連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第109回
IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 11月11日~11月17日
デジタルビジネス実現の日本企業は24%、公務員を抜き大学生就職人気トップの企業、DevSecOpsの導入率、ほか
2023年11月20日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。
今回(2023年11月11日~11月17日)は、国内企業におけるデジタル・ビジネスの実現と成否の要因、いまの大学生が就職したい企業、DevSecOpsの導入率、業務上での生成AI活用スタイル、国内主要都市で高騰する家賃とプロが考える“妥協”のポイント、についてのデータを紹介します。
[DX]デジタル・ビジネスを実現した企業は24%、成功要因トップは「経営判断/投資」(ガートナージャパン、11月15日)
・デジタル・ビジネスを実現した企業は24%、2017年の11%から13ポイント増
・デジタル化の成否に影響するのは「経営判断/投資」(31%)がトップ
・2024年以降のポストデジタル時代はAI、Web3、メタバースによる自律型ビジネスに注目
日本企業のデジタル・ビジネスの取り組み(既存事業の変革、新事業開発)状況を、2023年4月に調査した。「デジタル・ビジネスを実現した」と回答した企業は24%となり、2017年の11.9%から増加。また8月の追加調査では、デジタル化の成否に最も影響が大きい要因として「経営判断/投資」(31.1%)、「企業文化」(20.3%)、「自社のイノベーション組織/人材」(19.6%)という回答が多く挙がっている。
[企業]大学生が就職したい企業・業種、任天堂が民間企業初のトップへ、収入が重要な選定基準に(リスクモンスター、11月15日)
・大学1、2年生が就職したい企業の1位は「任天堂」、民間企業が初のトップに
・過去トップの「国家公務員」「地方公務員」はそれぞれ2位、3位
・就職先選定の重視項目1位「給与額」、将来望む就業の形1位「出世して高収入」
9回目となる年次調査「大学1、2年生が就職したいと思う企業・業種ランキング」より。人気上位は、1位「任天堂」、2位「国家公務員」、3位「地方公務員」、4位「ソニー」、5位「グーグル」。過去8回は「国家公務員」「地方公務員」のいずれかがトップだったが、初めて民間企業がトップとなった。任天堂は理系・男性からの人気が高かったという。就職先選びの重視項目1位は「給与額」、将来望む就業の形1位は「出世して高収入を得たい」、1000万円以上の年収を得たいと考える学生が増加しているなど、前回調査より「高収入を得ること」を重要視する傾向が見られたという。
[開発][セキュリティ]DevSecOps導入は進むが、過去1年でセキュリティがDevOpsに影響した企業は80%(シノプシス、11月14日)
・DevSecOpsの手法を「ある程度導入している」企業は91%に
・80%がデプロイ済みソフトウェアに潜むセキュリティ問題がDevOpsに影響
・ソフトウェアセキュリティ対策にAIを積極的に活用する組織は52%
日本を含む世界8カ国のIT担当1000人を対象に、ソフトウェア・セキュリティに影響を与える戦略、ツール、プラクティスを調査した「世界のDevSecOpsの現状 2023」より。DevSecOpsの手法を「ある程度導入している」企業/組織は91%。しかし80%が、デプロイ済みソフトウェアにセキュリティ問題が潜んでいたため「過去1年間にDevOps提供スケジュールに影響が出た」とも回答している。また、デプロイ済みアプリの脆弱性へのパッチ適用に要する時間が「2、3週間」という企業が28%に及んだ。AI活用は進んでおり、組織のソフトウェア・セキュリティ対策強化のためにAIを活用している企業は52%。一方で76%が、「AIを用いたサイバーセキュリティの潜在的な欠陥について懸念している」と述べている。
[生成AI]業務の生成AI利用方法は「個人が目的に応じて利用」が最多、最大の不安は「情報の不正確性」(UiPath、11月16日)
・業務での生成AI利用方法は「個人が利用目的に応じての利用」が最多で62%
・今後の生成AI活用「大幅に増える」「増える」が67%
・課題は、「情報の正確性に対する不安」(73%)「プライバシーとセキュリティの不安」(63%)など
組織で働く職員を対象に、生成AIの利用について調査した。勤務先で生成AIを「日常的に業務利用する」人は19.5%、「時々利用」は29.6%、「試している」は50.9%。利用方法としては「個人が利用目的に応じて利用」が62.3%で最多、「業務プロセス、フローの中で、決められた用途で利用」(52.2%)が続く。懸念は「情報の不正確性」(73%)がトップ、「プライバシーとセキュリティ」(63.5%)、「展開方法とガバナンスルールの作成が難しい」(39%)が上位。
[生活]都心など7エリアの平均募集家賃は過去8年で最高値、2024年も同じ傾向と予想(アットホームPR事務局、11月17日)
・2023年、東京23区など7エリアのマンションの平均募集家賃は過去8年で最高値を更新
・東京都は2023年に人口増、2024年も家賃の高騰と物件の人気情報は継続と見込む
・一人ぐらしの住まい探しで妥協しても問題ない条件は「築年数」「外観のデザイン」
2023年は物価高に合わせ家賃も上昇傾向に。平均募集家賃は、東京23区・東京都下・埼玉県・仙台市・名古屋市・大阪市・福岡市の7エリアで過去8年で最高値を更新した。東京23区のシングル向け物件平均家賃は、2023年1月の8万8769円から同年9月には9万1289円へ。この上昇傾向は2024年も続くと予想している。一人暮らしの物件探しにあたって、不動産のプロが妥協しても問題ないと考える条件は「築年数」、設備は「追い焚き機能付きバス」。一方で、ユーザーは妥協しても問題ない条件として「建物構造」、設備では「オートロック」を挙げている。
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