昨今でこそ「ラベルプリンター」という周辺機器は、業務用からコンシューマー用まで数多く存在するが、今から四半世紀以上前の国内市場には、バーコード需要のある業務用製品だけだった。しかし当時からテクノロジーホビーとして日本のはるか先を歩んでいた米国市場では、個人が使えるラベルプリンターが数多く販売されていた。
当時、出張でSFOやサンノゼを中心としたシリコンバレー一帯に行くことの多かった筆者は、行くたびに大躍進を遂げていたパソコンを中心としたショップのCompUSAやFry'sやステーショナリー専門店のオフィスデポで、毎回のように色々なラベルプリンターを買って帰り、当時のPC雑誌にその活用記事を書いていた。
当時から海外市場では先進的でコスパに優れ人気のラベルプリンターは、日本のブラザー工業製の商品が大半だった。スマホが存在しなかった当時の接続機器は、100%パソコンだった。ゆえに当時のシリーズ名は、今とは異なる「P-touch PC」という名前だったと記憶している。
出張の都度、何台も衝動買いしていたP-touch PCの最大の使途は、当時は記録メディアの代表だったフロッピーディスクのラベル作りやクリアファイルのインデックス、ネームシールなどを作って楽しんでいた。ミシン目でカットできる連続フォームや背面糊付きラベル紙などもあったが、印刷テクノロジー的には感熱紙型モノクロプリンターだった。
そんなラベルプリンターが登場してから30余年。令和の最新モデルが「P-touch Color」(VC-500W)プリンターだ。昨年、偶然にも有楽町のビックカメラで見かけ、懐かしくて衝動買いしてしまった。すでに1年近く使ってしまっている。国内外を問わず多くのラベルプリンターは9〜25mmのテープ幅が多いが、P-touch Colorは名刺サイズに迫る50mm幅のワイドテープにフルカラーで印刷が可能だ。
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