デジタルミュージックプレーヤー+スピーカーがトレンド
手軽にCDやFM/AMラジオ、ポータブルオーディオを楽しむアイテムとして、誰もが当たり前のようにミニコンポやラジカセを所有していた時代から幾星霜……。今、手軽なミュージックシステムの主流は、パソコンとiPodやウォークマンのようなデジタルミュージックプレーヤーというスタイルになった。
そこで注目を浴びるようになってきたのが、パソコンやiPod、ウォークマンと接続する小型スピーカー。AV性能にこだわった大画面ノートPCやデスクトップPCならばともかく、モバイル性能を重視したノートPCの内蔵スピーカーの実力は音楽鑑賞には力不足であり、室内での音楽鑑賞用にスピーカーやヘッドホンを使っている人は多いはず。比較的リーズナブルな価格の製品が多いこともあり、好みの音色のブランドやモデルを選んで音楽を楽しむというオーディオ的な楽しみもある。
そんな小型スピーカーにちょっと面白い製品が現れた。それがバッファローコクヨサプライの「BSSP10」。コンパクトなスピーカーとデジタルアンプを組み合わせたもので、MP3などの圧縮音楽データを原音に近い音質に復元する「BBEテクノロジー」を搭載。 BBEは、アメリカのプロ用機器の製造/販売などを行なうBBE Sound社の技術を採用したもの。MP3などのデジタル圧縮技術を使った音楽ソースにありがちな、高域の位相の遅れ、高域成分の欠落などによる音質劣化を回復し、より原音に近い音を再現する技術だ。
さらに低音域、高音域の特性を可変する機能(「MACH 3 BASS」「LO CONTOUR」「PROCESS」)も備えている。スピーカーやアンプを追加して音質をグレードアップできるだけでなく、好みの音質へのチューニングもできるというわけだ。
スピーカーは幅80×奥行き130×高さ123mmのコンパクトサイズで、デスクトップPCやノートPCとの組み合わせにちょうどいいサイズ。エンクロージャーは木製で、ユニットは直径66mmのフルレンジだ。形状もスタンダードな箱形で、サイズこそコンパクトだが、オーソドックスなオーディオコンポの雰囲気がある。
組み合わせるBBEアンプには、電源スイッチやボリューム、ヘッドホン端子のほか、BBEボタンをはじめとする4つのスイッチと、2つのツマミがある。これらは音量調整に使うものだ。
背面の入力端子は、ステレオ入力端子(RCA)が1系統。また、スピーカーとの接続は一般的なスピーカーとの接続も可能な汎用端子になっている。そのため、セットのスピーカーだけでなく、別のスピーカーへ交換して組み合わせることも可能だ(推奨スピーカーは8Ω10W以上)。
内蔵アンプは、デュアルBTL構成のクラスDアンプで、出力は10W+10Wとなっている。実売価格1万円前後のスピーカーシステムとしては標準的な内容となっている。
今回は仕事用のデスクトップPCに組み合わせているスピーカーシステムを一時取り外し、そこにBSSP10を接続。スピーカーは、防振ゴムと木製ブロックを組み合わせた置き台に乗せている。BBEアンプユニットがあるので、スピーカーのほかにアンプ部を置くスペースを確保する必要はあるが、幅150×奥行き150×高さ40mmとそれほど大きくはないので、置き場所に困ることはないだろう。
付属のスピーカーケーブルも十分に長いので、奥の方にしまっておきたい気もするが、電源のオン/オフや肝心の音質調整は前面パネルで行なうので、PCの横など、手の届くところに置いておきたい。