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超重量級のサイバーパンク2077、最高画質は18万円台のゲーミングPCでどれだけ遊べる?RTX 3070搭載“PG-EQ”で検証

文● 高橋佑司 編集● ASCII

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サイバーパンク2077の最高設定は“ギリギリ”イケる?

 それではいよいよ、「サイバーパンク2077」でのパフォーマンスを検証してみたい。前述のとおり、本作はレイトレーシング対応のゲームであるため、最も描画負荷が高まるのはこれを有効にした際であるが、まずはレイトレーシング「なし」の設定で、どれくらいのフレームレートになるのか検証してみよう。

レイトレーシングをオンにすると、鏡面の反射などがよりリアルに描画できる。レイトレーシングあり(左)となし(右)を見比べると、中央の水たまりに映った像の鮮明さに差があるのが分かるだろう

 グラフィックのクイックプリセット「ウルトラ」、通行人の密度は最大とし、NPCが密集しやすい「リトルチャイナ」のマップを一定のルートで周回した際のフレームレートを、CapFrameXを使って計測した。なお、本作は通行人の往来状況などによって負荷も変わってくるため、今回は5回計測したうちの平均値をとっている。

 サイバーパンク2077はかなり描画負荷の高いゲームだけあって、レイトレーシングなしでも負荷はそれなりに高い。RTX 3070を搭載したPG-EQでも、フルHD解像度で平均67fpsといったところ。とはいえ、基本的に1人プレイのゲームなので、60fpsもあれば十分に快適といえる。平均値ならしっかりとこの値を超えており、WQHDでも近い値につけている。

 なお、本作はAIを活用したNVIDIAのフレームレート向上技術、“DLSS”に対応しており、同社製のGPUを使用していれば、高負荷時のフレームレート向上が見込める。ただ、レイトレーシングなしの設定では、どの解像度でもあまり大きな変化が見受けられなかったので、ここでは省略してある。

 それでは、いよいよ本題となるレイトレーシングありでのフレームレートを見ていきたい。グラフィックのクイックプリセット「レイトレーシング:ウルトラ」に設定し、その他の設定は上記と同じ。ただ、DLSSの設定は、レイトレーシング:ウルトラを選択すると自動で有効化されるため、上3つのデータは手動でオフにしている。

 DLSS有効時のパフォーマンスの変化も検証したかったので、下3つのデータはDLSSを有効化し、設定を「パフォーマンス」にして計測した。ちなみに本作では、同じレイトレーシングでも「陰影は描画するが反射は描画しない」といったように、どの処理にレイトレーシングを活用するのか細かく設定できるが、検証時はすべての処理でレイトレーシングオンに設定している。

 さすがに負荷が高く、DLSSなしではフルHDでも快適とはいいがたい。4Kに至ってはまともに操作することも困難だ。とはいえ、これは予想の範疇。注目すべきはDLSS有効時のフレームレートだ。

 DLSSによってフレームレートが大幅に向上し、先ほどのレイトレーシングオフ時に近いfpsを発揮している。フルHDの平均値であれば目安となる60fpsを超えており、99パーセンタイル値でも、操作困難に陥るほどフレームレートが落ち込むわけではない。

 ヌルヌル動く快適動作での安定を求めるならなかなか厳しいところであるが、多少不安定さに目をつむれば、Core i7-10700+RTX 3070構成のPG-EQでも本作の美しいグラフィックを楽しみながら遊ぶことはできると言ってよさそうだ。

価格を抑えて重量級もある程度プレイ可能
バランス重視の人はねらい目

 サイバーパンク2077は近年でも屈指の重量級タイトルだけあって、RTX 3070を搭載したPG-EQでも、グラフィック設定を最高品質にした場合では常に高いフレームレートを維持するのは難しそうだ。

 しかし、DLSSを使用することで、レイトレーシングを有効化した最高画質設定でも、平均なら60fpsを達成できるレベルであることは分かった。場面によって多少のフレームレートの落ち込みはあるかもしれないが、18万円台のPG-EQでもプレイは可能だろう。

 ただ、DLSSはNVIDIA製のGPUでなければ使用できないため、レイトレーシングで遊ぶには実質GeForce一択といえる。NVIDIAでは、1月のCES2021で「GeForce RTX 3060」を発表するなど、ミドルクラスのラインアップを拡充している様子が見られるが、今回の結果をみると、サイバーパンク2077を最高画質で遊ぶならRTX 3070あたりまでが“ギリギリいける”ラインといった感じだ。新GPUでもこれより下のクラスでは厳しいだろう。

 その点では、PG-EQのスペックはしっかりと価格とパフォーマンスのバランスが取れた製品といえる。「これより上のスペックには手が出せないが、パフォーマンスにもある程度妥協したくない」というニーズに応えてくれる製品と言えそうだ。

 今後サイバーパンク2077のような重量級のタイトルが出てきた際も、快適さの境界線となるのがこの辺りのスペックではないだろうか。コスパでゲーミングPCを選ぶ人には、ぜひチェックしてもらいたい製品だ。

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