iPhone X/8で始めるApple Pay 結局どのカードが使える?
文●二子/ASCII編集部
2017年10月29日 10時00分
iPhone 7でついにiPhoneにも搭載されたFeliCa。日本の“ガラパゴス”ケータイ/スマホの象徴的な機能でもあったFeliCa(おサイフケータイ)をアップルがサポートするとともに、Apple Payのサービスを開始して1年が経つが、iPhone 6s以前からの乗り換えで、初めて使うという人も多いはず。
1年前はたくさん記事が出たiPhoneでのApple Payの使い方だが、当時と比べると状況が変化している部分もあるので、あらためて2017年秋での最新情報をQ&A形式で紹介する。
Q1 結局どのクレジットカードならApple Payで使えるの?
A1 「カード会社」次第ながら、大半のカードが利用できる
いきなり本題に入りますが、これはクレジットカードを発行している会社がApple Payに対応しているかどうかが重要です。カードの表側にある「VISA」「MasterCard」「JCB」「AMEX」といったロゴ(国際ブランド)はひとまず関係ありません。
たとえば、同じVISAのブランドが付いているカードでも、三井住友カード、三菱UFJニコス、クレディセゾン、楽天カードなどなど、大小さまざまな企業がカードを発行していますが、重要なのはこれらの会社の方ということです。
Apple Payに対応したカード会社は開始当初は多くないというイメージがありましたが、現在では大手から中堅クラスまで幅広くカバーしています。
●Apple Payに対応している主なカード
・三井住友カード
・クレディセゾン(セゾンカード、UCカード、セゾンAMEX)
・三菱UFJニコス(JCB/AMEXなどを除くMUFGカード)
・American Express
・JCBカード
・オリコカード
・楽天カード
・ビューカード(JR東日本)
・TS CUBICカード(トヨタファイナンス)
・イオンカード
・JACCSカード(ジャックス)
・セディナ(セディナカード、OMCカード)
・ライフカード
・アプラス
・UCSカード
・ポケットカード(P-oneカード、ファミマTカードなど)
・エポスカード
・ワイジェイカード(Yahoo! JAPANカード)
・dカード(NTTドコモ、プリペイド型除く)
・au WALLETカード(プリペイド型含む)
・ソフトバンクカード
このほかにも地方銀行系のカード会社など、三井住友カードやJCBカードの基本機能を引き継いで発行しているカードも利用できます(地方銀行系カード会社でもDCカード/UCカードがベースのものは非対応)。
さらにセブン—イレブン「セブンカード・プラス」、髙島屋「タカシマヤカード」、ゆうちょ銀行の「JP BANKカード」のように、クレジットカードの基本部分は専業のカード会社に委託しているケースでもApple Payに対応しているカードがあります。
Q2 では、どの会社のカードはApple Payで使えない?
A2 ダイナース、SBIカードなど。デビットカードも
前述のようにこの1年の間に主要カード会社の大半がApple Payに対応したので、非対応のカード会社/クレジットカードは大幅に減少しました。
●Apple Payに対応していない主なカード
・ダイナースクラブ
・三菱UFJニコス(DCカード、NICOSカード、MUFG AMEXなど)
・SBIカード
・ゴールドポイントカード・プラス(ヨドバシカメラ)
・各社デビットカード(JCB/VISAデビット)
など
注意が必要なのは三菱UFJニコス。同社は過去の経緯からさまざまなブランドを抱えており、Apple Payに対応しているのは「MUFGカードでAMEX、JCBを除く」と少々複雑になっています。
著名どころではダイナース。また、SBIカードも非対応。ドコモの「dカード」については対応していますが、プリペイド版は非対応です。VISAやJCBのブランドが付いたデビットカードでも基本は利用できません。
ただ、非対応のカードでも、Suicaアプリを経由して利用するワザがあります。詳しくは次ページのQ3で。
Q3 Apple Payなのに「QUICPay」や「iD」、「Suica」で支払うのはどうして?
A3 日本では以前からFeliCaとそのインフラが普及していたため
日本国内では早くからFeliCaによるIC決済プラットフォームが広く普及していたため、iPhoneもわざわざFeliCaを搭載し、このインフラを経由してApple Payを利用することになったのです。
Walletアプリにクレジットカードを登録すると、QUICPay/iDのどちらかのロゴがカード上に表示されるので、コンビニなどの店頭では「QUICPayで支払います」または「iDで支払います」と伝えたうえで、Touch ID(iPhone 7/8の場合)に指をタッチしたままICリーダーにiPhoneをタッチすれば決済が完了です。支払いは紐付けされたクレジットカードに合算されて後ほど請求されます。
Suicaでも基本的には同じですが、こちらはプリペイド型なのであらかじめチャージしておく必要があります。チャージは「Suica」アプリからが便利なのですが、「Suica」アプリではApple Payのほかに、アプリ内で独自に登録したクレジットカードからのチャージも可能です。
このうち後者はJCB/VISA/MasterCard/AMEX/ダイナースといった国際ブランドに対応していればOK……つまり、Apple Pay非対応のカードであっても「Suica」アプリ経由であれば使えるというわけです。
Q4 Suicaを登録したら設定された「エクスプレスカード」ってなに?
A4 エクスプレスカードにSuicaを登録すれば、Touch IDなしで使える
コンビニなどでQUICPay/iD経由で決済する際は、前述したようにTouch IDに指を乗せた状態でリーダーにタッチする必要がありますが、通勤時間帯の自動改札機で毎回それを求められたら、誰かがミスするたびに混乱が発生します。
そこでApple Payでも、Suicaについてはエクスプレスカードに設定しておくことで、Touch IDなしで決済するという扱いをしています。Suicaを自動改札機で使うという人はオンにしておくといいでしょう。
Q5 「VISAはApple Payで使えない」ってのはなんだったの?
A5 実利用の場面では基本的に忘れてしまってOK
すでに繰り返し紹介していますが、Apple Payへのカードの登録の可否は原則としてカード会社で決まってきます。カード会社が対応していれば、VISAブランドが付いたカードでもApple Payに登録することは可能で、QUICPay/iD経由での決済が可能です。
ただ、Apple Pay自体は独自の決済プラットフォームも持っており、MacやiPhoneを使ったウェブやアプリ経由での決済が可能です。そしてこれはVISAには対応していないのです。
具体的には、先ほどSuicaのチャージ方法として、Apple Pay経由とアプリ内で登録したカードの2通りがあると紹介しましたが、前者については実はVISAブランドのカードでは不可能です(Apple Payに登録できるカードであっても)。ただし後者は可能ですし、国内の店舗でApple Payを利用するのはQUICPayやiD、Suica経由が大半ですから、実利用上はあまり気にする必要はないというわけです。
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