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5120×2880ドットの5Kディスプレー体験記 第1回

NVIDIAのGeForceやAMDのRadeonは動作保証外

DP2本接続! デルの5K液晶「UP2715K」を試す (1/2)

2015年02月17日 08時00分更新

文● 高橋量、編集●ASCII.jp

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4Kディスプレー普及の立役者が5Kに進出

 2014年は、27~28型で6~7万円台の4Kディスプレーが各社から発売された。個人でも購入できる手頃な価格帯に突入したことで、2015年はさらなる普及が予想される。ASCII.jp読者のなかにも、4Kディスプレーの購入を検討している人は多いのではないだろうか。

 そんな4Kディスプレー普及の立役者とも言えるのが、24型で5万円台の「P2415Q」や27型で6万円台の「P2715Q」などの低価格モデルを積極的にリリースしているデルだ。思えば2013年12月に(一時的ではあるが)10万円切りの価格で販売された23.8型の「UP2414Q」や、1000ドル以下での販売が予告された28型の「P2815Q」(実際には直販価格6万9980円で販売が開始された)など、デルは4Kディスプレーのシーンでなにかと話題を提供し続けている。

 そのデルが次の目玉商品としてリリースしたのが、3840×2160ドットの4Kを大きく超えた5120×2880ドットの5Kディスプレー「UP2715K」だ。

5120×2880ドットの5K表示に対応したデルの27型液晶ディスプレー「UP2715K」

5Kなら、4Kコンテンツの作成に最適

 はじめにおことわりしておくと、この「UP2715K」はデザインやCG/写真制作などを専門に行なうプロ向けの「デジタルハイエンドシリーズ」にカテゴライズされるモデルだ。直販価格は18万5166円(税抜き、配送料込み)と、決して安くはない。また5K環境を活用するとなると、PC側にもそれなりの性能が必要となってくる。一般ユーザーにとっては、やや敷居の高いモデルだ。

 だが前述のように低価格モデルの普及によって4K環境が一般化すれば、必然的に4Kコンテンツの需要も高まってくるだろう。大型テレビの4K化も進んでいる状況だ。プロの現場では、4Kコンテンツの制作環境が必要となってくるに違いない。そんな場面でこそ、「UP2715K」は威力を発揮する。

 4Kより広い5Kのディスプレーなら、高精細な映像を縮小することなく隅から隅まで見渡せる。「UP2715K」はスペックが高いだけのイロモノ的な製品ではなく、来るべき4K時代を見据えた戦略的なモデルだと言える。もちろん通常の液晶ディスプレーと同じように、3Dゲームや動画をより高精細に楽しむために購入するという選択肢もアリだ。

3840×2160ドットの4K動画を等倍で再生したときの画面。デスクトップの編集領域にまだ余裕があることがわかる

まずは、使ってみます!

 前振りがだいぶ長くなってしまったが、このロードテストでは「UP2715K」のレビューを2回に渡ってお届けする。第1回目となる今回は、筐体デザインや必要となる動作環境についてだ。液晶ディスプレーでもっとも重要なのは映像の色合いについてなのだが、今回のレビューでは厳密な検証環境を用意できなかったため、メーカーが公開しているスペックや筆者の個人的な印象を紹介する程度に止めておきたい。

「UP2715K」の主な仕様
ディスプレイ27型(5120×2880)、IPSノングレア
アスペクト比16:9
コントラスト比1000:1(標準)、100万:1(最大)
輝度350 cd/m2 (標準)
応答時間8ミリ秒(GTG)
視野角178度(垂直)/178度(水平)
インターフェースDisplayPort端子×2、miniDisplayPort端子、オーディオ端子、USB3.0アップストリーム端子×1、USB3.0ダウンストリーム端子×5、メディアカードリーダー
本体サイズ/重量幅637.3×奥行き204.5×高さ427.6-542.1mm/10.07kg(スタンド含)

光の反射を抑えたアンチグレパネルを採用

 まずは「UP2715K」の外観を見てみよう。本体サイズは幅637.3×奥行き204.5×高さ427.6~542.1mmで、デスクに設置するとそれなりの存在感がある。ただし27型の液晶ディスプレーとしては標準的だ。

パネル部分をもっとも低くした状態と、もっとも高くした状態。114.5mmの高さ調整に対応している

 個人的にはもう少しベゼル幅が狭いほうが好みなのだが、5Kパネルの狭額仕様はいろいろと難しいのかもしれない。重量はスタンド込みで10.07kgとそれなりにあるが、重さゆえの安定感がある。

100×100mmのVESAマウントに対応

 液晶パネルの駆動方式はIPSで、左右の視野角は178度となっている。実際に画面を斜めから見てもコントラストが低下することなく、色合いは鮮やかなままだ。パネルの表面は光沢のあるグレア仕上げだが、反射を抑えるアンチグレア加工が施されているため、光の映り込みはほぼ気にならなかった。

チルト角度は前方5度から後方21度まで。左右のスイーベルにも対応している

液晶パネルを右側に90度回転させることで、画面を縦型に表示できる

(次ページ、「反射を抑えた「オプティカルボンディング」」に続く)

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