予想以上にスゴかったGeForce NOWでPCゲーム環境に革命、MacBookで「SEKIRO」をプレイ!
文●八尋/ASCII
2019年11月27日 18時30分
PCゲームのプレイ環境がガラッと変わる、もっと多くの人が気軽にプレイできる時代が訪れる。
11月27日、ソフトバンクとNVIDIAが開催したPCゲームベースのクラウドゲームサービス「GeForce NOW」の国内向けサービス「GeForce NOW Powered by SoftBank」の試遊会に参加してきた。試遊会では、ビデオカードを搭載していないWindowsパソコンやMacBook Pro、スマートフォンでGeForce NOW Powered by SoftBankによるゲームプレイを体験できた。
本来ビデオカードがする処理をサーバーが担い、高負荷なゲームもスマホやタブレットで遊べる
GeForce NOW Powered by SoftBankは、ゲームで遊ぶときに発生する負荷がかかるデータ処理を、GeForce NOWのサーバー側で行なったうえでストリーミング配信するクラウドゲームサービス。本来高負荷なゲームをプレイする際は、描画処理を担うビデオカードの性能が重要になってくる。この処理をすべてサーバー上で実行するので、CPU内蔵GPUを採用するノートパソコンやスマートフォン、タブレットでも快適に高負荷ゲームがプレイできるというわけだ。
ゲームデータはクラウド上に自動保存されるため、ストレージ容量もそこまで気にする必要はない。また一番驚いたのが、SteamやEpic Gamesストアなど第三者のデジタルストアで購入したタイトルであれば本サービスに持ち込んで遊べるため、再度本サービス用に購入する必要はなくサービスの利用料さえ支払えば追加料金はいらないという点だ。
これにより、自宅のゲーミングパソコンで遊んでいたタイトルを、十分なウェブ通信速度が確保できる環境であれば友人宅や外出先などでも遊べるようになる。加えて、通信回線を使ったマルチプレイにも対応している。ただし、すべてのデジタルストアやゲームタイトルが対象になるわけではないので、そこは注意が必要だ。
感動! CPU内蔵GPU搭載ノートパソコンでSEKIRO: SHADOWS DIE TWICEがサクサク動く!
今回は、GeForce NOW Powered by SoftBankをCore i5を搭載するノートパソコン、MacBook Pro、Androidスマートフォンで試せた。ゲームタイトルはパソコンで「Fortnite」「Dead by Daylight」「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」、スマホで「GRIP: Combat Racing」をプレイした。
GeForce NOW Powered by SoftBankは、パソコンやスマートフォンにインストールし、ログインすればすぐに利用できる。画面下にプレイ可能なタイトルが並んでいるほか、検索バーを使えば対応タイトルであればすぐに検索して表示できる。
タイトルが表示されれば、あとはプレイを始めるだけ。読み込みに少し時間がかかるが、どちらかというとパソコン側にゲームをインストールしていないのにゲームが始まるインパクトの方がでかかった。
まずはFortniteをプレイ。今回、同じ通信環境で何台ものパソコンを接続しているため、一斉にプレイを始めたときに少しラグが発生したが、しばらくすると落ち着き、とくに問題なくサクサクとした動作でプレイできた。ちなみにFortniteは開始前のロビーが若干ラグかっただけで、実際にプレイが始まると普通に遊べることが確認できた。なお、フレームレートは現状60fps前後にとどまっており、144fpsなどには対応していない。ただし、Fortniteをコンシューマー機などで遊んでいる人であれば、上限が60fpsなのでそこまで気にならないだろう。
ちなみに、今回の試遊会は九州にあるサーバーを利用していたそうで、体験会の前日に東京までデータを飛ばす際に少しトラブルが見つかり、それがラグの原因になっているのが判明したとのことなので、改善されればより安定した環境で遊べそうだ。なお、クローズドベータテストのサーバーは東京に設置予定。今回のサーバーが九州にあるのを考えると、サーバーの距離はあまり関係なく快適にプレイできそうだ。
今回、一番感動したのが、別途ビデオカードを搭載していないスタンダードなノートパソコンで、SEKIRO: SHADOWS DIE TWICEが快適に遊べたことだ。本作は、とても綺麗なグラフィックで遊べる分、必要スペックは高めのAAAタイトル。そのため、本来プレイするにはGPU性能は最低でもGeForce GTX 760、快適にプレイするにはGeForce GTX 970が必要になる。
しかし、GeForce NOW Powered by SoftBankではFortnite同様起動時に多少ラグが発生したものの、少し経つとなんの問題もなく快適にプレイできた。SEKIRO: SHADOWS DIE TWICEが快適に動作するということは、同作と同じくらいの負荷のタイトルであれば遊べるということ。高フレームレートや高速な応答速度が必要なFPSや格闘ゲームをガチで遊びたいという用途でなければ、高負荷なゲームであっても普通にプレイできるというのは、ゲーマーとしては感動的だ。
続いて、Dead by Daylightをプレイ。説明してくれているスタッフさんからは、ラグが発生する可能性があって「発電機のタイミングが少し難しいかもしれない」と言われていたが、とくに問題なく修理できた。仕事の合間の休憩時間などにサクッと1戦とかできるようになるのでは? とプレイしながら思った。
最後に、スマホでGRIP: Combat Racingをプレイ。PCゲームの中ではそこまで負荷が高い方ではないが、それでもスマホだと普通ならどう明らかに性能は足りない。しかし、試遊してみたところとてもスムーズに動作した。また、パソコンは有線LANで接続されていたが、スマホはWi-Fi環境でのテスト。それでもサクサク動作し遊べたのには、とても驚いた。
ゲームプレイに革命が起きる予感
PCゲーマーが考える課題と期待
サブスクリプション型のゲームサービスは増えつつあるものの、日本での配信が決定していなかったり、やはりライトなゲームが多数用意されているというイメージだ。
正直最初は、GeForce NOWも同じ感じだと思っていた。しかし、今回短い時間だったがGeForce NOW Powered by SoftBankを体験してみると、高負荷なゲームが到底動作しなさそうなスタンダードなノートパソコンで快適に動作している。とくにビデオカードの性能がものをいうPCゲームの世界がガラッと変わり、革命が起きるのではないかとすら感じた。しかも、それをやるのがビデオカードを販売しているNVIDIAとゲーム会社ではないソフトバンクというのもまた面白い。
とはいえ、まだ課題はあると思うし、今回の体験会では試せてないこともある。それは、屋内ではなく屋外でのプレイだ。もちろん、本サービス開始のために屋外での実証実験は実施しているとのことだが、果たして5Gが主流になる前に屋外で快適に遊べるのかは気になるところだ。
もし外でも快適に遊べるのであれば、たとえ低価格なタブレットであってもゲーミングパソコンの代わりになり、外出時のちょっと空いた時間がゲームプレイできる時間になる。おそらく、今まで見送っていたスマホ用コントローラーなども購入することになるだろう。
また、将来的には対応してくれそうだが、自分がFPSプレーヤーだということもあり、より高フレームレートでのゲームプレイにも期待してしまう。モバイルディスプレーとスマホを接続して外出先や友人宅でFPSが自宅のPC環境と変わらないフレームレートでプレイできるのであれば、これほどワクワクすることはない。
とはいえ、今回体験した段階でもとてもワクワクしたのは間違いない。個人的な話になるが、PCゲームを一緒にプレイしたくても動作するゲーミングパソコンを所有していないからできない友人がたくさんいる現状、GeForce NOW Powered by SoftBankが開始されればそんな寂しい思いをしなくてすむようになるのではないかととても期待している。
現在、GeForce NOW Powered by SoftBankのクローズドベータテストの1次募集が開始されている。期間は11月30日までで、最大1万人規模を予定している。さらに第2次クローズドベータテストでは、最大3万人を予定。こちらは、12月2日から2020年1月中旬まで募集する。参加者は抽選で決定し、当選者には登録時に入力したメールアドレスに当選連絡が入る。
1次に惜しくも落選してしまったとしても、自動的に第2次は応募ずみになる。いずれも無料で応募・当選した場合は体験できるので、気になる方はぜひクローズドベータテストに参加してみてはいかがだろうか。
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