あらゆる点で死角なしの優秀さを誇る最強モデル
「DMR-BWT3100」
ここからはDIGA最上位モデル「DMR-BWT3100」について詳しく見ていこう。サイズは幅430×奥行き239×高さ68mmと見た目はコンパクト。「DMR-BWT2100」などの下位モデルと比較しても奥行きがわずかに長い程度で、他社のBDレコと比べれば十分に薄く小型な本体だ。
困ったことに、本機も前回紹介したソニー「BDZ」同様、トレイ開閉ボタンはドライブと反対の右端の上部にある。ディスクを取り出すつもりが、間違えて電源オフにしてしまったことが何度かあった。
DIGAシリーズは基本的には似通ったデザインだが、本機のみ天板にアクリルの飾り板が備えられている。脚部にもセラミック製のインシュレーターが使われている。これは見た目だけでなく、振動対策を行なう高音質化のためのパーツだ。
リモコンを含め、簡単に使えることを重視した作りとなっているが、機能を比べていくと実は他社の高機能なイメージのある機種にもまったく引けをとらず、実はそれ以上に高機能だったりするのがDIGAの凄いところだ。
重要度の高い機能などが積極的に盛り込まれており、初心者向けイメージがあるのにヘビーなマニアが使っても応える実力がある。弱点らしい弱点がまったくなく、結果的に総合力では最も優秀と感じさせられる。
画質・音質関連では、アニメ作品に適した画質の「アニメモード」に新機能が加わった。ソフトの制作年代などから、アナログ時代の480i/pとデジタル時代の720i/pを選択することで、精細感や輪郭の乱れの処理をそれぞれ最適に処理してくれるものだ。
また、HDD(の回転)など音質に影響のある振動やノイズの元となるデバイスを停止する「シアターモード」も、従来は設定メニューで「入/切」を選択していたが、本機ではBDソフトなどの再生時に「入/切」を選択できるようになった。これにより、予約時間に重なりそうなタイミングでの再生でも、わざわざ設定メニューを開かなくていいようになったのがうれしい。
そして、DMR-BWT3100には「新リアルクロマプロセッサPlus」など、本機だけの高画質回路がある。アドバンスト設定で独自の高画質回路の効果を微調整できる。
切り替えによる効果が分かりやすいのは「超解像アップコンバート」だが、いろいろと調べてみたところ、ハイビジョン解像度ではほとんど効果がないようで、DVDなどのSD画質専用と考えていい。
つまり、DVD再生で一度設定したら、そのままにしておいてもハイビジョン画質の映像が強調されすぎてしまうことがないわけだ。ちなみにDVD再生の場合は「1」が精細感のバランスがいい。「2」ではディテールを強調しすぎて、ノイズまでが目立ちやすい印象だ。
BDソフトなどを見た印象は、ことさらに精細感を強調する画質ではなく、低ノイズですっきりと見やすいので、無難にまとめた印象を感じる。しかし、実はディテールの再現性がしっかりとしており、特に色の再現が緻密だ。色の濃淡の変化がよく描かれるので結果として情報量豊かな映像になっている。BDレコとしての画作りの熟成度の高さを感じさせる味わい深い映像だ。
音質面は、通常の使い方だと明瞭さなどはしっかりしているが、少々真面目で大人しい音色となる。しかしシアターモードをオンにすると、微小音までもしっかりと再現され、HDMI出力の映像と音声を独立出力すると、さらに鮮明になってくる。
低域の伸びが少々タイトながら、どんどん最低域まで伸びるようになる。シアターユースで本機を使うなら、少々使い勝手が犠牲になるとしても、「シアターモード」とHDMIの映像/音声独立出力を使いたい。
◆
DMR-BWT3100は3D対応モデルとしても2号機で、12.5倍の長時間録画やBDXLといった新機能はあるものの、少々インパクトの少ないマイナーチェンジモデルと感じていた。
しかし、その細かな改善がむしろ実に細かい部分まで行き届いており、弱点のないDIGAの美点をますます完璧に近いものにしている。華やかさこそないが、使ってみると最強モデルと評した実力を分かっていただけると思う。
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