージアと松屋というのは、思わぬ組み合わせ。Twitterを中心に「なんだそれ」「食べてみたい」と話題が広がっています。ASCII編集部にほど近い松屋神楽坂店でも提供しているということで、さっそく食べに行ってきました。

なにも知らずに見たら「シュクメルリ鍋……?」となりそうなポスター
これがシュクメルリ鍋定食

はい、シュクメルリ鍋定食です。神楽坂店では790円でした(店舗により価格が異なるとのこと)。あまり見慣れないホワイトシチューの横に、いきなりライスと生野菜とみそ汁があるので、居酒屋の「定食セット」みたいな風情でございます。

熱源は旅館でよく見るやつです

注意しなければならないのは、ニンニクがとても入っていること。それが熱せられるわけですから、立ち上るニンニクの香りはすさまじく、苦手な人は頼んではいけませんし、隣の人が匂いに敏感だと、それはそれでキツいだろうなと思いました。

ニンニクとチーズの香りがとにかくすごい

かなり味が濃いチーズのシチュー
食べているとパンがほしくなる

チーズがとろとろです

シュクメルリを食べた感想……そうですね、味が濃いです。第一印象、味が濃い。

鶏もも肉と、たっぷり入れられたチーズの相性は、悪かろうはずがありません。しっかり味がついているので淡白ということもない。スパイスの風味もありますので、よい感じにまとまっています。くどいようですがニンニクもすごく効いてるし。ここは合格点。

ごろごろした鶏もも肉を口に運べば、「ごろごろ煮込みチキンカレー」より連綿と受け継がれてきた、松屋のごろごろチキンな定食の系譜に連なるものだということが理解できましょう。

ちょっとわかりにくいですが、さつまいもです

具材として、さつまいもが入っています。店舗により付け合わせが異なるそうですが、神楽坂店ではさつまいもでした。ホクホクしています。というか、熱いです。いや、これ熱いよ! 口の中がヤケドするかと思うぐらい熱い。ただ、味が濃いので、甘いさつまいもはうれしいです。シチューに入れがちな野菜、たとえば、じゃがいもなどよりも、マッチしているかもしれない。

ジョージアでシュクメルリを食べたことがないので、現地の人からすれば「違うな」となる要素があるのかもしれませんが、すくなくとも、シチューとしてはよくできている。

うまく食べないとソースが余る

ちょっとむずかしいのは、うまくソース部分(シチュー部分?)を食べないと、最後に余ってしまうことです。ニンニクの効いたチーズなので、バゲットを追加で注文し、すくって食べたらおいしいだろうな、などと思うところですが、松屋にバゲットはありません。

そもそも、シュクメルリ鍋定食を食べきるには、ネット界でさんざんコスられた話題「シチューはごはんに合うか?」に対しての答えを出さなくてはいけません。これだけバゲットとワインに合いそうな味の濃いチーズシチューを、白米と生野菜で食べるというのは、なかなか悩ましいものがあります。合わないとは言いませんが、パンがほしい気持ちはどうしても出てくる。

そんなことを考えながら最後に飲み干す味噌汁で、「ああ、違う、自分はジョージアに来たのではない、松屋に来たのだった」と思い直しましょう。そもそも、このメニューにも味噌汁を付ける意味はあるのだろうか。

シチューとごはんの相性に悩んでいても、味噌汁はつく

ちなみに券売機をよく見ると、シュクメルリ鍋は単品でも注文可能です。ほかのメニューとうまく組み合わせて、自分なりのジョージアを見つけるのもおもしろいでしょう。テイクアウトが可能なら、家でワインとパンを用意して楽しむのもよいかもしれません。

券売機の隅っこのほうに、単品のアイコンが

販売は12月15日までを予定しているということで、この記事の公開日から3日で販売が終わってしまうのが惜しい。取扱店舗は公式のリストを参照してください。シチューでも白米を問題なく食べられるという人、よく知らない国の料理を食べてみたいという人はぜひ。



モーダル小嶋

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。

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