6万円からのミドルクラスと3万円台BDレコはこれだけ違う!

文●鳥居一豊

2012年08月14日 12時00分

前回は実売3万円台とぐっと買いやすくなってきたBDレコーダーを紹介した。しかし、価格は魅力だが、エントリー機は低価格なだけに機能が絞られる。

一方で、1段階グレードアップしたミドルクラスモデルの実売価格は6万円台~10万円未満と、一気に2倍以上となる。なるべく少ない予算で、手軽に録画をしたいと考える人には少々負担になる価格だ。しかし、この価格帯はもっとも人気の高いものでもあり、機能の充実度も価格差以上と言っていい。

そこで、今回はミドルクラスモデルとエントリーモデル、何が違うのかについて紹介する。

価格は上昇するものの
機能は格段にグレードアップ!

東芝の「DBR-M180」はミドルクラスにしてはやや高めということもあり、金属ヘアライン加工の外観はエントリー機とは比較にならない

ミドルクラスモデルの代表的な長所がチューナーの数だ。特に最近はミドルクラスでも3チューナー搭載機がある。

頻繁にテレビ録画をしない人は、チューナー数の多さはあまり魅力的に思えないかもしれない。だが、実際に使ってみると3チューナーほど強力な機能はないと言えるほど便利だ。

筆者のように深夜のアニメ番組のほとんどを録画しているような使い方をしていると、2チューナーでは番組重複が頻繁に発生し必然的に2台体制を強いられる。これが3チューナーになると番組重複がほとんど発生しない。

3チューナー機を使い始めてもうすぐ1年になるが、番組の放送時間変更があったときなどにたまたま重複が発生することがある程度だ。これならば、ヘビーに録画をしたい人はもちろん、家族みんなでさまざまな番組を録画するような使い方でも、録りたい番組を残らず録れるはずだ。

このほかにも、利便性の高いUSB HDDの増設をはじめ、DLNAサーバー機能やネットワーク機能など、BDレコーダーの活躍の幅を広げる機能が豊富に盛り込まれている。言ってしまえば、こうしたスペック比較では大きな差が現れないくらい、各社とも高機能化が進んできている。

編集部チョイスはこの3台!

ソニー「BDZ-AT970T」

パナソニック「DMR-BZT720」

東芝「DBR-M180」

スペック比較表

「おまかせ・まる録」をフルに活用!
ソニー「BDZ-AT970T」

基本的なデザインはエントリーモデルと共通だが、若干背が高くなっている。前面の装備についてはUSB端子とB-CASカードスロットは同じだが、「おでかけ転送」用のワンタッチボタンが追加されているのが大きな違い。背面の装備もほぼ同様で拡張性は豊か。USB HDD用のUSB端子が追加されている

ソニーのミドルクラスモデル「BDZ-AT970T」(実売価格6万9000円前後)とエントリーモデルの「BDZ-AT350S」の大きな違いを上げると、USB HDDへの録画、携帯ゲーム機や携帯電話、ウォークマンなどへの番組のコピーができる「おでかけ転送」が追加されている点。

前面にはエントリー機にはなかった「おでかけ転送」ボタンが加わっている

おでかけ転送を使えば録画した番組を携帯機器に持ち出せる。プレイステーション・ポータブルやウォークマン、携帯電話など対応機器が多いのも特徴。解像度はVGAで画質モードも2種類から選べる

録画容量を増量できるUSB HDDで、たくさんの番組を録り貯めできるようになるし、たくさん録った番組を手軽に携帯機器に持ち出して好きな場所で楽しめるので、テレビ録画の楽しみも大きく広がる。

最大で10台まで登録できるUSB HDDの設定画面。登録したUSB HDDの管理をここで行なえる

気に入った録画番組をUSB HDDにダビングできるほか、録画先に直接USB HDDを指定することも可能だ

さらに、DLNAサーバー機能により、対応した薄型テレビやPCなどでネットーワーク経由での番組再生を行なうことも可能。BDレコをリビングに置いて家族と一緒に使う場合、すでに子供達が別の番組をリビングで楽しんでいるときでも、自分は個室のPCなどで別の録画番組の視聴ができるというわけだ。

なお、ネットワーク機能にも対応し、動画配信サービスの「アクトビラ」、「TSUTAYA.TV」の視聴が可能だ。このほか、スカパー! HD用チューナーで受信した番組をネットワーク経由で録画する「スカパー! HD録画」なども行なえる。

こうしたネットワーク機能は、まだまだ多くの人に認知されているとは言い難い。こんな機能はなくてもいいと思う人も少なくはないだろう。

しかし、BDレコを単なるテレビ録画機と考えず、最新の映像の楽しみを味わえるセットトップボックスと考えると話は変わってくる。動画配信サービスはテレビ公開よりも早いタイミング(BD/DVDソフトとほぼ同じタイミング)で、最新の映画ソフトなどがストリーミングやダウンロードで視聴できるわけで、言わばテレビの中に返却不要、貸し出し中なしのレンタルビデオ店があるようなものだ。

対応するスマホやタブレット端末があれば、DLNAサーバーで家の中の好きな場所で録画した番組などを楽しめるのも、視聴の自由度をさらに高められる。

こうした機能のために、薄型テレビを買い換えるのはちょっととまどう人が少なくないと思うが、BDレコーダーの機能として入っているのであればうれしいと感じると思う。

ベースとなる機能はエントリーと共通
ただし3チューナーで使い勝手は格段にアップ!

ソニーのBDレコの番組表デザインはすべて共通。黒バックでやや濃いめの配色だ

エントリーモデルと共通なのは、電子番組表や操作メニューなど。録画機能も同様で、自動録画機能「おまかせ・まる録」や「My番組表」なども同様だ。

この充実した番組検索機能は、実は3チューナー機でこそ最大の威力を発揮する。チューナー数に余裕があるので、好みのタレントや俳優などを登録しておけば、その出演番組を探して録り貯めておいてくれる。

実際に使ってみると、メインで登場する番組だけでなく、コメントやゲスト出演するような番組まで網羅していることに気付く。これだけの番組探しを自分でやるのは大変。これぞ、最新BDレコのマルチチューナー機の威力と言えるだろう。

そして、1秒未満で起動する高速起動などのレスポンスもエントリー機とほぼ同様だった。起動時間やBD再生などは速めだが、操作に対するレスポンスがややゆっくりとした動作になる点も同様だ。

画質についても、コントラスト感が高くメリハリのくっきりとしているのは同様だが、エントリー機で物足りなかった暗部の再現性は少々よくなったように見え、暗いシーンでも見づらいと感じることが少ない。

基本的な回路設計は共通で、高画質回路も「CREAS 4」で同じなのだが、3チューナーとなることで電源部が強化されるなどの効果が画質にも出ているのだろう。主力モデルであるため、画質のチューニングもきっちり行なわれているのか、より質感の豊かな映像が楽しめるようになってくる。


総合評価

機能性:★★★★★★★★★(9)

使いやすさ:★★★★★★★★(8)

拡張性:★★★★★★★★★★(10)

画質・音質:★★★★★★(6)

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多機能さならばNo.1!
パナソニック「DMR-BZT720」

基本的なデザインはエントリー機と共通だが、背は少し高くなっている。前面端子はSDメモリーカードスロットとUSB端子を搭載。背面はビデオ入出力を各1系統備えるほか、USB端子を2つとi.LINKも1系統備える

エントリー機でもUSB HDD対応となかなかの多機能を誇ったパナソニックだが、ミドルクラスはさらに凄い。「DMR-BZT720」(実売価格6万2000円前後)では、対応スマホや携帯電話などへの番組持ち出しが可能。

ネットワーク接続は有線のほか無線設定も可能。WPSなどのかんたん設定にも対応しているので、専門知識がない人でも設定はかんたん

無線機器と直接1:1で接続する「Wi-Fiダイレクト」接続も可能。無線LANルーターなどがなくても大丈夫

強力なのはインターネット関連で、まず無線LAN内蔵によりワイヤレスでネットワーク接続が可能。スマートフォンなどとの連携もよりスムーズに行なえる。

DLNA機能は、サーバー/クライアントの両方に対応しており、自らの録画番組を対応機器へ配信するだけでなく、ほかの録画機器(対応する録画テレビなど)の番組もネットワーク経由で再生できる。

インターネット機能「ビエラ・コネクト」の画面。「アクトビラ」や「hulu」といった動画配信サービスから、「Skype」「Twitter」「Facebook」といったネットサービスも利用できる

民放各社が放送中のテレビドラマや放送済みの人気番組を数多くラインナップする動画配信サービス「もっとTV」。録画し忘れた番組のフォローもこれで万全

有料サービスやアプリのダウンロードができる「マーケット」

さらにネットワーク機能では、同社の薄型テレビでも採用しているアプリ追加型のサービス「ビエラ・コネクト」を搭載。民放局のテレビ番組を有料で配信する「もっとTV」をはじめとする多彩な動画配信サービス対応をはじめ、ショッピングサイトなど数多くのサービスが用意されている。

このほか、外出先からのリモート予約サービス「ディモーラ」や、録画番組の内容を目次を見るように一覧できる「ミモーラ」(有料)などのサービスにも対応する。

3チューナー機などの多チューナー機がここまでネットワーク機能を強化しているのは、単純に多彩なコンテンツを網羅しているだけでなく、ソニーでも紹介したように「最新BDレコを手に入れれば、最新テレビと同じインターネット機能も手に入りますよ」という提案でもある。

おいそれとは買い換えしにくい薄型テレビに対して、買い換えや買い増しがしやすいBDレコの特徴を活かした戦略と言える。

メニューのサクサク感と画質は優秀

電子番組表のデザインはエントリーからハイエンドモデルまでまったく共通。見やすい表示に加えてスクロール速度も十分に速く、とても使いやすい

リスト上部のタグを切り替えることでジャンル別表示などが可能な録画リスト。一番右のタグを選ぶと、ネットで接続された機器のリスト表示が行なえる。複数の録画機器をシームレスに使える工夫だ

操作メニューや電子番組表などはエントリー機と共通のデザインとなっており、起動時間は4秒台だが、番組表や番組リストは約1秒で表示するなど、使いやすさやレスポンスの良さはまったく同様。ストレスフリーでサクサクと使える。そのため、機能としてはかなり増えた印象だが、使いやすさや親しみやすさもほとんど変わらない。

もう1つ特筆したいのは、画質の良さだ。エントリーモデルではやや解像感の甘さが気になったが、本機になるとかなり精細感の高い映像となり、地デジなどの放送だけでなく、BDソフトもなかなか見応えのある映像となる。

特に色再現の豊かさが際立っていて、決して派手な色彩ではないので、色数が多くリッチな映像に感じられる。薄暗い部分で色が抜けてしまうようなこともなく、暗部の見通しもいい。

各モデル共通のシステムLSI「ユニフィエ」の素性の良さに加え、さらなるブラッシュアップが行なわれていると見ていいだろう。

なお、上位機はさらに画質・音質に本格的なチューニングを加えたプレミアム仕様モデルなどがある。リモコンもタッチパッド付きの無線式となっており、リモコンの向きを気にせず、よりスムーズな操作が行なえる。


総合評価

機能性:★★★★★★★★★★(10)

使いやすさ:★★★★★★★★(10)

拡張性:★★★★★★★★★(9)

画質・音質:★★★★★★★(7)

■Amazon.co.jpで購入

6ch全録の「タイムシフトマシン」を搭載
BDレコの概念を超えた東芝「DBR-M180」

正面にチャンネル表示などのディスプレーがないのはBDレコでは珍しい。パネル内にはB-CASカードスロット(赤いカード、白いminiカード各1枚)とUSB端子がある。背面は比較的シンプルで、映像出力はHDMI出力とビデオ出力のみ。HDD増設用のUSB端子もある

東芝の「DBR-M180」(実売価格9万7000円前後)は、ほかの2機種と比べるとやや高価になるが、それもそのはず、HDD容量2.5TB、地デジチューナーを8基、BS/110度CSチューナーを2基搭載している。6chのテレビ放送を最大で8日分蓄積し、自由に視聴ができる「タイムシフトマシン」搭載のモデルだ。

通常(未来の)番組表のデザインは従来の東芝製BDレコ、というよりも同社の薄型テレビに近い。表示は1秒未満と極めて高速だ

タイムシフトマシンで録画された番組を一覧できる「過去番組表」。通常の番組表とは配色を変えて見間違えないようにしている

本機は、薄型テレビと同じく「レグザエンジンCEVO」を搭載するなど、血筋は薄型テレビの「REGZA ZG2」や「ZT3」に近い。このため、操作メニューもテレビのものそっくりで、「3次元フレーム超解像」といった最新の画質補正機能まで備えている。詳細な調整が可能な画質メニューを見ていると、BDレコというよりもREGZAの別体型チューナーという気がしてくる。

起動時間などを見てみると、高速起動は1秒20とかなり高速。高速起動オフの場合は通常待機で6秒台、省エネ待機で8秒後半と優秀な性能。番組表の表示も1秒未満とかなり高速で、スクロール表示の速さなどもまずまずの実力だ。

これは「タイムシフトマシン」の過去番組表もほぼ同様。テレビ放送の視聴やタイムシフトマシンの番組再生などはかなりスムーズに使える。ちなみに、タイムシフトマシン稼働時は録画中のチャンネルであれば、現在放送中の番組を5秒戻したりすることが可能。これが極めて使い勝手がよく、当然ながらテレビの内蔵チューナーよりも快適なテレビ視聴ができる。

各種設定メニューは画面左下に表示される。映像調整では、超解像技術の調整や詳細な画質調整まで行なえる。スマホやタブレットと連携するためのネットワーク設定などもある

タイムシフトマシンの画質設定。最大で6chの地デジ番組を8日分録り貯められる

ちなみに、BD/DVD関係の設定メニューのみ全然異なるインターフェースで表示される

反面、通常録画した番組リストの表示などは切り替わるときに少々もたつきがある。このほかにも、タイムシフトマシンから通常録画領域へ番組保存しようとすると、高速ダビングでもかなり時間がかかるなど、ダビングや編集では少々使い勝手の悪い部分もある。常時6chの録画をしていることを考えると納得もできるが、将来的には改善を期待したい部分だ。

BDレコというよりも外付けチューナー!?

インターネット機能では「アクトビラ」などの動画配信サービスを利用できる。レグザメニューボタンを押すと、画面のアイコンを使って手軽に選択可能だ

録画した番組は対応スマホやタブレット端末での持ち出し用ファイルの作成も可能。変換したファイルをスマホなどにネットワークダビングできる

本機の愛称が「REGZAサーバー」と言われる理由が、DLNAなどによる番組配信機能。DLNAサーバー/クライアント対応となっており、タイムシフトマシンや通常録画の番組を対応機器へ配信できるほか、DLNAサーバー機器のコンテンツ再生も可能。持ち出し用ファイルのダビングに手間はかかるが、対応機器へのHD画質での番組持ち出しにも対応と、録画した番組を多彩な形で活用できるようになっている。

BDドライブを内蔵しBD再生ができ(BD再生までの時間は約33秒とちょっと遅い)、BDへのダビングも当然行なえるなど、BDレコーダーではあるが、使い方のスタイルが異なるというか、より積極的にテレビの別体チューナーだと思って使った方が快適だ。

例えば、テレビ側のチューナーで視聴している放送を最初から見たいと思ったとき、いちいち入力をREGZAサーバーに切り替えるのは面倒くさい。本機の場合はテレビのチューナーは使わずに、本機のチューナー(つまりテレビ側は常時HDMI入力)で使うのが便利と感じる。

その意味でセットトップボックス的なテレビ放送受信機であり、テレビ放送をより柔軟に活用できるというのは、まさにこれからのBDレコーダーが目指す姿だろう。なんといっても初号機なので、前述したような不満も多少はあるが、今後の進化が楽しみなモデルだ。

なお、画質面の実力はかなりのもので、色再現こそ忠実度を重視したやや淡泊な表現になるが、解像感が極めて高く質感の豊かな映像を楽しめる。

BDソフトの再生もディスクの情報をすべて引き出しているかのような豊かなディテールを満喫できる。音質も決して悪くはないのだが、価格を考えるともう少し声の厚みや低音の力感が出てほしいと感じる。


総合評価

機能性:★★★★★★★★★(9)

使いやすさ:★★★★★★(8)

拡張性:★★★★★★★★(8)

画質・音質:★★★★★★★★★(9)

■Amazon.co.jpで購入

リモコンは東芝がかなりいい出来

各機種の付属リモコン。左からソニー、パナソニック、東芝のもの。ソニーのリモコンはエントリー機とまったく同一。パナソニックはデザインは似ているが、選局ボタンがカバー内に収まっているなどのボタン配置には違いがある。東芝はエントリー機とはまったく異なり、薄型テレビのリモコンに近いデザインだ

前回同様、3モデルのリモコンを一通り見ていこう。ソニーはエントリー機と同じリモコンで当然ながら操作感なども同じ。ボタン数を整理するため、細かな設定や機能の選択は画面のメニューを使って行なうようになっているが、慣れてしまえばさほど煩雑ではない。

パナソニックのリモコンは上半分が大きく開く二重構造で、ダイレクト選局ボタンがその中にある。デジタル放送は選局が遅いため、ダイレクト選局がカバー内にあると使い勝手が悪くなる

パナソニックは再生系のボタンが直感的に使える配置になっており、ボタンのサイズも大きく使いやすい。しかし、数字キーなどダイレクト選局用のボタンがカバー内にあるのが不満。

上位機のリモコンでは改善されているので、そちらのリモコンがほしくなる(ボタンがやや小さいことと、タッチパッドでの十字キー操作がやや使いにくいなど、上位機のリモコンにも不満はある)。その点では意外なことにエントリー機のリモコンの方が使いやすいということになる。

東芝のリモコンは下方がスライド式カバーになっており、詳細設定や番組説明、データ放送ボタンなどが収まっている。特にスペースの節約になっているわけでもないので、これならカバーいらないのでは? という気も……

東芝のリモコンはエントリー機とはまったく異なる、薄型テレビ用のリモコンをアレンジしたものになっている。ボタン形状を変えて指の感触だけでも使えるような仕組みなど、よく出来たリモコンだ。

テレビをより積極的に楽しむならミドルクラスで!

こうしてミドルクラスのモデルを見ていくと、単純にさまざまな機能が増えているということではなく、BDレコーダーとしての在り方とか使用スタイルがエントリー機とは異なっていると思える。

従来通り、見たい番組を録画しておき、必要ならばBDに保存するというだけならば、エントリー機でなんの不満もない。ミドルクラス機は、もっと積極的にテレビコンテンツや多彩なネットコンテンツを自在に楽しむための製品ということだ。

3万円台のBDレコーダーは買いなのか? という問いに対する回答は、ユーザーの使い方次第ということになるだろう。

次回は、3万円台のBDレコーダーにとっての強敵である格安HDDレコーダーの登場だ。BDドライブを内蔵しないものの価格的にはさらに安価である。

シンプルにテレビ録画をするだけならば、BDレコよりもお買い得では? と言われ、最近注目度が高まっている。BDレコとはどう違うか、本当にBDレコよりもお買い得なのかをじっくり確かめてみたい。

これはニア全録!? 3チューナーのシャープ「BD-T510」

「BD-T510」

今回、機材借用が間に合わなかったのだが、実はシャープからも6万円台で手に入る3チューナー機が登場している。

「BD-T510」(実売価格6万2000円前後)は、同社の3チューナー機の500GBモデルで上位機のような画質・音質チューニングは省略されているが、機能的にはほぼ同等で、無線LANユニット内蔵、USB HDDによる増設対応、「アクトビラ」などの動画配信サービスやDLNAサーバー機能を備えるなど、ライバルと比べても機能に見劣りはない。

独自機能は2つある。ひとつはカセット型で手軽に内部のスロットに装着してHDD容量を増設できる「SHDD(スロットインHDD)」の採用。USB HDDの増設にも対応しているが、USB HDDが同時にひとつの番組しか録画できないのに対し、SHDDならば3番組同時の録画も可能になっているなど、内蔵HDDに近いマルチ機能を実現していることがポイントだ。

素人目線で考えても、置き場所や電源が必要になるUSB HDDをレコーダーのそばに置くよりも、配線や電源不要で使えるSHDDの方が使い勝手はいいだろう。

もうひとつが、3チューナーを活用する機能とも言える「最新上書き録画」。これは好みのジャンルを指定しておくことで、それらに該当する番組を自動で更新録画する機能。例えば、「サッカー」と設定しておけば、サッカーの試合やニュースなどの番組が残らず録画され、常時最新の放送のみ保持されているというわけだ。

これは“効率のいい全録”と言ってもいいもので、サッカーファン、野球ファンにはありがたい機能と言えそう。さらに、あらかじめ設定しておくことで、視聴中の番組を常時一時保存しておき、見逃したシーンなどに自由に戻れる機能。これも、全録型レコーダーのメリットを3チューナー機でうまく実現したものだ。

3チューナー機としては後発になるシャープだが、なかなかユニークな機能を備えており、快適なテレビ録画を楽しめるモデルと言えそうだ。

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