このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

「アジアのエクイニクス」がデータセンターを初めてプレスに公開

デジタルエッジが最新データセンター「OSA1」公開 関西の動向、電力高騰の影響も聞いた

2023年05月18日 11時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII 写真提供●デジタルエッジ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 2023年5月17日、デジタルエッジは大阪市内にある最新の都市型・ネットワーク集約型データセンター「OSA1」のプレスツアーを開催した。会場では、デジタルエッジの事業概要やOSA1の詳細のほか、日本代表の古田敬氏からデータセンターにまつわる最新のトピックも披露された。

堂島にも近いOSA1 災害対策やセキュリティも充実

 2022年1月にサービスインしたOSA1は、関西圏に2つある同社のデータセンターのうち1つ。京阪神ビルディングが所有する地上16階建てのデータセンター向けビルに構築されている。大阪のデータセンターや通信設備の集約点である堂島エリアからほど近い大阪ビジネスパーク(OBP)に位置しており、駅としては京橋や大阪城址公園が最寄りだ。

 強みは日本の地理的条件として重視される自然災害への対応だ。ビルは国内最大クラスを謳う免震構造設計となっており、大地震時の変形に対しても2倍以上の変形性能を持つ。具体的には免震層で建物を支えるゴムアイソレーターにより、最大450mmの変形に対して、1000mmの余裕を確保しているという。これに制震ダンパーを組み合わせることで、サーバー室の入力加速度を250gal以下に抑え込むことができる。また、深さ54mの杭支持により、表層地盤の液状化による建物の沈下はなく、ハザードマップ上も内水や河川氾濫、液状化などが発生にしにくいロケーションになっているという。

OSA1の入るビル。国内最大クラスの免震構造設計を謳う

ホテルのようなエントランス

 コロケーションスペースは最大7700㎡で、キャパシティは最大2900ラックを想定する。フロアタイプは自由度の高いフリーアクセスフロアで、企業や組織のリテール需要のみではなく、ハイパースケーラーでの利用にも対応する。耐荷重も1.8トン(重荷重エリアは最大2.3トン)となっており、集積密度の高いIT機器やバッテリなどの積載に耐えうる。微量な煙も検知する消火設備も備え、コロケーションスペース自体もフロア内で2つに分割されている。

 電力は14.4MWまで拡張する予定で、PUEは1.32を想定している。77kVの本線と予備の2系統の受電設備、N+1構成の無停電電源装置、自家発電設備(ビル所有)など冗長構成の電力設備を用意。空調設備に関しても、N+20%のキャパシティを持ち、ループ型の配管を冗長化している。複数キャリアのネットワーク引き込み、パブリッククラウドも複数との接続が可能で、システムの高い信頼性・可用性の実現に寄与する。

コロケーションスペースはフリーアクセスフロア。下からの吹き上げとなる

コロケーションエリアに設置されたラック

屋上にある空調の制御設備

中央の監視センター。もちろん有人での監視が見学できた

 アクセスの良い都市型データセンターということで、セキュリティも堅牢だ。ビル自体の警備や受付のカード認証はもちろん、カードリーダーと顔認証を組み合わせた2ファクター認証のシステムを用いて共有スペースやサーバールームへのアクセスを厳しく管理している。マントラップも共連れ防止が施されており、顔認証でのチェックと合わせてかなり厳重な印象だった。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード