モバイル決済サービスの米スクエア社は5月23日、日本でサービスを開始した。同社が提供する「Square」は、専用の端末をスマートフォンやタブレットに装着し、アプリをインストールするだけでクレジットカード決済を実現する事業者向けのサービスだ。
国内ではすでに「PayPal Here」や「Coiney」、「楽天スマートペイ」といった同様のサービスが展開されているが、後追いのスクエアは3.25%という手数料が魅力。PayPal Hereは5%、Coineyは4%、楽天スマートペイは4.9%に設定されており、Squareがもっとも低い。CEOのジャック・ドーシー氏は「一番乗りが重要なのではない。一番いいものを提供するのが重要だ」という。また海外展開の最初の国として日本を選んだ理由は「日本の経済力と市場規模、成熟度」とも語った。
三井住友カード代表取締役の島田秀男氏も記者会見に同席し、スクエアとの業務提携を発表。1000万ドルをスクエアに出資して、今後の新しい商品やサービスを共同で日本展開する。電子マネーへの進出にも含みを持たせており、今後の動向にも注目だ。
スクエア決済の手順
準備段階から日本で試験導入している店舗もSquareに好意的だという。
イベント会場などに出店する機会が多いカフェの店長は「従来のPOSレジに比べて、iPhoneやiPadをいじっている感覚で操作できるので店員が操作を覚えるのが簡単」。
美術品を扱うギャラリーのオーナーは「ニューヨークで個展を開いたとき、カード決済ができないとの理由で顧客を逃して悔しい思いをした。しかし、カード決済を導入するにも初期費用と手数料の高さで二の足を踏んでいた」と、Square導入の理由を教えてくれた。