“ぼっち”撮影を極めた!—ソニー「α5000」

文●林 佑樹(@necamax)

2014年03月28日 13時30分

サムネイル画像をクリックすると、5456×3632ドットの画像が表示されます

セルフポートレイト、つまりひとりで自分を撮るというと、長い間、三脚とセルフタイマーが友達だった。今ではスマホのインカメラでの“自撮り”がとてもお手軽だ。ただインカメラでは画質が悪く、また画角も制限されてしまう。キレイに撮りたい場合は、再び三脚とセルフタイマーのお世話に……といった堂々巡りの事情が炸裂してしまうのだが、そこを華麗に打開する手段が実現している。ミラーレスカメラ「α5000 」を利用して、最新の“ぼっち”撮影事情を見ていこう。

2014年注目のお手軽エントリーミラーレス「α5000」

α5000 は、2014年2月に発売開始されたばかりの新型だ。編集部に届いていたのは、「α5000 パワーズームレンズキット」(ILCE-5000L)。キットレンズとして「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」が付属するモデル。イメージセンサーはAPS-Cで2010万画素。ISO100〜16000までに対応するほか、定番となった全画素超解像ズームや13種類のピクチャーエフェクトを備えている。

また、上方向に180度動く背面ディスプレーによって自撮りが可能なほか、Wi-Fi機能、カメラに好きな機能を追加できる「PlayMemories Camera Apps」などにも注目だ。機能的な弱点はマルチインターフェースシュー対応がなく、いわゆる外付けフラッシュを使用できないところ。ただし、手持ち夜景モードやHigh ISO対応などもあるため、それなりの回避は可能だ。

ディスプレーを180度動かすと、自動的にセルフタイマー(3秒)に切り替わるため、自撮りにしっかり対応していたりする。シャッターは顔認識+スマイルシャッターで大勝利だ
イメージセンサーは“Exmor” APS HD CMOSセンサー。テキトーに撮ってみてもイイ感じの描写だ(サムネイル画像をクリックすると、5456×3632ドットの画像が表示されます)

主なスペック
機種名 ソニー「α5000
価格 5万2800円(本体のみ、ソニーストア 価格)
使用レンズ ソニーEマウントレンズ
撮像素子 APS-Cサイズ(23.2×15.4mm) "Exmor" APS HD CMOSセンサー、アスペクト比3:2
有効画素数 約2010万画素
ISO感度 ISO 100-ISO 16000
ディスプレー(背面) 3.0型ワイド 約46万800ドット 上約180度に可動
インターフェース microUSB 2.0端子、microHDMI端子、NFC対応、Wi-Fi対応、Eye-Fi対応
記録フォーマット 静止画:JPEG、RAW(Sony ARW 2.3 format)、動画:AVCHD Ver2.0/MP4
バッテリー駆動時間 静止画撮影時約420枚、実動画撮影時約95分、連続動画撮影時約150分
本体サイズ/重量 幅109.6×奥行35.7×高さ62.8mm/約269g(バッテリー、メディア込み)



「PlayMemories Camera Apps」の「スマートリモコン」アプリ

NEXシリーズの一部やα5000 、「α6000 」「α7 」などには、PlayMemories Camera Appsが用意されている。Sony Entertainment Network(SEN)上から、スマホのようにアプリをインストールして機能を拡張できるという仕組みで、エフェクトやSNS投稿機能などを追加できる。一部有料アプリもあるが、無料アプリが多いため、まずはいろいろ試してみるといい。

今回の要が、そのPlayMemories Camera Appsにある「スマートリモコン」アプリだ(2014年3月現在の最新版はver.2.20。スマホ・タブレットとの連携には、後述の「PlayMemories Mobile 4.0」が必要)。

スマートリモコンアプリの注意点は、SONYの現行デジタルカメラ製品の多くをサポートしているが、実は機種ごとに使える機能が異なっていることだ。たとえば、「DSC-RX100M2 」の場合は、動画と静止画の切り替え、ズームなどの基本機能のみで、細かい調整は行なえる。「DSC-QX10 」の場合は、プレミアムおまかせオートやおまかせオート、Pモード、露出補正などがリモートで使用可能といった具合だ。そして、α5000 α6000 の場合は以下の機能が使用可能になる。

スマートリモコンでコントロール可能な項目
(α5000/α6000の場合)
セルフタイマー(2秒) 明るさ(EV補正:-3.0EV〜+3.0EV)
レリーズ 画像サイズ
F値 ISO
シャッタースピード ホワイトバランス
タッチAF MFアシスト
ポストビュー拡大 ズーム
フラッシュ

細かい調整がし放題になるため、カメラと撮影ポイント間を往復する必要がまったくないほどだ。また今回はα5000 なのでチェックできなかったが、α7/α7R α6000 の場合はフラッシュの管理も行なえるため(調光補正はない模様)、よりこだわった自撮りもできるだろう。

メニューにある「アプリケーション」にアクセスする

初期状態でも「スマートリモコン内蔵版」がインストールされているが、機能制限の状態にある

ネットワークに接続した状態だと無料・有料のアプリをチェックできる。スマホ感覚の機能拡張だ

日本語入力用の「POBox-日本語キーボード」もあるが、単体では動作しない。Facebook/PlayMemories Online対応の「ダイレクトアップロード」アプリなど、キーボードを使用する関連アプリから呼び出して使う。ただ、α5000/6000ともにタッチパネル非搭載なので、あまり恩恵はない(NEX-5Rなどの場合はアリ)

スクロールさせると「スマートリモコン」のアップデータがある

アップデートを実行

ここでSony Entertainment Network(SEN)アカウントの登録を要求される

アカウントを登録するとダウンロード開始

アプリケーションを見ると、スマートリモコンにアップデートされている




「PlayMemories Mobile」で、
「α5000」のWi-Fi機能がさらに便利に

スマートリモコンアプリに加えて、もうひとつ必要なのが、α5000 をリモート操作できるAndroid/iOS用アプリ「PlayMemories Mobile」(バージョン4.0以降)。

PlayMemories Mobileをインストールしておくと、α5000 のWi-Fi機能がグンと便利になる。たとえば、α5000 とスマホ・タブレットを接続したい場合、NFC対応デバイス(Android 4.0以上)であれば、タッチするだけでOK。そうでない場合は、Wi-Fiアクセスポイントとして表示されるα5000 に接続する。Andoroid/iOSデバイスとの連携機能も充実しており、Andoroid/iOSデバイス上からカメラ側の写真を複数選んで、まとめてスマホに転送することも可能だ。使い勝手は、「NFCワンタッチシェアリング」を利用できるNFC対応デバイスが上々で、撮影画像を再生中のα5000 にタッチするだけで、その写真をNFC対応デバイスに転送できる。

起動するとα5000がアクセスポイントになるので、画面情報に従ってアクセスする

NFC対応デバイスの場合は、本体右側面のNFCロゴにタッチするだけでいい

PlayMemories Mobile
価格無料 作者Sony Corporation
バージョン4.1.0 ファイル容量6.8 MB
対応デバイスiPhone/iPad/iPod touch 対応OSiOS 5.0以降
PlayMemories Mobile
価格無料 作者Sony Corporation
バージョン4.1.0 ファイル容量7.5MB
対応OSAndroid 2.2以降

ちなみに、PlayMemories Camera Appsの「スマートフォンシンク」が4月24日配布予定となっている。カメラとスマホのWi-Fi接続設定などを行なわなくても、カメラの電源をオフにするだけで、撮影した写真をスマホ・タブレットに自動転送できるようだ。

「DSC-QX10」「DSC-RX100M2」も「PlayMemories Mobile」でリモート操作

PlayMemories Mobileがあれば、Andoroid/iOSデバイスからDSC-QX10 DSC-RX100M2 などもリモート操作を行なえる。現行のSONY製Wi-Fi対応デジタルカメラの多くが対応しているといってもいい。先にα5000 のパターンを紹介したが、ここでDSC-QX10 DSC-RX100M2 の場合も見てみよう。

DSC-QX10の場合はディスプレーがないので、Andoroid/iOSデバイスにインストールしたPlayMemories Mobileが前提

NFC対応デバイス(Android 4.0以上)があれば接続はワンタッチで済む

DSC-QX10の場合は、おまかせオートとプレミアムおまかせオート、Pモード、露出補正などと利用できる機能は最小限

DSC-RX100M2の場合は、メニューにある「スマートフォン操作」を選んだ状態から接続する

NFCは本体底面にあるため、三脚にセットした状態だとまず接続できない。その場合は、表示されているパスワードを入力してアクセスしよう

DSC-QX10とDSC-RX100M2、α5000ともに10mほど離れても接続に問題なし

α5000に外付けフラッシュを取り付けられないため、DSC-RX100M2でチェック。DSC-RX100M2の場合、フラッシュはオートかオフしかないが、だいたい使用される模様。またおまかせオートなどのモードを選べないが、写真を見る限りだと、おまかせオート相当がデフォルトの模様だ

左の写真が実際の撮影中の様子で、右の写真が撮影した写真。セルフシャッターをオンにして、カウントダウン中にスマホを隠すことが肝要
どうも画角に納得いかない場合は調整。このとき、スマホを足下などに置いて見ながらだと構図を調整しやすい

撮影中の様子。なんかすごくアレな姿である

実際の撮影データ。ぼっち撮影としてはなかなか良好だ




ということで、“ぼっち”撮影スタート

今回は、マルチ撮影スタジオ「Studio Be 2号館」で撮影を行なった。モデルさんの撮影依頼のかたわら遊んでいた形だったりするのだが、同スタジオは王室、教会、ローマ神殿、レンガ調、ゴシック系、エレガント系、廃墟、牢屋、機械室、焼却炉と様々なジャンルに対応する。使い勝手とレベルの高い装飾からも分かるように、ハイコストな部類に入るスタジオだが、キャパシティはあるので、まずは複数人数でシェアしながら使用してみてほしい。

光源が豊富で、別途用意する必要のないスペースが多い。装飾もこだわりが炸裂しているので、いろいろな撮影が楽しめる。各ブースはやや狭いので、大型機材を使用するときは配置に少し苦労するかも(サムネイル画像をクリックすると、5456×3632ドットの画像が表示されます)

と、スタジオの紹介を終えたところで、今回のモデルは予算的な事情もあり、筆者である。過去の実績から、セクシー的な何かを期待していた読者もいるかと思うが(編註・編集部も期待していました)、大変残念なのは筆者も同じだ。ただ私服で写っているのは大変面白くないため、ASCII.jpの倉庫に眠っていた歴戦のコスプレ衣装を用意した。それが以下である。

元はASCII.jpの技術力や予算などの限界が見える大和の衣装だったが、ASCII.jpリネームテクノロジーを惜しみなく投入し、筆者の秘書艦である不知火に変更した(サムネイル画像をクリックすると、5456×3632ドットの画像が表示されます)

ASCII.jpリネームテクノロジーは、マジックペン1本で完結するリーズナブルかつ、エコな技術だ

何かしらのウェアを装備しての撮影の場合、手袋の存在が気になる人もいるだろう。「Xperia Z Ultara」は手袋での操作にも対応するため、ぼっち撮影用としても都合がいい

撮影中の様子。何やら悲しい感じもするが、いろいろな技術があってこそ、ぼっち撮影は充実するのだ




「スマートリモコン」アプリのメリット

スマートリモコン」アプリの場合、カメラの設定のほとんどを実行できるため、画角をおよそ決めてから、撮影する場所に立ち、それからシャッター速度や露出、露出補正などをじっくりと画面を見ながら決められる。もちろん、設定結果はスマホ側にも反映された状態で表示されるので、ミスショット率はグッと低くなる。

また、タップフォーカスも利用できるため、任意の場所へのフォーカスもしやすいところもポイントだ。残念なのはセルフタイマーが2秒のみになっている点で、この場を借りて、5秒や8秒といった設定項目を増やしてほしいと訴えておこう。2秒だとスマホを隠すことが難しいからだ。

Pモード、Aモード、Sモード、Mモード、おまかせオートから選べる。また右下からはズームの調整もOKだ(サムネイル画像をクリックすると、1920×1080ドットの画像が表示されます)

画面左下ではシャッター速度や露出などの設定を変更できる(サムネイル画像をクリックすると、1920×1080ドットの画像が表示されます)

ホワイトバランスも変更可能になっている(サムネイル画像をクリックすると、1920×1080ドットの画像が表示されます)

仕様上の注意点は、縦位置をサポートしていないこと。ユーザーがスマホ自体の向きを変えるだけとはいえ、利便性の点でソフト側に対応してほしいところ

α5000側ではしっかりと縦位置に切り替わっている

撮影までの流れは、先に触れたように、およそ決めてから撮影ポイントに立ち、スマホを操作していくというもの。このとき、セルフタイマーが短いため、スマホを隠せるスペースがあると楽になる。衣装の中に隠してもいいし、手近なオブジェクトに隠すのもいいだろう。ともあれ、写真では相当間抜けな姿だが、やたらと便利だ。

スマホ側から撮影設定を行ない……

ポーズを決めて撮影

これがα5000で撮影した写真である。すごく楽だ(サムネイル画像をクリックすると、5456×3632ドットの画像が表示されます)

いわゆる“日の丸写真”はとても楽に撮影できる。一方で、構図にこだわり始めると、さすがにフットワークは鈍くなってしまう(サムネイル画像をクリックすると、5456×3632ドットの画像が表示されます)

スマホ側画面のインターフェースに微妙に足先が隠れやすいため、気持ち引き気味がいいだろう(サムネイル画像をクリックすると、3632×5456ドットの画像が表示されます)

それにしてもこういった環境で、スマホをいじっている絵はシュールだ

“ぼっち”撮影に優しい「α5000」「α6000」

今回は、「スマートリモコン」アプリを活用した撮影を紹介してきた。慣熟にはやや時間がかかるため、今回のように思いつきで実行すると、フレーミング時のフットワークの遅さに時間を奪われてしまうが、あらかじめ構図を考えておけば、それほど苦戦はしないハズ。それ以上に手元でほとんどの設定を実行できるため、ぼっち撮影をするときの手間を大きく減らせるメリットが大きい。もちろん、みんなで集まっての記念撮影時にも便利なので、Wi-Fiとスマホを利用したリモート撮影機能をチェックしてみてほしい。


主なスペック
機種名 ソニー「α5000
価格 5万2800円(ソニーストア 価格)
使用レンズ ソニーEマウントレンズ
撮像素子 APS-Cサイズ(23.2×15.4mm) "Exmor" APS HD CMOSセンサー、アスペクト比3:2
有効画素数 約2010万画素
ISO感度 ISO 100-ISO 16000
ディスプレー(背面) 3.0型ワイド 約46万800ドット 上約180度に可動
インターフェース microUSB 2.0端子、microHDMI端子、NFC対応、Wi-Fi対応、Eye-Fi対応
記録フォーマット 静止画:JPEG、RAW(Sony ARW 2.3 format)、動画:AVCHD Ver2.0/MP4
バッテリー駆動時間 静止画撮影時約420枚、実動画撮影時約95分、連続動画撮影時約150分
本体サイズ/重量 幅109.6×奥行35.7×高さ62.8mm/約269g(バッテリー、メディア込み)




■関連サイト

■関連記事