新横浜ラーメン博物館のウラ話 第16回

ラー博にまつわるエトセトラ Vol.11

スパイスの魔術師がつくるスパイス醬油ラーメン 伊豆「あまからや」

文●中野正博

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 みなさんこんにちは。2024年の3月に迎える30周年に向けて、これまで実施してきましたさまざまなプロジェクトが、どのように誕生したかというプロセスを、ご紹介していく「ラー博にまつわるエトセトラ」。

前回の記事はこちら:
世界が認めた屋台発祥の中華そば 福井・敦賀「中華そば一力」

過去の連載はこちら:新横浜ラーメン博物館のウラ話

 2022年7月より、過去にご出店いただいた約40店舗の銘店を2年間かけて、3週間のリレー形式で出店していただく「あの銘店をもう一度」がスタートしました。2ヶ月半が過ぎましたが、おかげさまで大変多くのお客様にお越しいただいております。

 第5弾は伊豆の自然豊かな里山の古民家で金・土・日・祝のみ4時間しか営業していない伊豆「あまからや」です!出店期間は2022年9月23日(金・祝)~10月13日(木)。

あまからやのスパイス醤油ラーメン

 「あまからや」は新横浜ラーメン博物館の5周年を記念して行われた「ラーメン登竜門」で優勝を果たしたお店です。ラーメン登竜門とは1999年に「今までの既成概念にとらわれない新しい発想発掘の場」、「これからラーメンに人生をかけようと考える方への夢の場の提供」というコンセプトのもと、優勝者には当館に3ヶ月間出店できるというコンテスト型のイベントでした。

 応募総数は344名で、現在有名店となった多くの店主も応募されておりました。

 1次審査(書類審査)、2次審査(面接)を経た10名が3次審査の審査員試食に進みました。

 審査員は、佐野実氏(支那そばや)、山田雄氏(麺屋武蔵)、河原成美氏(一風堂)、村中伸宜氏(すみれ)等の有名店主をはじめ、大崎裕史氏、北島秀一氏、石神秀幸氏等のラーメン評論家の方々でした。

 そして最終審査は3名に絞られ、当館のハードリピーター246名による試食審査となりました。結果は僅差となり、あまからやの海老名東人氏が選ばれました。

 当時の投票結果は以下の通りです。

 海老名氏(あまからや)86票、落合氏(どる屋)79票、野本氏(縁や)79票、無効2票

優勝したあまからやの海老名東人さん(1999年撮影)

 店主 海老名東人さんは、現在本店のある伊豆市の生まれで、実家は100年以上続く"わさび農家"。海老名さんで5代目にあたります。

 サラリーマンを経て和食店で働いた後、1994年、沼津でカレー専門店「あまからや」をオープン。スパイスをラーメンに取り入れた原点はここにあります。

 1999年、ラーメン登竜門の開催を知った海老名さんは「今までの既成概念にとらわれない新しい発想発掘の場」というテーマをしり、「スパイスを使ったラーメンで勝負したら面白いのでは」と思い立ち応募したとのことです。

 優勝後、沼津のカレー店はラーメンを求めるお客様の声が多く、カレー専門店から「カレーとラーメンのお店」として生まれ変わりました。

 その後2002年には横浜市青葉区あざみ野にも店舗を構えましたが、2005年に店を閉じ、一旦あまからやの歴史は終わりました。

 それから10年が経った2015年、どうしてもあきらめきれなかった海老名さんは実家の古民家を使い、あまからやを再オープンしました。

あまからや伊豆本店

 月曜日から木曜日までは家業であるわざび農家として働き、金曜日から日曜日は4時間のみ、あまからやとして営業しております。本店は自然豊かな里山の中でひっそりと営業しておりますが、週末はあまからやのラーメンを求め県外からもお客様が訪れます。

 看板メニューの「スパイス醤油ラーメン」は、ラーメン登竜門で優勝を獲得したメニューであり、23年の歳月を経て進化しております。

 決め手となる「スパイス」は、独自にブレンドした10種類のスパイスをダシと醤油に加え、手間暇かけて「スパイス醤油ダレ」が完成します。

使用されているスパイス

 スープは鶏と昆布、魚介類の旨味を丁寧に抽出したもの。

  麺は国産小麦「ゆめちから」100%のモチモチとしてコシのある麺を使用。

国産小麦「ゆめちから」を使用したモチモチ麺

 具材は肩ロースのチャーシュー、タマネギのマリネ、生タマネギ、メンマ、煮玉子、水菜と具だくさんです。

スパイス醤油ラーメン

 スパイスの魔術師が作った、唯一無二の味わいを是非!

 次回は第6弾 岡山・笠岡「中華そば坂本」についてお話ししたいと思います。お楽しみに!

 新横浜ラーメン博物館公式HP
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文/中野正博

プロフィール
1974年生まれ。海外留学をきっかけに日本の食文化を海外に発信する仕事に就きたいと思い、1998年に新横浜ラーメン博物館に入社。日本の食文化としてのラーメンを世界に広げるべく、将来の夢は五大陸にラーメン博物館を立ち上げること。