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ASP/SaaS

2010年12月08日 11時00分更新

文●水野良昭/オンラインデスクトップ

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 ASP(Application Service Provider)/SaaS(Software as a Service)は、どちらもWeb上でアプリケーションソフトを提供するサービスを意味します。ASPもSaaSも、インターネット上のサーバーにソフトウェアのプログラムが置かれていて、インターネット回線を利用してWebブラウザー経由で利用できる仕組みです。

ASP/SaaSの用途とアプリケーションの種類

 具体的なASP/SaaSのサービスの例としては、「Gmail」や「Yahoo!メール」のようなWebメールサービス、ウイルスチェックサービス、メルマガ配信サービスなどがあります。また、複数のユーザーで情報を共有できるASP/SaaSのサービスとして、ブログやSNS、グループウェア、CRM(顧客管理システム)などが挙げられます。

 このほかに、資料請求や注文、予約などの汎用的に使える仕組みを、Webサイトの一部に組み込んでレンタル利用できるサービスもあります。また、ブラウザー上からWebサイトの作成や更新ができるシステム(CMS:Content Managemet System)をASP/SaaSとして提供するサービスもあります。

 これらのASP/SaaSの中には、本サイトのデザインと統一感を持たせられるサービスもあり、ユーザーに対してASP/SaaSであることをほとんど意識させずに利用できる場合もあります。

 有名なASP/SaaSとしては、米セールスフォース・ドットコムの「Salesforce CRM」という顧客管理システムがあります。Salesforce CRMを利用すると、過去の商談履歴も含めて営業情報をグローバルに共有できるようになります。また、営業担当の管理者が売上情報を自動的にグラフ化して閲覧できる機能などもあります。

ASP/SaaS利用の注意点とメリット・デメリット

 ASP/SaaSを利用したりクライアントに提案したりするときには、ASP/SaaSを提供する会社のヘルプ機能やドキュメントの充実、サポート体制、サーバー運用管理体制、情報セキュリティ対策などを必ず確認しましょう。また、ASP/SaaSを使うことは、他社が提供しているサービスに依存することになるので、何らかの原因でサーバーが停止する可能性があることをクライアントに説明しておく必要があります。

 ASP/SaaSは、すでに複数の企業が利用している汎用的なサービスをそのまますぐに、比較的安価に利用できる点が大きなメリットです。設計、構築に時間がかかり、多大な投資が必要なスクラッチ開発に比べて、ASP/SaaSであればすぐに利用を開始でき、使ってみて気に入らなければ月単位や年単位で解約できます。

 一方デメリットとしては、業務に即した形にカスタマイズできなかったり、カスタマイズ費用が非常に高価だったりする点です。また一般的に、既存システムとの自動連携は難しいとされています。

著者:水野良昭

JWDA(一般社団法人日本ウェブデザイナーズ協会)理事。1968年東京都生まれ。商社7年勤務後、シリコンバレーに渡米。帰国後、自治体WEBサイトを構築。その後ISPにてグループウェアASP商品化。第13回 KSPベンチャー・ビジネススクール 準優秀賞受賞。同ビジネスプランにて、オンラインデスクトップ株式会社を設立。

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