サイバーセキュリティの見方が多種多様
選考委員に感想を聞くと、サイボウズ明尾氏の「応募がたくさんあったことに驚いた」というコメントをはじめとする、応募数への言及が多かった。笹尾氏も「最初にお題を聞いたときは、数が集まらないんじゃないかと心配した」と話していたが、サイバーセキュリティは専門用語も多く、技術的な背景を知らなければ齟齬なく書くのが難しい。端的に言ってしまえばハードルの高いコンテストであり、選考委員も重々承知している。
その中で最終選考に残った作品は、高いハードルを見事に越えた作品もあり、文月氏は「最終選考の作品の中に、サイバーセキュリティについてこちらの意図を組んだ作品があり、すごくありがたく思います」とコメント。日立システムズの本川氏も「キャッチアップするためにみなさんいろいろなことを調べてくれて、見て学んだことが小説に反映されているのが見受けられて、すごくうれしかった」とした。
日本マイクロソフトの藤本氏は「中高生の方々にこういう小説を読んでいただいて、興味を持ってもらうことに我々も積極的に努力していきたいと思っている」とこれからを見据えていた。
赤野氏は小説のレベルの高さを称賛しながら「最終選考に残った作品の毛色が違うことが印象的。サイバーセキュリティの見方がこれだけ多種多様で、人それぞれあるとわかったことがコンテストの意義、さらには啓もうにつながったのではと強く感じた」と述べ、選考会は終了した。