5Gでの巻き返しはドコモに課された“宿題”
一方、NTTドコモには2.5GHz帯のTD-LTEは存在しない。
ただ、3.5GHz帯ではTD-LTEの運用をしているのだが、ライバル会社の関係者は「当然のことながら、2.5GHz帯に比べると電波はあまり飛ばない。NTTドコモの設置状況を見ると、あまり活用できていない印象がある」と語る。
総務省が発表しているNTTドコモにおけるトラフィック状況を見ると、つながりやすいが帯域は狭い2GHz以下の周波数帯に集中している状況だ。頼みの綱の5Gにもそれなりにトラフィックは流れているが、4Gに比べるとまだまだ少ない。
5Gはそもそも衛星の地上局と電波が干渉するということで、これまで基地局から高出力で電波を飛ばすというのが難しかった。しかしここ最近、地上局が別の場所に移転したことで、各社とも5Gの電波の出力をあげることができ、基地局から遠くに飛ばし、エリアを広げられるようになったのだ。
NTTドコモもおそらく、この恩恵を受けられるはずだ。5Gにうまいこと、トラフィックを逃がせるようになれば、いまのネットワーク品質を上げられるはずだろう。
2.5GHz帯のTD-LTEを持っていないというハンデを5Gでどのように巻き返すか。NTTドコモに課された宿題といえそうだ。
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