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超薄型化のM2搭載MacBook AirにiOS 16登場! 「WWDC22」特集 第32回

【実機レビュー】M2搭載MacBook Airは「Macが欲しいすべての人」にマッチする(本田雅一)

2022年07月14日 22時00分更新

文● 本田雅一 編集●飯島恵里子/ASCII

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ファンレスシャシーにおけるM2の実力

 執筆時点で軽量なMacBookシリーズの選択肢は、すでに出荷されている13インチMacBook Pro(1万4000円高)とM1搭載MacBook Air(3万円安)、それに本機という3つがある。こうした価格の違いを考慮しつつ、どのモデルを選択するかのヒントを書き進めていこう。

 まずMacBook Proとの違いは、前述したデザイン、設計面での特徴の変化に加え、冷却ファンの非搭載がある。このため高い負荷がかかった場合、クロック周波数を一時的に落とすスロットリングという制御が介入する可能性が高い。

 すでにM2の実力は明らかになっているため、単純なベンチマークテストを実施することに、あまり意味はない。瞬発力とも言える短時間のベンチマークは、MacBook Proと変わりない値が出る。

 そこで長時間、継続的に高負荷をかけるストレステストにより、ファンありとなしの性能さを推し測ってみた。

●CPU処理でのスロットリングは「ごくわずか」
 まずCPUへの負荷テストをCinebench R23で実施した。外気温は26.8度の環境だ。M2のCPUコアは高性能コア、高効率コアがそれぞれ4個の8コア構成。Cinebench R23のマルチコアテストを行うことで、そのすべてを100%にすることができる。

 さらに「Advanced Setting」を有効にし、30分間継続的にレンダリング処理をし、最後の1回のレンダリング時に出たスコアを記録することで、冷却ファンの有無による性能低下をテストできる。

 スコアはMacBook Proの8574に対し、MacBook Airは8008というスコアとなった。割合で言えば93.5%。6.5%の性能低下にとどまった。ちなみに1ループのみのテスト結果は8463で、短時間ならばほとんど変化がないことがわかる。

 これでも十分だろうが、念のため、シングルコアモードでも計測したが、誤差程度の違いしか出なかったことも報告しておきたい。

 これほどの高いCPU負荷を継続的にすることは稀であり、CPU処理においてファンレス設計であることの不利は、ほとんど見受けられないと言っていい。

・室温の変化に敏感に反応するGPU処理のスロットリング
 一方、GPUに関してはスロットリング調整が入る余地が大きいことが、あらかじめ予想できる状況だった。M1とM2のGPUは演算ユニット数などは同様だがクロック周波数が上がっており(ベース450MHz対500MHz、ピーク1278MHz対1456MHz)、アーキテクチャ上も改良が入っている。さらにコア数が8から10に増加と、ピーク性能が大きく伸びているためだ。

 テストに使ったのはiPad用の「3Dmark WildLife」で、WildLife Extreme Stress Testを実施した。このテストは1ループ1分のゲームシーンを模した3Dアニメーションを20回繰り返し行い、ループごとにスコア化(ループ中に更新できたフレーム数)するとともに、時間経過に伴うフレームレートの変化をグラフ化できる。

室温26.8度でのテスト。段階的にスコアが低下し、6ループ目(5分後に開始)で1ループ目の81%にまでスコアが落ちた

 CPUテストの時と同じく26.8度の室温で計測すると、段階的にスコアが低下していき6ループ目(5分後に開始)で1ループ目の81%にまでスコアが落ちる。その後はほぼ80%程度で安定して20ループを走破した。

室温28.9度でのテスト。5ループ目までに約70%まで性能が低下し、その後は安定して70%のスコアを維持

 室温を28.9度に変えて同じテストをしたところ、今度は5ループ目までに約70%まで性能が低下し、こちらもその後は安定して70%のスコアを維持する。わずか2度の違いだが、自然放熱に頼る設計のため、かなり敏感なようだ。

室温32.9度でのテスト。3ループ目で70%にまで抑えられたのち、ループごとにスコア値が激しく変化

 最後に32.9度の室温で計測したが、この場合は3ループ目で70%にまで抑えられたのち、ループごとにスコア値が激しく変化する。最も低い場合で41%程度にまで下がるが、落ちたままではなく持ち直しているループもあることがわかるだろう。

 ところで、たまたま夏にテストを実施しているが、コンピュータでの作業をするような空調の効いた室内、あるいは夏以外の季節であれば、ファンレス設計の弊害はさほど気にしなくていい、というのが個人的な結論だ。

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