三菱の「REALブルーレイ」は、パナソニックやソニー、シャープと比べると、シェアや知名度では劣るものの、独自に工夫された操作や録画・再生の便利機能の充実など、かなり独自性の強いモデルとなっている。特に初心者でも手軽に使えることを重視した簡単操作は見逃せないところ。
BDレコーダー特集でも他社比較という形で紹介したが、今回は最新の「DVR-BZ330」について、その初心者に優しい使い勝手の数々をもう少し掘り下げてレポートしたい。
懐に優しい価格設定
REALブルーレイは、BDドライブやMPEG-4 AVCエンコーダーといった基幹パーツを他社から供給を受け、そこに自社オリジナルの操作メニューや独自機能を盛り込む形で製品化している。初代機や2世代機は機能的にも十分でコストパフォーマンスは高かったものの、独自の魅力はやや乏しいものだったが、今年の春に登場した「DVR-BZ130」でその印象を大きく変えてきた。
最新モデルの「DVR-BZ230」、「DVR-BZ330」も基本的には「DVR-BZ130」をベースにHDDの容量アップや最上位機だけの新機能の追加などを行なったもので、基本的な録画・再生の機能などは共通。それぞれの細かな機能や装備の違いは、下記の表を参考にしてほしい。
REALブルーレイシリーズのスペック比較
注目したいのは全ラインナップがダブルチューナー搭載で、ダブル録画が行なえること。本編とCM部分を自動で分割する「オートカットi」もダブル録画の両方で行なえる。DVR-BZ130の実売価格は7万円台で、現行のダブルチューナーモデルでは最安と言える。SDメモリーカードスロットやUSB端子も全モデルが備え、デジカメやHDビデオカメラとのダビングなどもできるなど、基本性能が充実し、コストパフォーマンスが極めて高いことが大きな特徴だ。
最上位モデルでは、i.LINK端子などの装備の充実に加えて、超解像技術「DIAMOND HD」や「アクトビラビデオ・フル/ダウンロード」対応などの先進的な機能が盛り込まれている。
一方で、実売15万円前後という価格は他社のBDレコーダーの最上位モデルと比較すると格安だろう。そのためか、潔いほど割り切っているのが、最近のレコーダーに盛り込まれる「ネットワーク機能」。DLNA対応によるサーバー機能には全モデルが非対応で、DVR-BZ330以外はLAN端子さえ装備していない。このあたりからも、REALブルーレイが先進的な機能に関心の高いマニア層ではなく、快適にテレビ録画・再生を楽しみたい一般的なユーザーをターゲットとしていることがわかる。
本体は高さが58mmとかなり薄型。背面の装備を見ても、本機ならばライバルと比べてあまり見劣りはしない。起動時間は、高速起動オフで12秒26、高速起動オンで10秒25。高速起動オンの差があまり感じられないが、そもそも高速起動オフで10秒前半という値はなかなか優秀。ただし、BD再生はやや遅めで、再生がスタートするまでは48秒29と1分近くかかってしまった。