Sandy Bridgeおじさん、SSD「860 EVO」換装でPCを1軍に再登板

文●ジサトライッペイ

2018年12月27日 11時00分

 ここ10年ぐらいで絶大な人気を誇ったCPUと言えば、インテルの第2世代Coreプロセッサー(開発コードネーム:Sandy Bridge)が挙げられる。今から7年前の2011年に登場し、そのCPU性能はさることながら、動画を高速でエンコードできるQuick Sync Videoなど機能性においても革新的であり、そのあまりの利便性からいまだに使い続けているユーザーが少なくない。

 そんな物持ちのいいユーザーをPC自作業界の一部では「Sandy Bridgeおじさん」と呼び、頑なに買い替えをせず壊れるまで使い続ける人の代名詞的に使われることもある。OSはWindows 7、システムドライブは当時主流だった1TB HDDで今もなお戦っていることが多い。

1TBモデルでも2万円を切るSSDが台頭してきた現在

 一方でテクノロジーは日々進化しており、そんな7年前のPCではなかなかしんどいシーンも多い。また、ストレージまわりはこの7年でだいぶ事情が変わってきている。当時はシステムドライブにHDDを使うことが当たり前で、SSDはまだまだGB単価が高く、一部の先進的なユーザーが使うにとどまっていた。

 しかし、今ではSSDもかなり安くなり、加速度的な値下がりが現在進行形で続いている。今回紹介するSamsungのSATA 3.0対応SSD「860 EVO」はその代表格だ。発売当初(2018年2月上旬)こそ4.3万円前後だった1TBモデル(MZ-76E1T0B/IT)も、10ヵ月後の現在では1万円台半ばで販売している店舗が数多く存在する。

SamsungのSATA 3.0対応SSD「860 EVO」。現在、1TBモデル(MZ-76E1T0B/IT)は実売価格1万5600円前後と初出価格から半額以下になっている。

「860 EVO」のスペック
型番 MZ-76E250B/IT MZ-76E500B/IT MZ-76E1T0B/IT MZ-76E2T0B/IT MZ-76E4T0B/IT
容量 250GB 500GB 1TB 2TB 4TB
フォームファクター 2.5インチ
NAND Samsung V-NAND 3bit MLC
コントローラー Samsung MJX
インターフェース SATA 3.0(SATA 6Gbps)
シーケンシャルリード 550MB/s
シーケンシャルライト 520MB/s
4KBランダムリード(QD32) 9万8000 IOPS
4KBランダムライト(QD32) 9万 IOPS
MTBF 150万時間
TBW(総書込容量) 150TB 300TB 600TB 1200TB 2400TB
セキュリティー AES 256 bitフルディスク暗号化 (FDE)、TCG/Opal V2.0、Encrypted Drive(IEEE1667)
保証期間 5年間
実売価格 6500円前後 8000円前後 1万5600円前後 4万9800円前後 9万8700円前後

 そんな「今が買い」のSSDを使って、せめてストレージまわりだけでも刷新し、あと数年は戦えるようPCをリフレッシュしようというのが今回の趣旨だ。もちろん、超快適な環境に移行したいのであれば、CPUやマザーボードも含めたプラットフォームごと買い替えるのが最適解なのは間違いない。

 しかしながら、PCの体感速度を決めるのはおおむねストレージである。ぜひ後述するHDDからSSDへ換装した場合の速度比較を参照し、PCリフレッシュの参考にしていただきたい。

まずは専用移行ソフトウェアをインストール

 速度比較の前にHDDからSSDへ移行する手順を紹介しよう。今回使用する「860 EVO」の場合、専用移行ソフトウェア「Data Migration Software」がSamsungのWEBサイトに用意されているのでそれを使うのが手っ取り早い。1TB SSDに移行するため、HDDがそれよりも大きな容量だとやっかいだが、その場合はデータを外付けHDDやデータドライブに移動して、使用容量を1TB未満に抑えておこう。

SamsungのWEBサイトから「Data Migration Software」のインストーラーをダウンロード。

このインストーラーをクリックして、「Data Migration Software」のインストールを始める。

「日本語」を選択。

セットアップウィザードが始まるので「次へ」を選ぶ。

使用許諾契約を読んで「~同意します」を選択し、「次へ」をクリック。

「インストール」をクリックして、インストールを実行する。

インストールが終了したら「完了」をクリックして、ウィザードを終わらせる。

 「Data Migration Software」のインストールが終わったら、一旦PCをシャットダウンして電源ユニットのスイッチを切り、「860 EVO」をSATA 3.0ポートに接続。なお、Sandy Bridge世代のIntel 6 Seriesチップセット搭載マザーボードはチップセットサポートのSATA 3.0ポートが2基(H61は非サポート)しかないので、マニュアルで確認して間違えないようにしよう。

「860 EVO」をSATA 3.0に接続。

 「860 EVO」を接続したらPCを再び起動。エクスプローラーなどからきちんと認識しているかどうかを確認したら、「Data Migration Software」を立ち上げ、データ移行を進めよう。

「Data Migration Software」で移行開始

 「Data Migration Software」の操作は簡単だ。初見でもほぼ迷わず扱えるようになっている。ただし、移行元の「ソースディスク」と移行先の「ターゲットディスク」だけは間違えないように、何度も確認しよう。誤ってデータドライブに移行データを複製すると中身が消えるので注意が必要だ。間違えないよう、念のためデータドライブは外しておいてもいい。

「Data Migration Software」を起動し、「開始」をクリック。

移行元になるドライブ(今回はHDD)は「ソースディスク」、移行先になるドライブ(860 EVO)は「ターゲットディスク」と表示される。各ドライブを確認したら「開始」をクリック。

注意が出るので不安になったら「いいえ」をクリックして前の画面へ。大丈夫なら「はい」をクリック。

移行元から移行先にデータの複製が始まる。

複製が完了したら「閉じる」をクリック。

「シャットダウン」をクリックして、PCの電源が落ちたら移行元のHDDを外そう。

 データの複製が終わってシャットダウンしたら移行元のHDDを外し、PCに電源を投入してWindows 7がきちんと起動するかどうかを確かめよう。無事起動すれば、移行完了だ。

「860 EVO」換装前後の性能を比較

 さて、システムドライブの移行が完了したところで、次は「860 EVO」換装前後でどれぐらい使いやすいPCになったのか、性能比較をご紹介しよう。今回の検証環境は以下になる。

検証環境
CPU Intel「Core i7-2600K」(4C/8T、3.4~3.8GHz)
マザーボード GIGABYTE「Z68MA-D2H-B3」(Intel Z68)
メモリー ADATA「AD3U1333C4G9-2」(DDR3-1333、4GB×2)
グラフィックス NVIDIA「GeForce GTX 690」(リファレンス)
ストレージ 移行前:日立GST「HDS721010DLE630」(SATA 3.0、1TB HDD)、移行後:Samsung「860 EVO MZ-76E1T0B/IT」(SATA 3.0、1TB SSD)
電源ユニット CoolerMaster「V650 Semi-Modular RS650-AMAAG1-JP」(80 PLUS GOLD、650W)
OS Microsoft「Windows 7 Home Premium 64bit」

 テーマは「7年前のイケてるゲーミングPC構成」だ。ゆえに、基本的には倉庫で眠っていた2011年製の古めのパーツを中心に用意したが、電源ユニットは該当するものがなかったので手持ちで最古参の2014年製のものにした。ストレージの動作モードは当時マザーボードのデフォルト設定だったIDEモードで検証している。

 また、ビデオカードは当時だとGeForce GTX 590(開発コードネーム:Fermi)が最上位だが、Fermi世代は最新ドライバーがあたらないため、いまどきのゲーム(「Battlefield V」)だとプレイすらさせてもらえないものもある。それゆえ、現役のドライバーがあたる1世代後のGeForce GTX 690(開発コードネーム:Kepler)を採用することにした。

 なお、OSは当時人気だったWindows 7にして最新アップデートまであてた。しかしながら、古めのHDDのためか、アップデート作業に3日もかかってしまった。何回かインストールエラーが出て、数時間かけたインストール作業がおじゃんになったりと、大変根気のいる作業となったことをお伝えしておく。システムドライブにHDDを使うのはいいかげん厳しいご時世なのだと痛感した次第だ。

Windows 7の起動時間で約28秒、ゲームで約34秒短縮!

 まず最初に試したのはWindows 7の起動速度。PCの電源ボタンを押して、デスクトップ画面が表示されるまでの時間を手動で3回計測し、HDDの時間はブレが大きかったので両ドライブとも最も時間がかかったワーストケースを比べた。

Windows 7の起動時間を比較。

 移行前のHDDが約59秒で、移行後の「860 EVO」は約31秒と約28秒もの差がついた。電源ボタンを押してからPCが使えるようになるまでの時間が大幅に短縮され、体感的にかなり使いやすいPCに生まれ変わった。また、デスクトップ画面が表示されてから、タスク常駐アプリなどの読み込みが終わり、ブラウザー検索などの標準機能がつっかえることなく使えるようになるまでの時間もだいぶ改善した印象だ。

 お次は「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」(以下、FF14ベンチマーク)のローディングタイムで比較してみた。こちらもワーストケースで比べている。

FF14ベンチマークのローディングタイムを比較。

 HDDで58秒弱かかっていたのが、「860 EVO」では約24秒強まで短縮。FF14はMMORPGなのでシーン読み込みに手間取っていると、ダンジョンで置いて行かれる可能性がある。気づいたらパーティーメンバーがおらず、追いついたらすでにボスが倒されていた、なんて切ないことになりかねない。SSDを導入し、少しでもローディングを高速化しておきたい。

 最後に「CrystalDiskMark」でストレージの純粋な性能を比較してみた。こちらは数値が安定するまで数回試行したので、中間的な結果を掲載する。

左がHDDの結果で、右が860 EVOの結果。

 シーケンシャルリード/ライトで毎秒約315MB/361MBもの大差がついた。ランダム速度に関しては壮絶な差となり、改めてSSDの偉大さがわかる結果となった。なお、860 EVOの公称速度はシーケンシャルリード/ライトで毎秒550MB/520MBと、本来はもっと高速なはずだ。つまり、今回は環境が古く、IDEモードで検証しているのも手伝って、毎秒約470MB/450MB程度に落ちていると思われる。

いまどきのPC環境に「860 EVO」を接続して「CrystalDiskMark」を回した場合、シーケンシャルリード/ライトは公称速度は上回る結果になる。

OSの延長サポート期限も忘れずに

マイクロソフトのOSサポート期限。

 「860 EVO」でSSD化し、OSやアプリの起動速度が速くなり、エクスプローラーもきびきびとした動きでかなり快適になった7年前のPC。とりあえずのリフレッシュは無事完了したわけだが、「これで次の7年も戦える」かというと、まだ懸念すべき点がある。それはOSのサポート期限である。今回検証に利用したWindows 7は2020年1月14日で延長サポートが終了する予定だ。

 延長サポートが終了したOSはセキュリティー更新プログラムが提供されなくなるので、マルウェア感染リスクなどが高まってかなり危険な状態になる。もちろん、自己責任で使うぶんには結構だが、なにかあってもマイクロソフトは一切サポートに応じないので覚悟が必要だ。

 ちなみに、Windows 8/8.1についても2023年1月10日に延長サポートが終了する。つまり、こちらもあと4年ちょっとでWindows 10にしなければ、やはりマルウェア感染リスクなどが高まることになる。延長サポートが切れてから慌てて移行の準備をするのではなく、OSだけでも早めに最新のWindows 10を導入しておくべきだろう。

 また、プラットフォームが古いと「860 EVO」のフルパフォーマンスが発揮できないのが今回の検証で判明した。予算に余裕があるならCPUやマザーボードといったプラットフォームごと買い替えることもオススメしたい。

 最新マザーボードなら最新のM.2規格にも対応している製品が大多数なので、「970 EVO」などのさらに高速なSSDが使える。その場合は「860 EVO」をデータドライブとして扱うのもいいだろう。世はSSD爆安時代。Sandy BridgeおじさんもそろそろSSD導入を本格的に検討してみてはいかがだろうか。

■関連サイト

提供:日本サムスン

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