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トライバンドで12ストリーム可能

Wi-Fi 6E&10GbE LAN対応ルーターのバッファロー「WXR-11000XE12」見参

2023年05月05日 10時00分更新

文● 飯島範久 編集●ジサトラハッチ

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フラッグシップモデルの実力は?

 さっそく、筆者宅に設置してその実力を検証してみた。まず設置に関しては、使用しているプロバイダーがIPoE接続なので、ケーブルをつないで電源を入れるだけで自動的に回線を認識してネット接続できた。

 同メーカー製ルーターからの引っ越し機能などはあるが、スマホアプリを使って設定というわけではないので、PPPoE接続などではルーターの設定へ接続して、マニュアルを読んで行なうことになる。

ルーターの管理画面。IPoE接続なら特に何もする必要なく利用できるはず。Wi-Fiの設定は周波数帯とセキュリティ設定ごとにSSIDが割り振られている

 SSIDは、それぞれの周波数帯に分かれて設定され、さらにセキュリティによっても分けられている。今回の計測では、暗号化方式をWPA3 Personal AESに設定したものを利用した。

 SSIDとパスワードは、カードに記載されたものが用意されており、本体背面に収納できるようになっている。AOSSに対応していれば、ボタンひとつで設定完了するが、そうでない場合はパスワードの入力が必要なので、カード式だと見やすくどこにあるかもわかりやすくて便利だ。

カードになっていると、スマホで見ながら設定できるので便利。本体裏面にカードを格納できる仕組みになっているのもうれしい。

 本製品は、2階に設置し4箇所の部屋で速度を計測した。計測には「Speedtest」アプリとスループットを測る「iPerf3」を使用。Speedtestの場合、ノートPCで何度か計測して好結果の値を記録として記載しているが、回線やサーバーの混み具合によって速度が異なるため、その点を留意してほしい。

 また自宅は軽量鉄骨造りの2階建で、壁内にも金属が入っているため木造住宅よりは電波が届きにくくなっている。また、回線はフレッツ光NEXTで速度は最大1Gbpsのため、残念ながらWAN側10Gbpsの実力は発揮できない。

自宅の間取り図と計測場所。2階の納戸にルーターを設置している

 一方iPerf3では、2.5Gbpsの有線LANアダプターを接続したVAIO Zを使用しノートPC間で計測。30秒間の平均値を取り、やはり好結果の値を記録として記載している。なお、ノートPCはWi-Fi 6Eに対応したVAIO SX14 ALL BLACK EDITIONを使用している。

 計測した結果は以下の通りだ。アンテナは、極力4箇所で最適な速度が得られるような角度にしている。

Speedtestによる計測結果

iperf3による計測結果

 Speedtestの結果を見ると、2階リビングと2階奥の部屋、1階和室は6GHz帯と5GHz帯がかなり拮抗しているが、1階奥の部屋は6GHz帯が急激に落ち、5GHz帯と差が開いている。ルーターからいちばん離れているのと、アンテナの指向性の強弱が逆に少々影響しているのかもしれない。

 というのも、一番奥の部屋の扉付近では、6GHz帯でも上下とも500Mbpsを超えているのだが、部屋に入ると一気に落ちてしまうのだ。電波強度的にも最弱付近をうろつくため、筆者宅の場合はメッシュ環境にしたほうがいいようだ。

 ただ、ほかの3部屋の結果を見ると、ルーター設置場所から水平方向と垂直方向には結構強いようで、参考として有線接続時の速度も計測すると、ルーターにいちばん近い2階リビングではかなり好結果を記録していることがわかる。

 一方スループットでは、ルーターにいちばん近い2階リビングでは1200Mbps前後を記録。1階和室でも6GHz帯で下りが781Mbpsを記録しており、かなり高速という印象だ。

 ちなみに、リンク速度的には最大2402Mbpsのため、約半分程度までは出ていることになる。ただやはり、1階奥の部屋は6GHz帯で下り318Mbps出たものの、安定しているかというとそうでもないので、1階に中継機を置くことで、最適な通信環境になりそうだ。

 今回の結果を見てみると、ルーターの設置場所が家のセンターにあると、上下階があってもまんべんなく本製品のみでまかなえるのではと思う。筆者宅のようにルーター設置場所が端の場合は、一部電波が弱いところが出てくる可能性があるので、その場合はメッシュ化を検討したほうが良さそうだ。

家庭内LANも高速化の時代に

 WXR-11000XE12は、5万円前後とフラッグシップモデルだけに少々値段は張るが、指向性のあるダイポールアンテナにより電波強度の調整ができ、しっかり電波が届けば速度の低下も少なく広い範囲で高速通信が可能なため、部屋の構成や設置場所によっては、これ一台でカバーできるだろう。

 また、帯域ごとに4ストレームぶん確保されているので、家族で同時にネット接続しても、速度の低下を抑えられ、10Gbpsの回線を利用していれば、その通信能力をフルに発揮できる。LAN側にも10Gbpsが備わっていて、メッシュWi-Fi時に中継機と接続したり、10Gbps対応のHubやNASを接続することで、高速LAN環境の構築にもつながる。

 家庭内LAN環境は長い間1Gbpsの時代が続いてきたが、10Gbpsのネット回線が増えてきたことで、ようやく高速の時代に突入している。いち早く10GbpsのLAN環境にしたいなら、LAN側にも10Gpbsのポートがあるものを選ぶべき。高速Wi-Fiが組み合わさった本製品なら、将来を踏まえて投資する価値があると言えよう。

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