熾烈な電話攻勢や勧誘が繰り広げられている
激しい競争の最中にある配車サービス・アプリ市場では、現在Uberがリードしている。オンデマンド・配車サービスを提供するUberは、資金集め、パートナー数、サービス提供地域において、Lyftを含めたどの競合他社よりも優位に立っているのだ。
しかしThe Vergeの先週の記事によると、Uberは市場を独占するために論議を呼ぶやり方でドライバーを勧誘しているという。勧誘のためだけに人を雇ってさえいるというのだ。
両社が敵対しているのは明らかである。Lyftの配車サービスを依頼してはキャンセルする、という行為を5000回以上も行いサービスを妨害したとして、LyftはUberを非難している(Uber側はLyftも同様の妨害行為を行ったと反論している)。
UberによってLyftのドライバーを引き抜くために行われたキャンペーンは、「Operation Slog(強行軍)」と呼ばれている。リクルーターには携帯電話とクレジットカードを与え、Lyftの偽アカウント作らせるのだ。The Vergeの報告によると、Uberはリクルーターに交渉術を教え込み、ドライバーの獲得をより確実なものにしようとした。Operation Slogに関わったUberの従業員は、Lyftのドライバーの引き抜きに成功した場合、最高で750ドルの報酬を受け取ったとされている。
勧誘文句の中には、Uberで働くと「金持ちの顧客」が付くと約束しているものもある。
Uberは、乗客とドライバーのマッチングには最新のシステムを使用していると語っている。しかしThe Vergeによれば、Lyftのような競合会社に戦いを仕掛けるときに、UberはWufoo formsやGroupMeを使っているようだ。
ドライバーと話せ
The Vergeによると、Uberは公開質問への回答を後回しにし、自社のブログを更新したということだ。投稿された記事では、Operation Slogは「マーケティング・プログラム」と記され、ドライバーやリクルーターの勧誘広告ともいえる内容だった。 Uberは配車依頼をキャンセルしたことについては否定している:
ドライバーと話さないことには、彼らを勧誘することはできません。つまり車に乗る必要があるのです。我々はドライバーによりよい経済的条件を提示するだけです。ドライバーの生活をおびやかすようなマーケティング戦術、例えば、わざと配車依頼をキャンセルする、といった手段を使ったことはありません。
これまでも他社からドライバーを強引に引き抜いたとしてUberは非難されている。過去にはオンデマンド・配車サービスGettをターゲットとし、配車を依頼してキャンセルしたのち、ドライバーを勧誘するテキストメッセージを送っていた。その際にUberは「かなり強引なセールス戦術だった」と認め、やめることを約束した。
Lyftの件に関しては、配車オーダーのキャンセル行為は、ドライバーに迷惑をかける意図はなかったようだ。むしろUberのリクルーターは、ドライバーに不信感を抱かせないように、既に勧誘済みのドライバーはターゲットにしないよう忠告されていた。そういったドライバーがUberのリクルーターを迎えに来たことが分かると、オーダーをキャンセルする。彼らが何度も勧誘にあっているとLyft本社に報告するのを避けるためだ。
The Vergeの記事によって、Uber利用者が別のサービスを利用するケースも出てきたようだ。
These sleazy @uber tactics are making me feel dirty about recommending the company in the past. Sorry for that. Will try @lyft next.
— DHH @dhh Aug 27, 2014
DHH:「このようなたちの悪い@uberのやり口を聞くと、過去にこの会社を薦めた自分に腹が立つ。申し訳ない。次は@lyftを試してみることにする」
トップ画像提供(Uber CEO Travis Kalanick):Silicon Prairie News
Selena Larson
[原文]
※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら