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初の折りたたみPixelにタブレット、Pixel 7aも! Google I/Oは初夏のPixel祭り 第20回

【写真家レビュー】お世辞抜きで欲しい「Pixel Fold」圧倒的に便利!

2023年06月27日 02時00分更新

文● 鹿野貴司 写真●鹿野貴司 編集●飯島恵里子/ASCII

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メインカメラは35ミリフルサイズ換算で25mm相当。スナップに使いやすい画角だ。4画素の情報を1画素に混合するため、センサーは48メガだが得られる画像は12メガ。それえ階調はとても豊かだ

Pixelシリーズならではのカメラ性能も光る

 背面のカメラは48メガのメイン(広角)カメラを挟むかたちで、10.8メガの超広角カメラ(0.6倍)と望遠カメラ(5倍)がそれぞれ配置されている。以前ASCII.jpでレビュー(【写真家レビュー】マクロと30倍ズーム搭載 Pixel 7 Proは処理能力が向上、グーグルAIの底力を感じる)したPixel 7 Proと比べると、動画撮影時に背景をボカす「シネマティックぼかし」や擬似的に流し撮りの効果を加える「アクションパン」には未対応だ。そのほかマクロフォーカス未搭載や超解像ズームが20倍まで(Pixel 7 Proは30倍)といったカメラ回りの機能に違いがある。

 ただし、画質はメリハリとディテールのバランスがとれた、Pixelシリーズ特有の美しさをしっかり継承している。

そのメインカメラはF1.7と明るく、手ブレ補正が内蔵されていることもあって夜景や室内もシャープに撮影できる。夜の路地裏であらゆる光源が混ざり合っているが、色の濁りも見られない

 そのカメラ部分が本体からボコっと出っ張っている点は、もう少しダイエットを頑張ってほしかったが、この構造を考えれば致し方ないのかもしれない。というわけでデメリットは当然ながら、かさばることだろうか。また側面がラウンド状のため、たたむとスマホを2台を重ねているように見える。この点はGalaxy Z Fold4のほうがシャープでよい。

2倍ボタンを押すとデジタルズームで50mm相当に。遠近感が肉眼に近く、交換レンズでは「標準レンズ」と呼ばれる画角だ

 サイズに関しては横幅こそGalaxy Z Fold4のほうがスリム(67.1mm。本機は79.5mm)なものの、縦は本機が139.7mm(Galaxy Z Fold4は155.1mm)と短く、たたんだときの厚さは12.1mm(Galaxy Z Fold4は15.8mm)と薄い。実際に並べて比べたわけではないが、本機のほうが少しばかり小さく感じると思う。

超広角レンズの画角が121.1度。35ミリフルサイズ換算で12mm相当という、うっかりすると自分の足元が写り込みそうな広さだ

 最後にまとめると、折りたたみスマホがこんなに便利なものとは思わなかった。試用期間が短く、触ったアプリの大半はプリインストールされたグーグル謹製=本機に最適化されたものということもあるだろうが、ともあれディスプレーが広いことは操作性、そして老眼に悩まされる僕には視認性という点で大きなメリットを感じた。

5倍の表示がある望遠レンズは、35ミリフルサイズ換算で112mm相当。スポーツやステージはもちろん、風景をかっこよく切り取るのにも適している画角だ

Pixel 7 Proは30倍が可能だが、Pixel Foldは20倍までの超解像ズームを搭載。塗り絵のようにベッタリしてしまう部分もあるが、スマホで撮れる写真としては十分だと思う

 折りたたみ部分の耐久性については、3日ほど使っただけなのでわかりようもないのだが、少なくとも不安や違和感を感じることはなかった。というか今回は借用期間が短くて本当によかった。これが1ヵ月や2ヵ月触れていたら確実に手放せなくなり、25万3000円を用意しなければならないところだった。もっとも買い替えがお得になる割引プログラムもあるらしい。僕はこれ以上調べると懐に危険が及びそうなので、各自ご確認ください。

 

筆者紹介――鹿野貴司

 1974年東京都生まれ、多摩美術大学映像コース卒業。さまざまな職業を経て、フリーランスの写真家に。広告や雑誌の撮影を手掛けるかたわら、精力的にドキュメンタリーなどの作品を発表している。

 写真、文章を手がけた著書『いい写真を撮る100の方法』(玄光社)、写真集に『山梨県早川町 日本一小さな町の写真館』(平凡社)など。公益社団法人日本写真家協会会員。

 

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