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石川温のPCスマホニュース解説 第197回

なぜソフトバンクやKDDIのネットワークは強いのか 「2.5GHz帯のTD-LTE」最強説

2024年04月24日 17時00分更新

文● 石川温

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5Gでの巻き返しはドコモに課された“宿題”

 一方、NTTドコモには2.5GHz帯のTD-LTEは存在しない。

 ただ、3.5GHz帯ではTD-LTEの運用をしているのだが、ライバル会社の関係者は「当然のことながら、2.5GHz帯に比べると電波はあまり飛ばない。NTTドコモの設置状況を見ると、あまり活用できていない印象がある」と語る。

 総務省が発表しているNTTドコモにおけるトラフィック状況を見ると、つながりやすいが帯域は狭い2GHz以下の周波数帯に集中している状況だ。頼みの綱の5Gにもそれなりにトラフィックは流れているが、4Gに比べるとまだまだ少ない。

 5Gはそもそも衛星の地上局と電波が干渉するということで、これまで基地局から高出力で電波を飛ばすというのが難しかった。しかしここ最近、地上局が別の場所に移転したことで、各社とも5Gの電波の出力をあげることができ、基地局から遠くに飛ばし、エリアを広げられるようになったのだ。

 NTTドコモもおそらく、この恩恵を受けられるはずだ。5Gにうまいこと、トラフィックを逃がせるようになれば、いまのネットワーク品質を上げられるはずだろう。

 2.5GHz帯のTD-LTEを持っていないというハンデを5Gでどのように巻き返すか。NTTドコモに課された宿題といえそうだ。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

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