Crucialといえば、高性能かつコストパフォーマンスの高いSSDで知られている。2014年6月に登場した「Crucial MX100」は、競合製品よりも数段安い価格を実現したことで大ヒットとなったことは、まだ記憶に新しい。Crucial MX100の登場によって、SSDの低価格化は一層加速されたのだ。
Crucialは、大手NANDフラッシュメーカーであるMicronのSSDブランドであり、自社のNANDフラッシュの性能を最大限に引き出す設計となっていることが魅力だ。
今回、レビューする「Crucial BX100」は、Crucial MX100の兄弟機となる新製品であり、Crucial MX100と同様、コストパフォーマンスが高いことがウリだ。なお、上位モデルの「Crucial MX200」も同時に発表されている。
Crucial BX100は、メインストリーム向けSSDであり、HDDの代替として使われることが想定されている。ストレージの信頼性は、平均故障間隔(MTBF)で表されるが、一般的なHDDのMTBFは60万時間であるのに対し、Crucial BX100は150万時間であり、2.5倍も長い。
CrucialブランドのSSDで初めて
Silicon Motion製コントローラーを採用
Crucial BX100は、2.5インチフォームファクターのシリアルATA 6Gbps対応SSDであり、厚さは7mmである。2.5インチHDDでは、厚さ9.5mmの製品が多いが、厚さを9.5mmにするためのアダプターも付属している。
Crucial BX100は、120GB/250GB/500GB/1TBの4モデルが用意されている。SSDの性能を左右する重要な3要素が、NANDフラッシュ、コントローラー、ファームウェアである。
CrucialブランドのSSDはこれまで、Marvell製のコントローラーを採用してきたが、Crucial BX100では、初めてSilicon Motion製コントローラー「SM2246EN」を採用している。SM2246ENは、消費電力が低く、コストパフォーマンスが高いことが特徴だ。
さらにファームウェアがCrucialによってチューニングされたカスタムファームウェアとなっており、高い性能と信頼性を実現している。もちろん、NANDフラッシュは、Micron製であり、最新の16nmプロセスで製造されたMLC NANDフラッシュを採用している。
シーケンシャルリード速度は
全モデルで最大535MB/s
公称スペックを見ていこう。Crucial BX100のシーケンシャルリード速度は、全モデルで最大535MB/s、シーケンシャルライト速度は容量によって異なり、1TBモデルと500GBモデルが最大450MB/s、250GBモデルが370MB/s、120GBモデルが185MB/sとなっている。
また、4KBランダムリードは、1TBモデルと500GBモデルが9万IOPS、250GBモデルと120GBモデルが8万7000IOPSであり、4KBランダムライトは、1TB/500GB/250GBモデルが7万IOPS、120GBモデルが4万3000IOPSである。メインストリーム向けSSDとしては十分なスペックといえるだろう。
耐久性を表す書き換え可能容量(TBW)は72TBであり、1日あたり40GBの書き込みをした場合、5年間に相当する。保証期間は3年間であり、こちらもメインストリーム向けSSDとしては満足できる。
Crucial BX100スペック表 | |||||
---|---|---|---|---|---|
容量 | 120GB | 250GB | 500GB | 1TB | |
コントローラー | Silicon Motion「SM2246EN」 | ||||
最大シーケンシャルリード | 535MB/s | ||||
最大シーケンシャルライト | 185MB/s | 370MB/s | 450MB/s | ||
最大ランダムリード | 8万7000IOPS | 9万IOPS | |||
最大ランダムライト | 4万3000IOPS | 7万IOPS | |||
書き換え可能容量(TBW) | 72TB | ||||
平均故障間隔(MTBF) | 150万時間 | ||||
保証期間 | 3年間 | ||||
メーカー想定売価(税抜) | 8500円前後 | 1万3500円前後 | 2万4000円前後 | 4万8000円前後 |
(→次ページヘ続く 「シーケンシャルリード/ライトが大幅に高速化」)
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