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フルコア5.1GHzなら常用可能!?

起動だけなら5.4GHzも夢じゃない!? 「G-Master Spear Z390-Taichi KS II」でCore i9-9900KSのOCに挑戦してみた

2020年01月25日 13時00分更新

文● 宮里圭介 編集● ASCII

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いざ、OCチャレンジ!……の前に、本体の特徴をおさらい

 実際にOCを試す前に、本体の特徴をチェックしておこう。ケースはCoolerMasterの「CM694」をベースに、サイコム向けにカスタマイズされた仕様のものを採用。

 このケースはメッシュを多用した通気性重視のケースで、フロントと天面のほぼ全域がメッシュ化されている。空気の流れを阻害する要素が少ないため、ケース内温度が上昇せず、高速なCPUやビデオカードを搭載しても安定した動作が期待できるのがメリットだ。

天面からガラスのサイドパネルやファンが透けて見えることからもわかる通り、ほぼ全域がメッシュ。通気性の面で頼もしい

 ケース内には、ストレージを内蔵できる多数の拡張ベイが用意されており、HDDを複数台入れて、家中のファイルを一元管理することも簡単だ。5インチベイ×2、3.5インチベイ×6、さらに背面に2.5インチベイ×2を装備している。

ケース内部は裏配線が多用され、不要なケーブルが見えずエアフローも良好。ベイはフロント部分に集中して配置されている

マザーボードの裏側となる右側面は、2.5インチベイが2つ用意されている。なお、裏配線を多用するサイコムの組み立ては、単にケーブルを見えない場所へと押し込むのではなく、キレイに束ねて配線しているというのがうれしい

 ユニークなのが、ビデオカードを支えるアーム「グラフィックスカード スタビライザー」が標準装備されていること。高速なビデオカードはサイズが大きいだけでなく重量も重たくなるため、自重でカード本体やマザーボードのスロットへダメージを与えがち。これを軽減できるだけに、ありがたい機能だ。

重たい高速なビデオカードを使う場合に重宝する「グラフィックスカード スタビライザー」。自重によるカードの歪み、マザーボードへのダメージを軽減してくれる

 Core i9-9900KSの安定動作はもちろんだが、OCする際のキモとなるパーツがCPUクーラー。「G-Master Spear Z390-Taichi KS II」では標準で「Corsair H100i PRO RGB」を採用。240mmの大型ラジエーターを採用した簡易水冷クーラーで、PCからポンプやファンの動作カスタマイズなどにも対応する、多機能なモデルだ。ラジエーターは天面に装備し、熱を外へ直接排出できる配置となっている。

240mmのラジエーターを天面に配置。空冷と違って熱がケース内に拡散せず、直接ケース外へと排出できるというメリットがある

こちらは天面カバーを外したところで、ラジエーターに装着された2つのファンが見える

OCの設定はASRockやCorsairのツールで簡易的に変更

 では、OCにチャレンジしていこう。OC設定を試す方法はいくつかある。UEFIで直接設定するのは汎用性があり、メーカーの異なるマザーボードでも応用できるのだが、設定を変更するたびに再起動が必要だというのが少々ネックとなる。

UEFI設定を開いてみたところ。OC設定を試す場合、右上の「Advanced Mode」に切り替えてから、変更したい項目を選ぶことになる。なお、この画面を出すには毎回再起動が必要となる

 そこで今回試したのは、マザーボードメーカーが用意しているツールを使う方法だ。Windows上から設定を変更できるうえ、再起動せずに結果を反映できることも多く、手軽に設定を詰めていけるのがメリットだ。

 「G-Master Spear Z390-Taichi KS II」ではASRockの「Z390 Taichi」が採用されているので、このマザーボードに対応するツールとなる「A-Tuning」を使用した。

ASRockが提供している設定ツールの「A-Tuning」。CPUの倍率や電源周りの設定を手軽に変更できる。「Apply」ボタンを押すと即反映され、再起動することなく設定を詰めていける

 もうひとつ重要なのが、水冷クーラーに対応したツール「CORSAIR LINK」だ。CPUやマザーボード、クーラーの温度やファン回転数が細かく表示できるだけでなく、ファンやポンプの回転数も設定できるのが便利なところ。今回はOCに挑戦ということで、ファン回転数は「Max」、ポンプは「Performance」へと変更して実験している。

マザーボードやCPUの温度までチェックできる「CORSAIR LINK」。ビデオカードが「GeForce GT 710」となっているが、これはOC実験中にパーツをとっかえひっかえしていたため。テスト機本来の構成であれば、「GeForce RTX 2080Ti」となる

ファンの回転速度は「Max」に設定。ファンは2つあるので、両方ともMaxへと変更してから試している

ポンプのモードは「Performance」に変更。回転数が上がり、水枕に流れる水量が多くなるぶん、冷却性能が高くなる

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