外はプチプチ、中はトロ~リ! 近未来野菜「アイスプラント」を食らう!

文●丸子 かおり

2008年06月10日 13時00分

アイスプラントって何なのさ?

アイスプラント」というものをご存知だろうか? 最近、そういう名前の新顔野菜が登場したと聞き、デパートや高級スーパーを回ったのだけど、なかなか出会えずガッカリしていたら、私の事務所そばのスーパーで売っていた。なーんだ、青い鳥は身近にいたのか。

では、そのアイスプラントとはいったいどんな野菜なのだろうか……!?

アイスプラント。パッと見、白っぽく水滴がついているように見えるが……

葉や茎が白っぽくキラキラ光っているのがわかるだろうか? 茎をさらに拡大してみると……。

茎や葉のいたるところに水泡が。この水泡が実は味の秘密なのだ

葉や茎にビッシリと氷粒のような水泡がついているのが見えるはず。アイスプラントという名前は、この氷のような水泡が、凍っているように見えるのでつけられた名前だ。元々は南アフリカ原産の多肉植物なのだが、今、日本でブレイクしつつあるミラクル野菜なのである。

しかし、この野菜は見た目以外にも驚くべき特性を持っていた!

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まずは食べてみる

アイスプラントのどのあたりがミラクルなのか、スペックを説明するためにまず一口食べてみよう。決してお腹がすいたわけではない。生のままで食べられるそうなので、そのままパクリ。

洗っただけのアイスプラントをひと口。塩味と酸味の絶妙な組み合わせが美味い! 海○雄山に食べてほしいくらいだ

ひと口噛んでみたら……、水泡から出る水分に、程よい塩味とわずかな酸味が感じられ、プチプチという食感が心地いい! しかも多肉質の葉が柔らかく、最初から味がついているからドレッシングなしでも十分イケる! 葉っぱをひと口のつもりが、ひと枝モリモリと食してしまったではないか。決してお腹がすいていたからではない。

アイスプラントの断面。葉の厚さは場所によって異なるが1mm~2mmくらい

このアイスプラントは、リンゴ酸にナトリウムやカリウムなどのミネラル類、そしてカロチンを豊富に含み栄養学的にも優れているとのこと。粒々の部分は水を蓄えるプラッター細胞と呼ばれるモノらしい。

そして、アイスプラントが野菜として日本で栽培されるいきさつと、栽培方法を調べたら科学的にビックリな事実が判明した!

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塩害対策植物のはずが野菜へ

先に書いたようにアイスプラントは南アフリカ原産。土壌の塩分を吸い取る能力があるため、佐賀大学農学部が有明海沿岸の塩害対策に役立てようと植えていたのがきっかけだった。しかし、どんな環境でも生育でき、生食すると塩味がする、というユニークさから栽培研究がすすめられ、農家の勉強会で出品されたときも「おもしろい」と好評だったという。

ビニールハウス内で水耕栽培で育てられているアイスプラント。塩水で栽培されている。(提供:JAさが富士町支部)

特にJAさがの富士町支部管内では、コマツナの水耕栽培をしている農家が多く、コマツナ以外の水耕栽培可能な品目が求められていた。そこにアイスプラントが登場したのだ。塩害対策だけでなく、商品野菜としても役立つ不思議な植物がアイスプラント。害虫に強く無農薬栽培も簡単らしい。

このような意外なきっかけで新野菜がデビューしたわけだ。そんなニューフェイス野菜、生でサラダにして食べてもよし、火を通してもよしとのこと。

そんなわけで、アイスプラントを使った料理にいろいろ挑戦してみた。

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アイスプラント料理を考えてみた

アイスプラントの刺身

アイスプラントの刺身

のっけから「ふざけるなー!!」とお叱りを受けそうだが、アイスプラントの淡白な味とワサビしょうゆは合う。できれば蒸した鶏肉もいれて和えればなおイイかも。

  • プチプチ度★★★★★
  • 美味しさ度★★★★☆
  • オススメ度★★★☆☆

ジャーマンアイスプラント

ジャーマンアイスプラント

ベーコンを炒めて塩コショウしたところにアイスプラントを入れてサッと火を通したら皿へ。火が通ったことでプチプチ感がなくなって残念だが、代わりに多肉質のトロリとした歯ごたえがイイ!

  • プチプチ度★☆☆☆☆
  • 美味しさ度★★★★☆
  • オススメ度★★★★☆

山かけアイスプラント

山かけアイスプラント

秋田名産でツブツブの先輩格野菜「とんぶり」を真似して、とろろを入れて山かけに。とんぶり同様美味い。卵も混ぜるのがポイント。アツアツのごはんが欲しくなるオススメの品。

  • プチプチ度★★★★★
  • 美味しさ度★★★★★
  • オススメ度★★★★★

調子に乗って3品ほど料理を作ってみたけれど、最後にアイスプラントの野菜としての可能性を。

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お詫びと訂正:掲載当初、写真に間違いがありました。読者の皆さまならびに関係者の皆さまにご迷惑をおかけしたことをお詫びして訂正いたします(2008年6月10日)。

アイスプラントのこれからの可能性

ビジュアルや歯ごたえもさることながら、最初から塩味がついている野菜なんて珍しいだろう。生産量の関係で今はまだなかなか市場に出回りきらないことが惜しまれる。

アイスプラント、近所のスーパーでは250円でした。新顔だけにやや高め

これから塩害対策植物だけでなく、野菜としてもどんどん注目が集まるアイスプラント。さらにおもしろいのが、塩分だけでなくアミノ酸や抗酸化物質も吸って育てることができること。甘みや酸味、身体に良い機能性の高い物質を蓄えるアイスプラントの育成も可能らしいのだ。

むむむ。機能性飲料ならぬ、機能性野菜というものがアイスプラントの仲間から出るかもしれないぞ。


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