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GPS波浪計と衛星通信により、津波の早期発見に期待

はるか沖合に設置可能な新型GPS津波監視ブイ、実証実験開始

2014年11月21日 18時21分更新

文● 行正和義

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 新型GPS海洋ブイ

 日立造船は11月13日、新型のGPS海洋ブイの実証実験を開始したと発表した。GPS情報だけで海面の高さを測定して衛星通信で観測データを送信するため、より沖合で津波を監視できる。

 現在、国土交通省は日本近海に合計17基のGPS波浪計を配備して気象庁が津波警報を出すのに使用している。これまでGPS波浪計は海面の高さを求める際、陸上基準局との搬送波位相データで算出するRTK測位法であるため、設置できるのは沖合約20kmが限界だった。

 新GPS海洋ブイは、GPS衛星の精密な時間・位置データだけで高さを求めることができるPPP-AR測位法を用いている。さらに観測データの送信も衛星通信を使うため、理論的には1000km沖合の外洋にも設置が可能。

 ブイ本体は従来の鋼製に代わりポリエチレン製とし、係留も繊維ロープとすることで大幅な小型・軽量化とコスト削減、メンテナンス性を向上させることが可能となったという。

 実証実験は和歌山県田辺沖30kmで、2015年3月まで実施される。実験結果が充分であれば、GPS海洋ブイの設置距離を飛躍的に伸ばすことが可能となり、津波の早期検知に貢献することが期待されるという。

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