連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第30回
IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 4月23日~4月29日分
プログラミングの学び始め年齢は?、9割超がテレワーク中の“ちょい抜け”を支持、ほか
2022年05月09日 07時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えしています。
今回(2022年4月23日~4月29日分)は、情シスがいまフォーカスしていること、テレワーク中の仕事中断=“ちょい抜け”経験、法人向け5G市場の成長率、プログラミング教室の体験申し込み実態、DX支援で頼る事業者やサービスについてのデータを紹介します。
■[情シス][DX]情シスの現状:テレワーク対策はひと段落、フォーカスは「クラウド、セキュリティ、ローコード/ノーコード」(ソフトクリエイト、4月27日)
・テレワーク対策はひと段落、フォーカスはクラウドとセキュリティにシフト
・ノーコード/ローコードへの取り組みが急増
・ゼロトラストベースのセキュリティ対策への取り組みは微増
ソフトクリエイトが情シス(情報システム部門)の実態を把握する年次レポート「情報システムの現状とIT活用実態アンケート 2022」より。ITシステム運用に関与する人554人を対象に、2021年12月~2022年1月にかけて調査を実施。情シスが考える「注力すべき分野」として「テレワーク対策」を挙げた人は、昨年の46.6%から32.9%と大きく減った。増えたのは「セキュリティ強化」など。前回調査にはなかった選択肢「ノーコード/ローコード開発への取り組み」は19.1%が挙げた。セキュリティでは、ゼロトラストの取り組みについて「すでに取り組んでいる」「検討している」が微増したが、25.8%が「よくわからない」と回答。普及ペースはゆっくりのようだ。
■[働き方]テレワーク経験者の8割が「ちょい抜けワーク」で仕事中断(アドビ、4月25日)
・テレワーク中に私用で仕事を中断する「ちょい抜けワーク」の経験者は77.7%
・9割以上が「柔軟な働き方を認める企業で長く働きたい」
・テレワーク中の業務資料のフィードバックは「メールやチャットなどデータファイルとは別のツールで」が最多
週1回以上テレワークをするビジネスパーソン500人を対象に、テレワークと理想の働き方について聞いた。調査期間は3月14日~16日。テレワーク中に家事や育児をはさみながら働くことが認められている人は82.4%、そのうち実際に私用で仕事を中断した経験がある人は77.7%だった。男性/女性ともに、子どもと同居している人は平均を上回る「ちょい抜け」経験がある。テレワーク中の資料フィードバック方法では、「メールやチャットなどデータファイルとは別のツール」が63.2%で1位、「データファイルをクラウド共有し、複数人が同じファイルで作業する」は23.8%で5位だった。
■[5G][IoT][DX]法人向け5G市場は2026年まで年平均54.3%で成長、今後の課題は「実証実験からの脱却」(IDC Japan、4月25日)
・法人向け5G市場の市場規模は2026年、1兆841億円を予想
・2021年~2026年まで年間平均成長率(CAGR)54.3%で成長
・産業における5G導入は、映像中継、自律運転、画像AI分析などが後押し
国内法人向け5G(パブリック5Gおよびローカル5G)市場として、5G対応デバイス、5G通信サービス、ローカル5Gインフラストラクチャ、5Gによって可能になるIT関連のアプリケーションに対する支出について、2021年~2026年の予測を発表した。この間にパブリック5Gがおおむね全国で使える状況になり、法人市場でも5Gへの移行が加速することが見込まれる。産業界では、ユースケースに加えて5Gソリューションの低価格化、関連エコシステムの成熟が5Gの加速要因としている。現時点では実証実験が中心であり、今後は商用導入を増やすこと、協創活動を通じたユースケースの開拓や関連ソリューションの開発で機運を高める必要があるとしている。
■[教育][プログラミング]加熱するプログラミング教育、習い始めは9歳が最多、性別と地域に大きな偏り(コエテコ総研 byGMO、4月28日)
・プログラミングを習い始める年齢は7~9歳が最多、小学生が8割以上を占める
・性別は男の子が8割以上、地域は関東が4割以上
・教材は「Scratch」と「Minecraft」が人気
プログラミング教育ポータル「コエテコ byGMO」の調査機関「コエテコ総研 byGMO」が、同ポータルから子ども向けプログラミング教室に体験申し込みを行なったユーザーデータをまとめた。体験申し込み者は「7~9歳」が50%、「10~12歳」が36.1%だった。男女比は男の子が81.8%、都道府県別では関東が44.9%と、性別と地域に大きな偏りがある。教材は「Scratch」が最も多いが、「Minecraft」を用いる教室も人気だった。小学校のプログラミング教育は2020年度より必修になっている。
■[DX]DX支援でコンサル、SIerの重要性が増す、選定で重視するのは「ビジネス上の問題解決」(IDC Japan、4月26日)
・DX支援ではコンサル、SI事業者の重要性が高まる
・利用内容は「ビジネス変革の支援」が最多
・DX支援サービスの事業者選定で重視するのは「ビジネス上の問題解決/コンサル能力」
国内企業のDX支援をするITサービス/ビジネスサービスの需要動向調査。従業員1000人以上の大企業を対象とした。DXイニシアティブでの最重要パートナーを尋ねたところ、「コンサルティングファーム」(22.2%)、「SI事業者/ITサービスベンダー」(19.2%)、「クラウド特化型のSI事業者」(14.0%)が上位に挙がった。利用内容は、「ビジネス変革の支援」(58.5%)、「デジタルマーケティング/デザイン支援」(28.7%)、「アプリ開発/SI支援」(27%)が上位。事業者選定にあたって、「ビジネス上の問題解決/コンサルティング能力」と「プロジェクト管理能力/調整力」が2021年調査から上昇して最多となった。
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