カシオ「PRO TREK」初スマートウォッチはオフライン地図対応「WSD-F20」!

文●飯島恵里子/ASCII

2017年01月05日 10時09分

ベゼルの12時位置に配置された「PRO TREK」ロゴが胸熱。WSD-F20 -RGオレンジ、価格5万5080円、2017年4月21日発売予定

 カシオ計算機は1月5日、アウトドアウォッチ「PRO TREK(プロ トレック)」シリーズから、Android Wear 2.0を採用し、低消費電力GPSとオフラインで利用できるカラー地図を搭載した「WSD-F20」を発表した。2017年4月21日発売予定で価格5万5080円。

 2016年3月に発売したアウトドア用途に特化したスマートウォッチ「Smart Outdoor Watch WSD-F10」(以下WSD-F10)は、ブランド名が付かず同社内の他ブランドと一線を画していたが、WSD-F20はPRO TREKの新シリーズ「PRO TREK Smart」という位置づけになる。

カラーバリエーションは2色。こちらWSD-F20-BKはブラック

スマホに依存せずにオフラインでカラー地図が利用可能

 アウトドアシーンで役立つ大きな特徴は、低消費電力GPSオフラインで利用できるカラー地図。スマートフォンの電波が届かない環境や、スマホを手に持てないウォータースポーツ時でも、WSD-F20単独で地図などを利用できるため、屋外でのアクティビティを強力にサポートするとうたう。

ダーク、ライト、サテライトビューなど多彩な地図デザインをラインアップ。アクティビティの種類や使用目的に合わせて、好みのデザインを利用できる

 WSD-F20は、多様なデザインを持つMapbox社の地図データを採用。行き先の地図を事前に、WSD-F20上にダウンロードしGPS情報と連動することで、オフラインでも地図上に取得した位置情報を表示する。地図は、スマホに依存することなくWSD-F20単独でダウンロード可能で、iPhoneユーザーも利用できるのが特徴だ。地図の拡大縮小は、本体サイドのボタンと液晶ディスプレーをタッチすることで操作できる。

オフライン地図を活かした独自アプリ「ロケーションメモリー」

 屋外アクティビティをより豊かにするアプリが、ロケーションメモリー。オフライン地図上に、文字やマーカーでメモなど、行動の軌跡を残すことができるというもの。登山途中で見つけた絶景のポイントや釣りのポイントなど、地図に目印がない場所でも、約30種類のマークの中から選択し記録を付けたり、電波圏内であればスマホと接続することで音声入力により文字でメモを残すことができる。

ロケーションメモリーではさまざまなマークのデザインが用意されている

 ナビゲーション機能やリマインド機能を備えるため、記録した場所に再訪する際に役立つという。リマインド機能に付随した「また来たい」マークは50件つけることができ、それ以外のマークは理論上は無限で設定できるが、実際にはWSD-F20のメモリーの空き容量次第である。

オリジナルのウォッチフェイスも豊富。GPS機能と地図データを活かした新デザインも用意されている。左は「ロケーション」、次は「トラベラー」

 そのほかにも「アクティビティ」、「MOMENT SETTER」、「ツール」など、従来機WSD-F10に採用されていた専用アプリが、搭載される。

 アクティビティアプリは、トレッキングやサイクリング、フィッシングを楽しんでいるときに、計測データをリアルタイムで表示する。トレッキング時は地図上で行動の軌跡を表示したり、スノーでは、地図上に滑走1本ごとの軌跡や最高速度を表示する。

 MOMENT SETTERは、各アクティビティに夢中になっている時に、必要な情報を自動で通知するアプリ。釣れ時や休憩のタイミング、残りの高度など、あらかじめ設定した条件に基づいて通知をする機能だ。

 ツールは、圧力センサー、方位センサー、加速度センサーを用いて、自然環境の変化や活動量など、各アクティビティで必要な情報を計測し、表示するアプリ。方位や高度、気圧計測に加え、日の出/日の入り、タイドグラフ、活動量グラフなどの表示に対応している。

左は従来機WSD-F10、右は今回発表されたWSD-F20。WSD-F20はベゼルとケースが別パーツで、万が一の誤操作を防ぐためのボタンガードを採用するなど、PRO TREKで培ったアウトドアギアのノウハウが活かされている

従来機と変わらぬアウトドアシーンに応える、タフネス性能

 「10気圧防水」を期待したいところだが、WSD-F20は従来機WSD-F10と同じ5気圧防水。音声入力用のマイクやマグネット圧着式充電端子を搭載しながらも、5気圧防水を死守している。水仕事や雨天、カヤックなどのウォータースポーツでは安心して利用できるという。

ケースの右サイド。ボタンガードの中央には大きめのボタン、脇は小さめのボタンを採用している。写真右の2時位置はTOOLボタン、中央3時位置は電源ボタン、左の4時位置はAPPボタン

ケースの左サイドは、10時位置にマグネット圧着式充電端子、9時位置に圧力(気圧/高度)センサーを配置している

 カシオ計算機製ならば期待したいタフネス性能は、米軍の物資調達規格MIL-STD-810Gに準拠。落下や振動など、さまざまな環境下での試験を実施し、正常に作動することを確認しているという。

CASIOとPRO TREKのダブルロゴがファンにはたまらない!


製品名 WSD-F20 WSD-F10
プラット
フォーム
Android Wear 2.0 Android Wear ※今春、Android Wear 2.0に対応予定
動作環境 Android 4.3以降/iOS 9以降(iPhone 5以降) Android 4.3以降/iOS 8.2以降(iPhone 5以降)
ケース寸 およそ縦61.7×横57.7×厚さ15.3mm およそ縦61.7×横56.4×厚さ15.7mm
質量 約92g 約93g
ディスプレー 1.32型、2層構造、
カラーTFT液晶+モノクロ液晶
タッチパネル 静電容量式タッチパネル
(防汚コーティング対応)
静電容量式タッチパネル
画面解像度 320×300ドット
CPU 非公開
メモリー 非公開
ストレージ 非公開
センサー 圧力(気圧/高度)センサー/3軸加速度センサー/3軸ジャイロセンサー/3軸方位(磁気)センサー
GPS 低消費電力GPS搭載、衛星3測位(アメリカのGPS、ロシアのGLONASS対応予定、日本のみちびき対応) 非搭載
カラー地図機能 搭載(オフライン対応) 非搭載(Android Wear標準アプリのGoogle MapsをAndroidスマホと連動し使用。iOS非対応)
マイクロフォン 搭載
バイブレーター 搭載
通信 Bluetooth V4.1/IEEE 802.11 b/g/n
バッテリー 約1日以上(通常使用)、約1ヵ月以上(時計のみの場合)
充電時間 常温で約2時間
防水/耐環境性能 5気圧/MIL-STD-810G
発売ステータス 2017年4月21日予定 2016年3月
価格 5万5080円 7万5600円

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