満足度抜群! 2560×1440表示の27型ISP液晶「U2711」

文●ASCII.jp編集部

2012年05月17日 12時00分

1万円を切る低価格なモデルから30型の大型タイプまで幅広いラインナップを揃える、デルの液晶ディスプレー。その中でも、ISPパネルによる高画質と27型ワイドという大型サイズ、2560×1440ドット(WQHD)という高解像度を実現しながら、低価格を実現した製品が「Dell UltraSharp U2711」(以下、U2711)だ。2010年2月の発売以来、長きにわたり高い人気となっており、ここで改めてその魅力についてお届けしていきたい。

デル「Dell UltraSharp U2711」

主なスペック
製品名 デル「Dell UltraSharp U2711
直販価格 5万9980円(2012年5月16日現在)
表示サイズ(アスペクト比) 27型ワイド(16:9) IPS方式、アンチグレアおよび3Hハードコーディング処理
最大解像度 2560×1440ドット(60Hz)、約109PPI、画素ピッチ 0.233mm
視野角 垂直178度/水平178度
表示色 10億7000色(内部12bit)、sRGBカバー率:100%/Adobe RGBカバー率:96%対応、色域(標準)CIE1976:110%/CIE1931:102%
インターフェース DisplayPort端子、HDMI 1.3端子、DVI-D(HDCP対応)端子×2、アナログRGB端子、コンポーネント端子、コンポジット端子
カードスロット 8-in-1メディアカードリーダー
本体サイズ/重量 幅646.71×奥行き199.95×高さ427.83(最低位置)〜517.83(最高位置)mm/10.46kg(スタンド含む)

ISPパネルの美しさと
上下左右178度の広い視野角

デルは、手頃な価格の「IN」シリーズをはじめ、マルチメディア用途向けの「S/ST」シリーズ、3D対応など最先端の技術を取り入れた「エンタテイメント」シリーズなど、多くの液晶ディスプレーを展開。その中で最高クラスの画質と性能を誇り、プロユースにも対応するフラグシップモデルとなっているのが「デジタルハイエンド」シリーズだ。今回紹介するU2711もそのひとつで、直販価格は5万9980円となっている(2012年5月16日現在)。

その大きな魅力は、フルHDを大きく超える2560×1440ドットという高い解像度とISPパネルの採用によって、カメラマンやグラフィックデザインの現場でも使える高画質を実現していることだ。色空間の国際標準規格のsRGBカバー率は100%、より色域の広いAdobe RGBもカバー率も96%と、スペックからも色彩の表現力の確かさが分かる。

視野角も非常に広く、左右178度と上下178度と実現。安価なTNパネルを採用する液晶ディスプレーでは、パッ見の発色を良くするためコントラストを強めにして色が飛び気味になっていたり、ちょっと視線を上下に動かすだけでも色の変化を感じることもある。これに対してU2711は、ほぼ真横から見ても色の変化を感じず、写真など色の複雑な画像の再現度の高さには感動するほど。

ちなみに、TNパネルでも視野角が広い製品は存在するが、それらスペック上の視野角は“画面が見える”というだけで、色やコントラストの変化までは考慮されていない。“どの角度でも美しく見える”ことが、IPSならではの特徴なのだ。機会があれば、店頭などでぜひ確かめてほしい。

応答速度は中間階調域で6ms、GTGで12msと特に速いわけではないが、応答速度を高速化しにくいIPSパネルの特性を考えれば、十分な数値といえる。実際に、アクションゲームをプレイしたり、動画をいくつか再生したが、遅延を感じることはそれほどなかった。視野角が広いだけに、家庭用としても使えそうだ。

高さは約9cmの調整ができる
左右側面。最大19度のチルトもあり細かな向き調整が可能だ

入力はアナログRGB端子、DVI-D(HDCP対応)端子×2、HDMI端子、DisplayPort端子、コンポーネント端子、コンポジット端子の7系統と充実。スピーカーは備えていないが、DisplayPortとHDMIからのオーディオ信号を出力するための端子(5.1ch対応)は用意されている。ディスプレーの下部にはオプションのスピーカーを追加が可能。これらに電源を供給するための電源コネクタがディスプレーの背面が搭載されている。

DVI-D端子×2やHDMI端子、DisplayPort端子など7系統の入力を搭載

なお、2560×1440ドットの高解像度で表示できるのは、デュアルリンクのDVIまたはDisplayPortでの接続のみ。HDMIとコンポーネント接続では最大1920×1080ドット(フルHD)が解像度の上限となるので注意したい。

このほか、背面にUSB 2.0端子(アップストリーム)、左側面にUSB 2.0端子×4(ダウンストリーム)、8in1メディアカードリーダーを搭載。USB機器の接続やデジカメの撮影データの取り込みを手軽にできるのも便利だ。

左側面にはUSB 2.0端子×4(ダウンストリーム)と8in1メディアカードリーダーが用意されている

標準でデュアルリンクDVI用ケーブル、アナログRGB用ケーブル、DisplayPortケーブル、USBケーブルが付属する

7種類の色設定を標準で用意

設定メニューであるOSDの操作には、前面右下にあるスイッチを使用する。指先を触れるだけで認識するキャパシティブタッチスイッチが採用されており、軽快に操作が可能だ。トップメニューとして、「プリセットモード」、「輝度/コントラスト」、「入力信号」、「メニュー」が用意されている。

基本のメニュー

「プリセットモード」は色設定のことで、標準やマルチメディア、ゲーム、Adobe RGBなど標準で7種類が用意されている。自分でカスタムカラーを作ることも可能だ。

なお、AdobeRGBとsRGBについては工場出荷時に色の調整済みで「色補正完了証明書」が付属しとおり、開封してすぐに色の再現度が求められる仕事もこなせる。ちなみに、筆者が目視したところ、AdobeRGBの設定では青みが強く、sRGBは赤みが強くでた。

プリセットは7種類

入力も簡単に切り替えが可能だ

設定メニューには、U2711に接続した2つの機器の画面を同時表示できる機能「PBP」があるものの、画面を無理矢理ふたつ並べた表示となり、あまり見やすいとはいえない。並べて表示させるために縮小したような画面となるうえに、上下の余白も多いためだ。PCの画面で攻略情報をチェックしながら、PS3のゲームをプレイ……といった使い方は無理ではないが、正直どちらの画面も見にくくなってしまう。

抜群のコストパフォーマンスで、
大画面/高解像度/高画質を求めるならオススメ!

U2711は、高いクオリティを備えているが、唯一、白を表示すると少々ザラつきを感じる点は好みが分かれるかもしれない。筆者はほとんど気にならなかったが、表面の見え方にこだわりがあるユーザーは、念のためデルの販売店などで確認しておこう。

価格だけを見れば、21〜23型の液晶ディスプレーよりも確かに割高になる。しかし、大型の画面、高い解像度、高画質なIPSパネルと考えると、コストパフォーマンスが非常に高いことは事実だ。入力端子も充実しており、スイーベルや高さの調整が可能など設置性にも優れている。大画面、高解像度のディスプレーを格安で求めているなら、チェックして損のない1台だ。

主なスペック
製品名 デル「Dell UltraSharp U2711
直販価格 5万9980円(2012年5月16日現在)
表示サイズ(アスペクト比) 27型ワイド(16:9) IPS、アンチグレアおよび3Hハードコーディング処理
最大解像度 2560×1440ドット(60Hz)、約109PPI、画素ピッチ 0.233mm
コントラスト比 標準1000:1、ダイナミックコントラスト比8万:1
輝度 350カンデラ(cd/m2
応答速度 6ms
視野角 垂直178度/水平178度
表示色 10億7000色(内部12bit)、sRGBカバー率:100%/Adobe RGBカバー率:96%対応、色域(標準)CIE1976:110%/CIE1931:102%
インターフェース DisplayPort端子、HDMI 1.3端子、DVI-D(HDCP対応)端子×2、アナログRGB端子、コンポーネント端子、コンポジット端子
カードスロット 8-in-1メディアカードリーダー
サウンド機能 Dellサウンドバー(オプション)
スタンド 高さ調整、角度調整、左右回転、ケーブル管理機能、VESAマウント
消費電力 標準113W(USB接続、オーディオ機器接続がない場合)、待機/スリープ時2W未満
本体サイズ/重量 幅646.71×奥行き199.95×高さ427.83(最低位置)〜517.83(最高位置)mm/10.46kg(スタンド含む)

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