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シチズン×Nature モノ・家電・電気がつながる「ベンリなIoT」の未来が見えた

2021年05月25日 09時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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シチズンでRiiiverの総責任者としてプロジェクトを統括する大石正樹氏

シチズンによるIoTプラットフォームの飛躍をNatureが押し上げた

 シチズンのIoTプラットフォーム、Riiiverは今年発表から3年目を迎える。大石氏は、Natureをはじめとするパートナーとの出会いがRiiiverを大きく育んでくれたと、満足そうに笑みを浮かべる。

 Nature Remoはデザインがとてもスタイリッシュでソフトウェアが使いやすく、シチズンのエンジニアの視点から見ても開発キットの完成度が高く連携しやすかったことから、きっかけはシチズンからNatureにサービス連携を申し出るラブコールを贈ったのだという。Natureの塩出氏が直々にシチズンからの誘いに応えたことで両社のコラボレーションが始まった。

 異業種によるパートナーどうしがRiiiverというIoTプラットフォームの中で見事な化学反応を起こして、それぞれのデバイス単体では実現しなかった斬新な体験をユーザーに届けることに成功した。Nature Remoとの連携がモデルケースとなったことで、現在もRiiiver上に様々なデバイスやサービスのパートナー連携が生まれている。

 「シチズンは腕時計をつくるノウハウとIoTプラットフォームを持っている。でも、これを使うユーザーがIoTの魅力を実感できる瞬間はやはり、ふだん使っている家電をRiiiverにつないで動かせた時なのだろうと考えた。シチズンだけではできなかったことを、Natureのスマートリモコンと組むことで実現した。出会いに感謝している」と大石氏が振り返る。

Riiiverが「家の外の情報」をNature Remoに渡す、新たなiiideaも開発中

 Nature Remoはモバイルアプリによる操作だけでなく、オートメーション機能を使いこなせるようになると真価がさらによくわかるデバイスだ。例えばアプリをインストールしたスマホを持つユーザーが自宅に近づいた時、GPS情報を読み取って部屋の照明を点灯したりエアコンをオンするなど便利な機能が使える。

プラットフォームRiiiverは、IoT光発電スマートウォッチ「Eco-Drive Riiiver」だけではなくスマホアプリ「iiidea Player」でも利用できる。「ACエリアでON(温度 /湿度)」という機能をインストールすると、スマートフォンの位置情報をもとに、設定した条件に応じてNature Remoをコントロールする

 4月末にシチズンが配信を始めたiOS版「Eco-Drive Riiiver」アプリや「iiidea Player」アプリでは、「時刻と気温」「時刻と位置情報」といった具合に複数の条件を掛け合わせて家電を操作するトリガーが設定できるようになった。使い方は「家電の自動操作ができるスマートウォッチ、シチズン「Eco-Drive Riiiver」でスマートリモコン連携の新機能を試す」で詳しく解説している。

 シチズンの大石氏は、今後もユーザーの声に耳を傾けながらNature RemoとRiiiverプラットフォームの連携をさらに深めたいと語っている。いま新たに計画するアップデートの内容について少し話を聞くこともできた。

 多くの人は、スマートウォッチを家の中よりも野外で使っていることに着目したシチズンは、Nature Remoが現在単体では取得できない「屋外の情報」をRiiiverが取得して、Nature Remoによるオートメーション操作に引き渡すことで便利に使えるiiideaを開発しているそうだ。具体的に言えば、Riiiverアプリが取得できる「空気質指数」のデータをトリガーにして、Natureを介して宅内の空気清浄機を稼働させるといった使い方が可能になる。「家の中と外の間にまたがる垣根をRiiiverが壊していきたい」と大石氏は意気込む。空気質指数の他にも色々な情報をトリガーとして使えるようなアイデアも引き続き検討しているそうだ。

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