1万円台のエントリークラスのSIMフリースマホはサクサク動く?
文●小林 誠 編集● ASCII編集部
2017年07月17日 12時00分
税込でも1万円台というエントリークラスのSIMフリースマホ3機種を比較しているスマホ定点観測。この価格帯だとスペックはどうしてもそれほど高くない。それでもサクサク動くのか? ベンチマークや実際のテストで確認してみよう。
主要スペックも似通っている3台
コヴィア「FLEAZ Que」、Wiko「Tommy」、FREETEL「Priori 4」の3台を比較している本企画。端末価格は3機種とも1万円台で、MVNOの格安SIM(通信費)を含めても、2年間でトータルコストは5万円前後で済むという、まさに格安スマホ時代の申し子的存在だ。
しかしスペックはどうしても低めなのも確か。果たしてこれらのスマホはサクサク動くのか? そして3機種それぞれに大きな違いがあるのか? 今回のスピードチェックで見ていく。まずは主なスペックのおさらいからだ。
| FLEAZ Que | Tommy | Priori 4 | |
|---|---|---|---|
| メーカー | コヴィア | Wiko | FREETEL |
| 本体サイズ | 約66.5×132.4 ×10.35mm |
約71.5×146 ×8.8mm |
約71.5×144.8 ×9.5mm |
| 重量 | 約125g | 約165g | 約167g |
| 画面サイズ | 4.5型 | 5型 | 5型 |
| 画面解像度 | 854×480ドット | 1280×720ドット | 1280×720ドット |
| OS | Android 6.0 | Android 6.0 | Android 6.0 |
| CPU | 1.3GHz (4コア) |
1.3GHz (4コア) |
1.3GHz (4コア) |
| ROM/RAM | 16GB/2GB | 16GB/2GB | 16GB/2GB |
| メモリーカード | microSDXC (128GB) |
microSDXC (64GB) |
microSDXC (128GB) |
| 国内4G対応バンド | 1/3/19 | 1/3/8/18/19 | 1/3/5/8/18 /19/28/41 |
| キャリアアグリゲーション | × | × | × |
| VoLTE対応 | × | ○ | × |
| 連続通話時間 | ― | 900分(3G) | 1300分(3G) |
| 無線LAN | IEEE802.11n (2.4/5GHz対応) |
IEEE802.11n (2.4GHz対応) |
IEEE802.11n (2.4/5GHz対応) |
| カメラ画素数 | 500万画素 | 800万画素 | 800万画素 |
| インカメラ | 500万画素 | 500万画素 | 500万画素 |
| 防水/防塵 | ×/× | ×/× | ×/× |
| ワンセグ | × | × | × |
| フルセグ | × | × | × |
| FeliCa | × | × | × |
| 赤外線通信 | × | × | × |
| NFC | × | × | × |
| Bluetooth | 4.0 | 4.1 | 4.0 |
| MHL(HDMI) | × | × | × |
| Miracast | × | ○ | × |
| SIM形状 | microSIM | microSIM×2 | micro+nanoSIM |
| バッテリー容量 | 2200mAh | 2500mAh | 4000mAh |
| Qi | × | × | × |
| 生体認証 | × | × | × |
| USB端子 | microUSB | microUSB | microUSB |
| カラバリ | ブラック | ブリーン、フラッシュレッド、トゥルーブラック | マットブラック、シルバー、ブルー、ピンク、グリーン、パープル(6色同梱) |
MediaTek製かSnapdragonかの違いかはあるものの、いずれも4コアCPUで、軽快な動作につながりやすいメインメモリーも2GBで横並びとなっている。
スクロールと文字入力のテストは片手操作で行うため、小型のFLEAZ Queが有利にも思えるが、とはいえTommy、Priori 4も一般的な5型スマホだ。3機種に明確な優劣がつくのだろうか? まずはベンチマークアプリのチェックから。
低解像度の画面が逆に有利に? ベンチマークはFLEAZ Que!
ベンチマークに使うアプリはいつものように「AnTuTu」と「3DMark」だ。それぞれ3回計測し、各スコアの最大値を掲載している。まずはAnTuTu。
| (最高値) | FLEAZ Que | Tommy | Priori 4 |
|---|---|---|---|
| AnTuTu | 31889 | 22898 | 28895 |
| 3D | 3216 | 953 | 2382 |
| UX | 13031 | 9546 | 12680 |
| CPU | 11428 | 8717 | 9923 |
| RAM | 4492 | 3735 | 4068 |
まずはFLEAZ Queが常にリードする展開。トータルスコアで唯一3万超え。他のスコアも大差ではないものの確実に勝っている。ディスプレーの解像度が低いためか3Dのスコアが高い数値になりやすいようだ。
わずかな差で2位にPriori 4が続く。細かな型番こそ異なるが、同じMediaTek製CPUなので、それも当然だろう。TommyはSnapdragon 210とクロックは同じでも中のコアが旧世代なこともあり、特に3Dで差をつけられている。また検証中も数字にかなりばらつきがある印象だ。
続いて、3DMarkのスコア。
| (最高値) | FLEAZ Que | Tommy | Priori 4 |
|---|---|---|---|
| トータルスコア | 128 | 0 | 101 |
| グラフィックス | 105 | 0 | 81 |
| フィジックス | 589 | 490 | 744 |
こちらもトータルスコアとグラフィックスのスコアでFLEAZ Queがリード。ただし動作の軽快さに影響しそうなフィジックスのスコアではPriori 4が勝っている。
残念ながらTommyのトータルスコアとグラフィックススコアは0に。動作そのものが安定しない。何度もアプリが突然終了しつつ、一応3回最後まで計測できたものの、どの結果もトータル/グラフィックススコアは0だ。スペック的に3Dゲームでの動作を期待する人も少ないだろうから、仕方ないところかもしれない。
メールの500通スクロールでもFLEAZ Queが最速に!
ここからは実際に操作してのテスト。まずはメールの500通スクロールテスト。Gmailに500通をあらかじめ受信しておき、上から下へスクロール、500通目に達する時間を競う。アカウントは3機種とも同じ。各機種3回計測し、いずれも片手操作で行う。タイムはストップウォッチで手動計測だ。
| FLEAZ Que | Tommy | Priori 4 | |
|---|---|---|---|
| 最速タイム | 3秒75 | 6秒81 | 3秒92 |
| 平均タイム | 4秒21 | 8秒69 | 4秒45 |
最速タイム、平均タイムともにここでもFLEAZ Queがリード。スクロールの印象はけっして滑らかではなく、心地よいわけでもないのだが、速い。途中スクロールが引っかかるものの、強引に進んでいく。画面が小さいので指の操作もしやすい。
わずかな差で2位がPriori 4。こちらもスクロールの滑らかさは感じないが、とにかく速い。スクロールの後半に何度もガンッ! と強く止まるのだが、突き進んでいく。
Tommyは他の2機種に比べスクロールは滑らか。省略表示があまりされていないようで、時間が若干かかってしまう。またFLEAZ Queは文字サイズが大きめだが、Tommyはやや小さく感じる(初期設定時)ため、スクロール中の文字が見にくい。もっとも普段使いでストレスを感じるほどではない。
文字入力ではTommyが最速もキーボードアプリ変更が前提
最後に文字入力のテスト。下記の文章をGmailの新規作成画面で片手入力。そのタイムを競う。
「お世話になっております。ライターの小林です。明日の13時にASCII.jpの件、よろしくお願いいたします。」
入力方法はフリック入力、全文を入力し予測変換ではなく、通常変換を行う。こちらも各機種3回入力し、タイムの計測はストップウォッチを使う。
ただしTommyのみ初期設定ではオムロンの「Japanese IME」を採用しているが、フリック入力の設定がないため、無料のGoogle日本語入力を追加し、テストを行なっている。
| FLEAZ Que | Tommy | Priori 4 | |
|---|---|---|---|
| 入力プログラム | Google日本語入力2.20 | Japanese IME1.3.6 /Google日本語入力2.20 |
Google日本語入力2.20 |
| 最速タイム | 1分1秒26 | 53秒89 | 54秒07 |
| 平均タイム | 1分18秒43 | 57秒94 | 59秒20 |
結果として勝利したのはTommy。入力時は若干本体の幅を感じ、指が端に届きにくいものの、誤入力は少しだった。ハイスペックな機種と比べると、キーレスポンスに差を感じ、サクサクとは言えない。ここからタイムを短縮させるのは難しそうだ。
なお、Japanese IMEのままトグル入力(ガラケー時代のようにキーを何度も押して文字を変更する)で同じ文章を入力すると2分ほどかかるため、フリック入力に慣れた人はぜひキーボードアプリを追加してほしい。
2位はまたもわずかな差でPriori 4。手に持った時のサイズ感はTommyとさほど変わらず、端のボタンを押すのが少し苦手なのも同じ。誤入力はTommyよりも少ないのだが、キーレスポンスが遅い印象で、ボタンをタッチしたときにブレーキがかかる感じがした。
3位はまさかのFLEAZ Que。とにかく誤入力が多くなった印象。「し」のつもりが「さ」、「よ」のつもりが「や」などフリックの反応が悪い。画面サイズは4.5型と指はキーボード全体に届くが、むしろ今ではその窮屈さが気になった。小さい=片手操作で有利と思ってきたが、タッチ操作の精度など細かいチューニングがあってこそなのかもしれない。
常に2位のPriori 4を勝ちと判断
低価格、スペック抑えめということもあり、過去の機種と比べて成績自体はパッとしない。3機種ともサクサクと感じるシーンは少ない。
ただ3機種のなかでは、ベンチマークから連続でFLEAZ Queがリードし続け、これは勝ちかと思いきや、最後の文字入力でまさかの大敗と予想外の展開。キーボードのカスタマイズ次第で解決するかもしれないが、今回は勝ち星を譲ってもらおう。
一方、Tommyはその逆で3戦負け続け、最後に勝ち。ただその勝利はキーボードの変更によるもの。印象は良いがスピードチェックの勝利機種には選びづらい。ではPriori 4はというと、こちらは常に2位だが、どの結果も1位に近い数字を出している。安定して速いと言って良いのでは。
というわけで今回はPriori 4の勝ちとする。次回はカメラ勝負。この低価格帯で本当に綺麗にサクサク撮れるのか? 結果をお楽しみに。
■関連サイト
■関連記事