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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第214回

MEMSドライバー採用、未来の完全ワイヤレス開発でクリエイティブとxMEMSが協業

2023年08月27日 09時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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有線に続き、ようやく完全ワイヤレスへの搭載か

 MEMSスピーカーを搭載した完全ワイヤレスイヤホンでは、過去にInventec Appliances Corp(IAC)社の「Chiline TR-X」にxMEMSが提供したMEMSスピーカーを採用するという情報があった。Chiline TR-Xは、2022年3月の発売を予定していたが、こちらはいまだ話を聞かないのでどうやら相当遅れているか、コロナ禍の中で消えてしまったのかもしれない。

 一方、MEMSスピーカーを採用した有線イヤホンでは、iFi audioがMEMSスピーカー対応のポータブルアンプ製品「Diablo-X」を発表しており、Soranikがこれに向けた製品「MEMS-2」を発表している。MEMSスピーカー対応と敢えてうたっているのは、MEMSスピーカーの動作には高電圧を要するので、高いバイアス電圧を供給する仕組みを持つということだと思われる。

 MEMS-2は米国で1200ドル(約17万5000円)という高級イヤホンで、xMEMSとUSOUNDのドライバーを両搭載しているのが注目点だ。BAドライバーの世界で言えばSonionとKnowlesのドライバーを2つ積んでいるのに似た感じだ。もう一つの特徴として、いかなるパッシブコンポーネントも搭載していない真のクロスオーバーレス設計がある。MEMSスピーカーの特性がこの設計に関連しているかなどの詳しい情報はわからない。

 有線イヤホンでは音質の高さに着目して高級イヤホンの方向で採用され、完全ワイヤレスイヤホンでは小型化と省電力を重視するという形で、それぞれMEMSスピーカーの特性を活かした棲み分けがなされてきているのは興味深い。

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