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PCからエッジ、データセンターまでのソリューションを紹介、「Lenovo Tech World Japan '23」

AIワークロードが分散化していく未来にどう備えるか ― レノボ

2023年12月06日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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NPUを搭載するクライアントデバイスは“生成AIへの窓”へと進化

 続いて安田氏がクライアントデバイス、特に「Lenovo ThinkPad」の進化の歴史と、これから登場するデバイス上のパーソナルAIに期待できることを、マイクロソフトによる「Windows 11」や「Copilot」のライブデモも交えながら紹介した。

 ThinkPadブランドがIBMで誕生したのは1992年のこと。それから30年以上にわたり、ThinkPadでは一貫して「オフィスから仕事を解放するために」というコンセプトに基づき、ユーザーの生産性向上を支援するデバイスの開発に取り組んで来たと、安田氏は説明する。

 ただし、ビジネスPCに求められる役割は時代の変化と共に変わっていく。たとえばクラウド利用が当たり前になった現在、PCには、いつでもインターネットにつながる“クラウドへの窓口”という役割が求められるようになった。またコロナ禍以後は、オンライン会議における自然な音質や画質が求められている。

 ThinkPadの開発においては、こうしたニーズ変化に対応する、あるいは先駆けるかたちで、「少し先の当たり前」の技術(将来的に一般化すると考えられる技術)を取り込んできたという。

30年以上に及ぶThinkPadの歴史。その開発においては、常に「少し先」の技術を取り入れてきた

 そして、現在考えられている「少し先の当たり前」が、ローカルPC上で実行されるパーソナルAIである。安田氏は、その実現の鍵を握るのがAI処理専門のプロセッサコア「NPU(Neural Processing Unit)」だと説明した。すでにThinkPadの一部機種ではNPUを搭載して、カメラ映像による自動ロック解除(本人認証)やノイズキャンセリングなどのAI処理を行っているという。

 「NPUを使うことで、CPUやGPUに負担をかけず、バッテリへの影響も最小限に抑えながらヘビーなAIワークロードが実行できる。今後さらに、このNPUがCPUに載ってくる(統合される)ことで、デバイス(PC)上で完結するAIワークロードの幅が大きく広がる。生成AIもクライアントデバイス上で活用されるようになる」(安田氏)

 生成AIがユーザーの業務をサポートし、生産性を向上させる「少し先の当たり前」の実例として、ゲスト登壇した日本マイクロソフトの佐藤 久氏が、Windows 11やEdge、Microsoft 365が搭載する生成AIアシスタント「Copilot」のライブデモを披露した。

日本マイクロソフト 業務執行役員 デバイスパートナーセールス事業本部 事業本部長の佐藤 久氏がゲスト登壇。「Windows 11で加わった新しい価値のひとつが“AI”」だと述べ、Copilotを使ったライブデモを披露した

Copilotが、長時間の講演動画の要約を作成したり、プレゼンテーション台本(テキスト)からPowerPointスライドを自動生成したりする様子をデモで披露

 まとめとして安田氏は、これからのPCにはNPUが搭載されて“AIの窓(インタフェース)”としての役割がさらに強化されていくこと、2024年以降はNPU搭載PCの飛躍的な進化が期待されること、PC上のパーソナルAIとクラウド上のプライベートAI、パブリックAIとの役割分担を考えたアーキテクチャ検討が必要になることなどを述べた。

これからのPCは“生成AIの窓”としての役割を担うことになる

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