透明の猫用アクリルボウルって、ちょっと憧れる。猫が半球のドームにきれいに丸まって寝てたりすると実にいい。「猫は液体である」という名言もうなずけるというもので、その様子を見るために透明な半球をキャットタワーに据え付けようと発想した人は素晴らしいのである。手足がどう絡み合ってるか、ややこしくてたまらない。
で、先日、誰もアクリルボウルにいなかったので、じゃあ子猫をアクリルボウルに誘導しよう、とボウルの中にボールを投げ込んだのである。ボウルの中で遊ぶ子猫の姿を見たいと思ったのだ。
そしたら何が起きたか。冒頭写真を見るとわかる。これは想定外で、思わずポケットに入れていた「iPhone 15 Pro Max」を撮り出したのだった。
面白かったですよ。なにしろ、交互に手を出すのである。「オレが先に見つけたんだ。おまえじゃだめなんだよ、次はオレだーっ」てな感じで。
でも、猫は賢いのであった(片方だけ)。10数秒ほどアクリル越しにアプローチしたのち、右側の猫が気づいたのだ。もしかして、上からなら行けるんじゃね?
賢い! というわけで、ここでやっとカメラをiPhone 15 Pro Maxから富士フイルムの「GFX100 II」に持ち替える。
やっとボールに触れたキジトラ。
もう1匹はというと、まだ下からのアプローチに挑戦してるのだった(さっきとはちょっと立ち位置が変わってる)。
そして、これでやっとボウルの中で丸くなって液体と化したキジトラ子猫を堪能できるかと思いきや、今度は上からぶら下がってる紐を見つけ、いつまでたっても落ち着いてくれないのである。
結論。猫は面白い。
そして、私はといえば、一番いいアングルで撮るために、モニタを開いたりファインダーを覗いたり、立ったり座ったりを繰り返して、すっかり疲れたのであった。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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