今回は、CEATEC JAPAN 2014のNEXTイノベーションプラザとライフ&ソサエティステージで気になったブースを紹介していこう。
ライフ&ソサエティステージは、生活に近いラインにある技術や製品が展示されており、数年先をイメージしやすいものが多い。その代表格としてはスマートグラスとスマートウォッチ。どちらもこれからのデバイスで、スマートウォッチについては、2015年登場のApple Watch以前にAndroid Wareなどスマートウォッチが勢揃いな状況だ。
スマートグラスは、Googl Glassの開発者版をはじめとして、JINSやエプソン、ソニーなどから発表済みだ。国内においてはシースルータイプが人気で、来年以降は多数のスマートグラスが発売されるものと思われる。すでに入手可能な製品としてはエプソン「MOVERIO BT-200AV/BT-200」があり、同社ブースでも試着できるため、気になる人は訪れてみるといいだろう。
さて、まずはスマートグラスからと考えていたが、青色LEDを利用したナイスなものが展示されていたので、ノーベル賞受賞記念も兼ねて最初に紹介しよう。
東洋電機と太陽誘電が共同開発
青色LEDで水中高速可視光通信装置!
「水中高速可視光通信装置」の文字列だけで胸アツである。東洋電機が太陽誘電と共同開発し、青色LEDを利用して水中でのデータ転送を実現したものだ(関連記事)。これまで水中でのデータ転送はワイヤードだったが、海流に影響されるため、本装置の開発を始めたそうだ。
気になる転送速度は最大50Mbps、最長通信距離50m。使用方法はふたつの水中高速可視光通信装置を向かい合わせて青色LEDで通信する。直進性の高さも利用しているため、5度範囲内で向き合っている必要はあるが、NHKとの共同水中実験結果は良好だという。
水中撮影用途のほか、漁業方面への提案も考えているとのこと。現状では大型の装置を必要とするが、写真にある空間光伝送装置に近いサイズまで小型化できる可能性があるそうだ。
また元々陸上で開発していた関係で、そのまま陸上でも使用可能であり、ローカルネットワークを構成しにくい環境でも十分人気になりそうな予感があった。
先に触れたように転送速度は最大50Mbpsだが、これは水中の透過度に左右されてしまうほか、青色LEDのみに限った現時点での上限値という。説明員によると、色を増やせば通信速度を向上できるとのこと。極端な例を挙げれば、七色の光を使用すれば通信速度がアップするわけだ。
思いっきり身近ではない通信方法だが、ブースでは実機展示もあったので、映像方面や水中でネットワーク構築したい方はチェックしてほしい。