TestFlightで最新ベータ版の利用が可能
ストリーミングサービスの「TIDAL」が、ハイレゾ配信用のフォーマットをFLACに変更する方向に舵を切る。TIDALのCEO、Jesse Dorogusker氏が6月29日、海外フォーラムの「Reddit」への投稿で明らかにした。
以前、MQAが経営破綻をきたしたらしいという記事を書いた際に、Jesse氏がTIDALの「HiFi Plus」プランで、FLACの導入を始めるという発言をしたことに触れた。それがいよいよ現実のものとなったと言える。
Jesse氏は、6月29日からiOSのアーリー・アクセス・プログラム(EAP)ユーザーに、ハイレゾFLACを提供すると投稿している。EAPとはTIDALのiOSとAndroidのアプリから登録できる機能で、EAPに参加すればTIDALの最新機能やアップデートをいち早く試すことができる。新しいベータ版アプリにアップデートし、オーディオ&再生設定画面で「最高」音質を選択するとこの恩恵を受けられるという。
なお、iOSでベータ版アプリを試すためには、アップルが提供する「TestFlight」のインストールが必要で、TIDALは国内では正式にサービスインしていない点は注意してほしい。
MQAの利用は終わるのか、それともFLACと共存するのか?
これまでHiFi Plusプランに加入していて、MQAでハイレゾ配信を受けていたユーザーは、最大192kHz/24bitのハイレゾFLACで受けられるになるようだ。ハイレゾFLACでは、当初から600万曲以上の楽曲がストリーミング可能であり、さらにコンテンツ数を増やしていくと書いている。また8月にはEAPに参加していないユーザーもハイレゾFLACを体験できるようになるとも書かれている。
Jesse氏はFLACはオープンソースであること、アーティストやファンにとって恩恵があり、TIDALが進めるオープンプラットフォームのサポートという方針にも合致していると意義を説明しているが、MQAについては触れていない。一方で、可能な限り多くのハイレゾコンテンツを提供できるよう、今後も複数のフォーマットをサポートしていくとも語っているので、MQAのサポートをやめるということではないように思える。いわば折衷案を取ったようにも見える。
いずれにせよ、MQAの今後については依然として明らかではないが、TIDALは新たな道を歩み始めたようだ。最近またSpotifyがハイレゾプランを導入するかもしれないという噂が海外では再燃しているが、こうしたこともTIDALがMQAの去就結果を待てない理由のひとつなのかもしれない。
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