アメリカを中心としたポータブル・オーディオのフォーラムHead-Fiの全国オフ会が「CanJam」だ。2月末にはニューヨークでリアル開催された。そこで披露された製品の中から国内ではまだ知られていない製品を難点か取り上げて紹介する。(ちなみに英語では口語でヘッドホンのことを"can"という)
「HIFIMAN EF400」(599ドル)
「HIFIMAN EF400」は、日本でもおなじみのHIFIMANが開発したDAC内蔵型のヘッドホンアンプ。フルバランス構成で本格的なトロイダルトランスや大容量コンデンサーを採用し、4.4W/CHの大出力ながらデスクトップに置きやすいデザインを特徴としている。その秘密はHIFIMAN独自のコンパクトで低消費電力のヒマラヤDACにある。HeadFiフォーラムの参加者コメントでは、EF400は着色感の少ない有機的なサウンドで、同社「Susvara」などを軽々と駆動していたなどと書かれている。
「Abyss Diana TC」(4495ドル)
「Abyss Diana TC」は、国内でも販売されている超弩級平面磁界型ヘッドホン「Abyss 1266」の多少手軽なモデル「Abyss Diana」の新モデル。新たに採用されたアルカンターラを採用したソフトなレザーイヤパッドと改良されたTC型ドライバーが特徴で、快適性とともに音質も向上されているようだ。Head-Fiフォーラムの参加者コメントでは、とてもパンチのある音で兄弟機の同じTC型ドライバーを搭載する「Abyss 1266 TC」に比較するとより暖かくスピード感のあるサウンドを特徴としているということだ。
「CEntrance Ampersand」(749ドル)
かつてはUSB内蔵ポータブルアンプ「DACPort」で国内でも人気だったCEntranceは最近ではポータブル業界から距離を置いていた。そのCEntranceが再びポータブルオーディオへの情熱を見せていてくれるのもCanJamでの収穫だ。「CEntrance Ampersand」はバランス対応でポータブルながら3W/CHという大出力を特徴としている。ポータブルというよりもトランスポータブルと書いたほうがよいかもしれない。HeadFiフォーラムの参加者コメントでは、従来のポータブル機器では鳴らすのに苦労するHEDDphoneのような高性能ヘッドホンをも鳴らしているようだ。
この連載の記事
-
第287回
AV
Roon ARCがCarPlayやAndroid Autoに対応、車内で音声操作を -
第286回
AV
MQAに新動向、MQA技術の先にある「AIRIA」「FOQUS」「QRONO」とは? -
第285回
AV
新感覚のオーディオイベント「REB fes」を体験、自分だけのストーリー実現に悩もう! -
第284回
AV
JBLによる2つの新提案「LIVE BEAM 3」と「Fit Checker」を体験してきた -
第283回
AV
グーグル、プロも驚く音楽生成AI「Music AI Sandbox」を開発 -
第282回
AV
液晶をタッチして操作する、Volumioの新ネットワークプレーヤー「Motivo」 -
第281回
AV
HIGH END Munich 2024出展製品から、気になるエントリーオーディオをセレクト -
第280回
AV
水月雨がオーディオファン向けスマホを開発、複雑になりすぎたスマホ高音質再生への問いかけ -
第279回
AV
Chordの積み木型オーディオシステムが面白い、「Suzi」と「Suzi Pre」 -
第278回
AV
さすがにSpotifyもロスレス対応しそう、Redditユーザーがさらに解析結果をリーク -
第277回
AV
スマホがLE Audioに対応していなくても、なぜAuracastを使えるのか? - この連載の一覧へ