デジタル化以前のカメラ文化の華といえば、プリントした写真を1枚1枚貼り付けたお手製の作品集「アルバム」であった。紙のアルバムは、家族や友人と思い出を語り合うコミュニケーションツールとして、中心的な役割を果たしていたのだ。
またアルバムは、撮影者にとっては晴れ舞台であった。写真のレイアウトはもちろん、1枚1枚の写真にラベルを付ける……などなど、写真の見せ方へのこだわりを炸裂させるツールとして存在していたのだ。
ところが昨今はカメラも完全にデジタルに置き換わり、「とりあえずPCの画面で見られればいいや」という投げやりな(?)写真鑑賞スタイルが定着しつつある。かつてのアルバムが、どうにも「軽い」存在に成り下がっているのは悲しい限り。
家族で気軽に共有できる思い出の価値は!? セピアに色あせるからこそ美しく残るあの瞬間の輝きは? いったいどうなってしまうんだよぅ……。
とまぁ、時流に取り残された頑固ジジイの戯れ言のようになってしまったが、せっかく撮った写真を撮りっぱなしにしてHDDに塩漬けしておくのはもったいない! ということで活用したいのが、写真管理ソフト「iPhoto '09」の「ブック」機能だ。
iPhotoで作ったブック 実物はコレだ!
なぜ、紙のアルバム作成にiPhotoが必要なのか──。それは、きれいなレイアウトがものすごく手軽に作れるうえ、印刷までiPhotoから発注できてしまうからだ。
iPhotoでは紙のアルバムのことを「ブック」と呼んでいる。細かい話はあとに回して、まずは実際に作ったそのブックを見てほしい。
こうした紙のアルバムが、MacのiPhotoからダイレクトに注文できるのだ。いちいちファイルをCD-Rに書き込んで写真販売店などに持ち込んだりしなくても、普段使っている写真管理ソフトからさくっと頼めるので、忙しい現代人にピッタリだろう。
次ページでは、アップルが得意とするデザイン面をチェックしてみよう。
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