アップルAirPods Proは「精神と時の部屋」だった!ソニーWF-1000XM3から乗り換えを決めた理由

文●佐藤 正人 編集● ASCII

2019年11月04日 10時00分

左からAirPods Pro、AirPods第2世代、WF-1000XM3

 アップルは10月30日、第3世代にあたる新型のワイヤレスイヤフォン「AirPods Pro」を発売しました。筆者は普段、iPhone 11 ProをメインにAirPods第2世代(以下、AirPods 2)とソニーの「WF-1000XM3」の両刀でそれぞれメリット・デメリットを補い合いながら今日まで特に不満なく使ってきましたが、いつかひとつのモデルに絞りたいと考えていました。

 そして今回、アップルが発売したカナル型のイヤフォンがどんな性能なのか実際に試してみるべく、早速購入してみることにしました。価格は3万580円。ちなみに、執筆時点でAppleオンラインストアでの予約状況を見ると約3週間待ちの状態です。

AirPods Proへ乗り換えを決めたポイント

ソニーのWF-1000XM3から乗り換え

 結論から言いますと、価格こそ約3万円と決して“お試し”で購入できる製品ではありませんが、正直、iPhoneユーザーなら買わない理由がないほど完成度が高いです。

 では、具体的に何が良かったのか順に紹介していきます。

1.スムーズで気持ちいい操作感

iPhoneとのペアリングが超簡単!

 AirPodsを持っている人ならすでに体験していると思いますが、AirPods Proでもあのスムーズな連携は健在で、箱から出してからiPhoneとペアリングするまでの手間が超がつくほど簡単です。また、MacやiPadとの切り替えも手軽にでき、使用環境にあわせて連携する端末をストレスなく切り替えられるのは他にはないメリットです。

AirPods Pro(上)とAirPods 2(下)

AirPods Pro(上)とWF-1000XM3(下)

 また、3サイズのイヤーチップが付属したことでAirPods 2が耳に合わなくて断念した人でも調整して装着できるようになったのが特長で、さらに注目なのが「イヤーチップ装着状態テスト」という新機能です。

 イヤフォンを左右装着した状態で実行すると数秒間音楽が流れて装着具合を検証してくれるというもので、これにより、「この着け方であってるのかな?」「イヤーチップのサイズが自分の耳とあってるのかな?」といった疑問が一発で解決できます。iPhoneの画面上で視覚的に判断できるのはうれしいですね。

神機能「イヤーチップ装着状態テスト」が搭載

2.ノイズキャンセリング機能はまるで「精神と時の部屋」にいるようだ

 ノイズキャンセリング機能は、おそらくAirPods Proを購入するうえで気になっている人が多い機能のひとつだと思います。特に、以前からノイズキャンセリング性能が凄いと話題になっている、ソニーのWF-1000XM3と比較してどうなのか。購入する前に確認しておきたいのではないでしょうか。

イヤーチップは取り外し可能

 確かにWF-1000XM3のノイズキャンセリングは、このタイプのイヤフォンとしてはノイズをしっかり抑えてくれるほど高性能で、もうこれで十分なのではないかと思っていました。ところが、AirPods Proのノイズキャンセリングはちょっと次元が違います。

 まず、WF-1000XM3の場合はノイズを抑えつつも「サー」というホワイトノイズが割とはっきりと聞こえます。これはノイズキャンセリングが働いてるときに発生しやすく、製品によって音の大きさも変わってきます。また、機能をオンしているあいだは少し耳が圧迫されていると感じる人もいるかもしれません。

 一方のAirPods Proは、ノイズキャンセリングをオンにしてもホワイトノイズがほとんどなく、耳への圧迫感もありません。仕組みとしては、外側にあるマイクが外部の音を検知して消し去り、同時に内側にあるマイクが耳の中のノイズを聞き取って消去することで、より自然な「無音」を作り出しているわけです。これによってノイズキャンセリング時の特有のホワイトノイズと圧迫感が限りなく小さくなりました。

外側にマイクを搭載

内側にもマイクが搭載されている

 さらに、音楽を聴いているときでも通話中でもノイズキャンセリングがオンのときは毎秒200回調整して不要な音を取り除いているそうです。実際に音楽を聴きながら駅のホームにいると、電車が来ても気付かないレベルにノイズキャンセリングが効いています。さすがに駅のアナウンスは聞こえますが、それ以外の駅特有の騒音はかなり軽減され、まるで「精神と時の部屋」で音楽を鳴らしているようなとても不思議な感覚になります。

 騒音環境でノイズキャンセリングをオンにすると、スッと一瞬で雑音が消えるこの不思議現象をぜひ実際に体験してほしいです。

 アップルによれば、イヤフォンに搭載されているH1チップは10個のオーディオコアを採用しており、オーディオ処理のレイテンシがこれまでにないレベルまで改善されていて、リアルタイムでノイズキャンセリングできるようになったそうです。つまり、一度ノイズキャンセリングを実行してその状態をキープしているというより、常に最適な音環境になるよう、連続して何度もノイズキャンセリングを実行しているイメージです。

ノイズキャンセリング機能/外部音取り込みモードの切り替えがスムーズ

3.外部音取り込みモードが自然すぎてヤバい

 AirPods Proはノイズキャンセリングだけでなく、外部音取り込みモードの性能もすごいです。ちなみにカナル型のイヤフォンは装着するだけでもある程度遮効果が得られるため、移動中など安全を確保するためにも外部の音が聞こえたほうがいい場合もあります。そんなときは外部音取り込みモードが必要になります。

感圧センサーが搭載され、長押しでモード切り替え可能

 AirPods Proはイヤフォンの軸部分に感圧センサーを搭載しており、長押しするだけでノイズキャンセリングと外部音取り込みモードを簡単に切り替えることができます。これまでのイヤフォンでは、外部音取り込みモード時は外部音を取り込むと同時に不要なノイズも入ってしまい、やや不自然に聞こえていましたが、AirPods Proはまるで装着していないような自然な音を再現しています。これは大げさでも何でもなく、試しに外部音取り込みモードをオンにしてPCでYouTubeを再生したまま、AirPods Proを装着して片耳だけ外したりつけたりしてみてください。外したときとつけているときの音の表現がもの凄く自然なのがわかるかと思います。つけているのに外したときと同じ聞こえ方に驚くはずです。

 さらに、ノイズキャンセリング時と同様にホワイトノイズがほとんど聞こえず、外部音だけが自然に聞こえてくるということにも驚きです。高い精度で不要なノイズだけが除去されているお陰で、取ったりつけたりしても生の音と変わらない聞こえ方をするのだと思います。

 ちなみに、音楽を再生中にノイズキャンセリング機能と外部音取り込みモードを切り替えた際、再生中の音楽が途切れることなくスムーズにモードが切り替わるということも見逃せないポイント。WF-1000XM3では、モードを切り替えるたびに音楽が途切れてしまう上に反応しないことも多々あるため、AirPods Proの凄さがよくわかります。

ソニーWF-1000XM3はお役御免に……

 音質面ではWF-1000XM3のほうが厚みのある音場が表現されていて、さすがソニーといった感じではありますが、AirPods Proも個人的には満足できる仕上がりだったため、使ってすぐに乗り換えを決意。毎日の相棒になりました。正直、イヤフォンでここまで感動したのは久々かもしれません。特にiPhoneユーザーは、端末との連携や操作感が抜群なのでぜひ試してみてください。

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