このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第461回
山根博士のグロスマレビュー
Nothing Phone風の「Infinix GT10 Pro」は価格を抑えたゲーミングスマホ
2024年01月05日 12時00分更新
2023年は新興国向けのスマートフォンメーカーが急激に頭角を表してきた年だった。傘下にInfinix、Itel、Tecnoの3社を持つ「Transsion」は今や世界5位のスマートフォンメーカーである。Itelは低価格モデルを、Tecnoは折りたたみや色変モデルなど最新技術を搭載したモデルを出している。
今回紹介するInfinixは、若い世代向けの製品展開を得意としている。同社の「GT 10 Pro」は価格を抑えたゲーミングモデルで、そのデザインはある製品をインスパイアしているようにも見える。
◆透明風ボディーにライティングエフェクトを搭載
Infinix GT 10 ProはチップセットにMediaTekのDinensity 8050を搭載する、ミドルハイモデルだ。海外での販売価格は約250ドル、日本円で約3万5000円前後と手軽な価格で購入できる。ディスプレーはフラットタイプの6.67型で解像度は2400×1080ドット、リフレッシュレートは120Hz駆動。フロントカメラは3200万画素を上部に内蔵している。
背面デザインはNothingの「Nothing Phone」シリーズを彷彿させる、透明かつ円形をモチーフにしたデザインが施されている。Nothingがゲーミングスマートフォンを出したら、こんなデザインになるのかもしれない。ただし、背面で光るのはカメラ横のスリット状の部分だけで、通知などに合わせて光らせることができる。
一方、背面全体のライティングエフェクトは搭載されていない。カメラは3眼だが1億800万画素のメイン以外の2つは200万画素とスペックは抑えられている。
本体は側面の角を立てたシャープな作りで、フレーム部分は光沢感を持たせ高級感を演出している。反面、指紋の跡が残りやすい。本体下部には3.5mmヘッドフォン端子も備えており、市販の有線ヘッドフォンの利用が可能だ。
バッテリーは5000mAhで、45Wの急速充電に対応、長時間のゲームプレイ中にバッテリー充電の発熱によるパフォーマンス低下を防ぐため、システムに直接給電を行なうバイパス給電機能も搭載する。
ベンチマークは測定できなかったが、Dimensity 8050搭載の他社スマートフォンのAnTuTuスコアは75万程度。ミドルハイクラスの製品のため、ハイエンドゲームの動作はやや厳しいものの、それ以外のゲームなら長時間プレイも十分できそうだ。
本体内部は、11層4319mm2の冷却板・べーパーチャンバーで発熱を速やかに放熱してくれる。そのほか、4D効果を謳うバイブレーターやハイレゾオーディオ対応のステレオスピーカーも内蔵する。
GT 10 Proのパッケージにも工夫がされている。スマートフォンのパッケージは、購入後不要になるものだが、GT 10 Proはパッケージ側面にスマートフォンを立てるためのスリットの穴が開いており、USB Type-Cケーブルを組み上げてスマートフォン充電スタンドとして使うことができる。
さらにパッケージ底面(スタンドとして使うときは前面になる)にはメッシュ状の穴が開いており、スマートフォン底部のスピーカーからの音をパッケージ内部で共振させて、大きな音で再生してくれるのだ。
OSはAndroid 13をベースにした自社開発のXOSを搭載、ゲーミング向けにカスタマイズを加えたXOS 13 for GTを採用している。カスタムOSでありながらも、Androidから大きな手は加えられておらず、広告などのない軽い設計のOSになっている。
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