FiiOの「R7」は万能でなかなか使い勝手がいい機器と言える。一方で従来にないタイプの機器でもあり、使い方がよく分からない人もいるだろう。この記事ではR7と最近発売されたパワードスピーカー「SP3」との組み合わせを紹介する。
スマートフォンの使いやすさとオーディオ的な多機能性を両立
R7は縦型デザインで、前面にスマートフォンのような大型の操作ディスプレーを備えている。最近ではDAPも高性能化して、家庭で据え置いて使われることも多い。そうした多様なニーズに答えるために開発したデスクトップオーディオと言えるだろう。
R7は多機能で汎用機と専用機の両方の側面を持つ。8つの操作モードの切り替えが可能だ。Android 10やミドルクラススマホに搭載されることが多いSnapdragon 660を採用しており、例えば「Androidモード」では、スマートフォンと同じように、ストリーミングサービス用のアプリを導入できる。また、「Pure Musicモード」ではローカルファイルの高品質な音楽再生に特化したオーディオ機器として使える。ほかにも「AirPlay対応モード」や「Bluetoothモード」、「Roon Readyモード」など用途に応じたモードを持つ。ネットワークは、Wi-FiだけではなくEthernetにも対応。ソース機器としては万全と言えるだろう。
また、オーディオ部分も充実していて、DAC ICにはESS Technologyの「ES9068AS」を採用。さらにTHX-AAA 788+アンプを搭載。最大3.2Wと高出力かつ本格的なDAC内蔵ヘッドホンアンプでもある。抜き差ししやすい前面に、6.3mm、4.4mm(バランス)、XLR 4pin(バランス)のヘッドホン出力を備えている。このように、R7は“全部入り”のホームオーディオ機器であり、ヘッドホンを使うのであれば1台で完結できる。
R7のために作られたスピーカーがSP3
スピーカーを駆動するためのアンプは内蔵しないが、LINE出力を持つため、パワードスピーカーを追加すれば、スピーカーを使ったオーディオ再生も楽しめる。そのためにFiiOが自社開発したのが「SP3」というパワードスピーカーだ。SP3にはFiiO独自設計のアンプ回路が搭載されており、まさにR7と組み合わせるのに好適なスピーカーと言えるだろう。
SP3は3.5インチのカーボンファイバー振動板を使用するウーファーと、1インチのシルクドーム型ツイーターを搭載した2ウェイ構成で、アンプも30W(ウーファー用) + 10W(ツイーター用)と高出力だ。コンパクトな筐体で低音の再現力を高めるために、FiiO独自開発のS字型ポートチューブを搭載している。ウーファーを駆動するマグネットは内側と外側で1.2テスラと高い磁束密度を実現している。RCAまたは3.5mmミニジャックで接続できる。
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