連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第115回
生成AI活用で検討すべきポイント、サイバー攻撃の潮流、企業のデジタル投資まで
2024年のテック業界はどうなる? 各社「今年の動向予測」まとめ
2024年01月04日 10時00分更新
エンタープライズIT:デジタルへの投資と取り組みが大きく成長
最後に、デジタルビジネスやエンタープライズIT全体の2024年動向についても見ておきましょう。
IDCでは「Top 10 Worldwide Digital Business 2024 Predictions」として、グローバルのデジタルビジネスに関する10の予測を発表しています。生成AIを除くと、次のように予測されています。
・企業のデジタルテクノロジーへの投資は、経済全体の7倍の速さで成長
・デジタルビジネスプラットフォームがデジタルの取り組みを加速させる
・サステナビリティの目標達成にデジタル技術が活用される
ガートナーの「2024年の戦略的テクノロジ」トップ10も見ておきましょう。
クラウド領域では、業界別の要件に対応したSaaS/PaaS/IaaSを組み合わせた「インダストリ・クラウド・プラットフォーム」の利用が進みます。また人材/職場領域では、生成AIを組み込んだインテリジェント・アプリケーションとワークフォース・アナリティクスを活用して、従業員エクスペリエンス改善や能力開発支援などを行う「拡張コネクテッド・ワークフォース(Augmented-Connected Workforce)」を紹介しています。
・2027年までに企業の70%以上がインダストリ・クラウド・プラットフォームを使用(2023年は15%未満)
・2027年末までにCIOの25%が拡張コネクテッドワークフォースを利用、重要な職務能力の獲得に要する時間を50%短縮
* * *
今回の記事ではIT周辺の2024年予測をまとめてご紹介しましたが、もちろんIT以外の世界でもさまざまな変化があるでしょう。記事中では米国大統領選挙や台湾総統選挙に触れましたが、ほかにも世界経済の動向、国家間の紛争、自然災害の発生など、まさに予測不可能な出来事が、ITの世界にも大きな影響を与えるはずです。
最後に、ガートナーが発表している「2024年に向けて獲得すべきマインドセット」というアドバイスを紹介しましょう。
・産業革命のマインドセット
・作業者からクリエイター、アーティストへ
・ハードウェア中心からサービス・スタックへ
・AIの進化の影響を考える
・IT部門は丸投げから自分で運転へ
・時代に合わせて変える
この連載の記事
-
第137回
ITトピック
AI業務利用で広がる「BYOA」、5割超のCEOが「気候変動のビジネス影響」懸念、AIスマホの市場投入が本格化、ほか -
第136回
ITトピック
正社員の45%「会社は管理過剰」、モバイル通信市場は法人向けが牽引、退職後に備える貯蓄の理想と現実、ほか -
第135回
ITトピック
転職エージェントに対するエンジニアの不満、「データ活用の民主化」第一歩はデータ基盤構築“ではない”、ほか -
第134回
ITトピック
「OTへのサイバー攻撃を経験」が76%、Z世代との1on1面談は“詰問調”になりがち、医療機関のランサム被害、ほか -
第133回
ITトピック
日本企業のAI専門チーム設置率は38%で海外の半分以下、就活で「採用動画は重要」73%、ほか -
第132回
ITトピック
中小企業に聞く「無駄な事務作業」第1位は?、女性セキュリティ人材の比率と給与格差、ほか -
第131回
ITトピック
もうインターネット通信の半分は“ボット”、デジカメ出荷が13年ぶり増加、生成AIのリスクに慎重な大企業、ほか -
第130回
ITトピック
DX成功のために業務改革が欠かせない理由、Webサイトの表示が遅いのは何秒待てる? ほか -
第129回
ITトピック
Web攻撃の23%がAPIを標的に、エンジニアの役割に転換期、ローカル5G市場は商用フェーズに移行、ほか -
第128回
ITトピック
データのマネタイズを実現した企業が増加、高度なセキュリティ対策と株主利回りの相関関係、Apple不調で国内ウェアラブル市場は縮小、ほか -
第127回
ITトピック
「仕事との健全な関係」カギはAI?、国内ERP市場とビッグデータ/アナリティクス市場の成長率、“Fast 50”トップ企業は、ほか - この連載の一覧へ