ITリサーチ&アドバイザリ企業のガートナージャパンは23~25日の3日間、東京都港区の東京コンファレンスセンター・品川を会場として「ITインフラストラクチャ&データセンター サミット2014」を開催している。
「デジタル時代への飛翔 ~ あらためて問う『過去、現在、未来』」と題した今回は、「サーバ、メインフレーム」や「ストレージ」、「ITオペレーション(運用管理)」、「モバイル」、「クラウドコンピューティング」、「データセンター」、「仮想化」、「ビッグデータ」、「モノのインターネット(IoT)」などといった分野でサミットを展開する。
同サミットの開催に先立ち、同社は「2014年以降の日本企業のITインフラストラクチャの将来に向けた展望」を発表している。このなかで、企業がビッグデータ・プロジェクトを推進していくにあたり、「データと分析手法をいかに成果に結び付けるか」が最大のハードルになっている点を指摘。ビジネスや業務部門の活動と密接に関連していることから、情報システム部門(情シス)にとって対処が難しいテーマの1つになっているという。
2013年8月にガートナーが実施したユーザー調査では、企業のITインフラ担当組織の7割が従来の責任範囲内にとどまることなくビッグデータに向けた活動をリードすべきであると回答し、6割がそのためにインフラ組織の役割の見直しを進めるべきであると回答。しかし、ビジネスの現場を担う業務部門の多くは、これまでと同じビジネスの枠組みの中で改善を続けようとしているのが実態だという。情シスには業務部門との対話を中核とした新たな役割が求められているのだ。
同調査で日本のITインフラストラクチャ組織に自らの役割について質問したところ、35.9%が「システムの企画・構築・運用であり、業務部門の下請け的な役割である(下請け)」と回答。しかし一方では、「主な役割はシステムの企画・構築・運用であるが、ビジネスの成長のために、業務部門を時にリードしている(ビジネス・リーダー)」が25.6%、「社内サービス・プロバイダーであり、イノベーターである(プロバイダーおよびイノベーター)」が25.4%、「システムの企画とベンダー・マネジメントである」が12.2%にのぼった。5年後のイメージを尋ねると「ビジネス・リーダー」が38.1%でトップとなっている。
ビッグデータを含めた企業のITインフラのあり方やビジネスへの活用法と、それを実現するための情シスの新たな役割について、企業の他部門との間に認識のズレがあり、そこに情シスはジレンマを感じているのかもしれない。なお、ガートナージャパンは5月には、22~23日に東京コンファレンスセンター・品川で「ビジネス・インテリジェンス&情報活用 サミット2014」の開催も予定している。