合理的なインク設計で高速&高画質を実現
インクは全色顔料系なので、文書印刷の品質は極めて良好だ。
黒文字印刷に最適な顔料系黒インクを採用しており、普通紙での黒文字品質は極めて良好。濃度がレーザープリンター並みに高く、飛び散りもほとんど見られない。輪郭もシャープで、細かい部分まで形状を正確に再現している。専用紙に印刷した写真の画質も、高いコントラストと優れた階調性を実現。染料系4色インクと最高解像度9600×2400dpi、1plの最小インク滴量により、フォトモデルかと思うほどの写真画質を誇る。
一方、印刷速度も他社の複合機を上回る実力を発揮した。A4フルサイズの写真を「Adobe Photoshop Elements 6.0」で出力する際に要した時間は42秒、カラー図版を含む30ページのPDF文書をプレビュー経由で印刷した結果は、6分53秒だった。特に前者は、このクラスのインクジェット複合機では驚異的な速さだ。なお、本機は印刷中に不定期でヘッドクリーニングを実行するため、速度には多少のばらつきが出る。
【Conclusion】
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染料系と顔料系の合計5種類のインクに加えて、印刷解像度は最上位のフォト機に並ぶ9600dpi。さまざまなドキュメントを高い品質で印刷できる。
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フィルムのスキャン機能を搭載していない点は残念。液晶モニターのサイズが小さく、写真の細部の編集や確認にはあまり向いていない。
(MacPeople 2008年6月号より転載)